いよいよ始まる「働き方改革関連法」。有給休暇を計画的に取らせる方法とは
いよいよ4月1日から「働き方改革関連法」が施行される。現在の日本は少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や、育児や介護との両立、働く人のニーズの多様化など、様々な課題に直面している。
「働き方改革関連法」は、この課題の解決のため、働く人の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く人一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにと作られた法改正だ。主に「労働基準法改正」「労働安全衛生改正」など8つの法改正が行われる。
今回は「労働基準法改正」の中の『有給休暇の義務化』に焦点を当て、有給休暇を年に5日取らせる方法について、企業側の対応方法を紹介していく。
世界と比べても低い日本の有給取得率
平成27年の日本の有給取得率は48.7%と世界各国と比べても有給の取得率が低いことが分かっている。また、上記のグラフを見る限り、日本人の有給取得率は減少方向に進んでいることが分かる。人手不足や、有給を取得することに罪悪感を感じるなど様々な要因があるが、今回の有給休暇の義務化により、有給を取得しやすい環境は整ったといえるだろう。
有給休暇の義務化について
今回の法改正による有給休暇の義務化の具体的な内容は以下の通りだ。
■労働基準法第39条抜粋
「使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えなければならないこと. とする(労働者の時季指定や計画的付与により取得された年次有給休暇の日数分については指定の必要はない)」
つまり、有給休暇が10日以上与えられている従業員に対しては、企業側が日にちを決めてでも最低5日は有給休暇を取得させなければならないということだ。
有給休暇を取らせる企業側の対応方法
従業員に有給休暇を年間に5日取ってもらう方法は、主に2つの方法が挙げられる。
1.従業員と会社の協議による有給取得方法
一つ目は企業側と従業員の話し合いで有給休暇を計画に取らせる方法だ。会社の繁忙期と被らないようにしたり、他の従業員との有給休暇と被らないようにするなど、計画的に取らせる必要があり、企業側は会社全体のバランスを見る必要がある。
2.計画年休制度の導入
二つ目は計画年休制度の導入による強制的に有給を取らせる制度だ。例えば全社一斉に特定の日(ゴールデンウィーク期間の前後やお盆の時期の前後など)を休みにしてしまうなどだ。他にも課単位・部署単位で有給休暇を取ったり、ローテーションで有給休暇を取らせるケースもある。会社も全体の有給消化率を把握しやすいので、管理は比較的に楽になる。
まとめ
上記の方法に加え、二日酔い休暇制度や親孝行休暇制度など会社独自のユニークな有休制度を取り入れている会社もある。
業種や規模などに合わせ、適切な方法を取り入れてみてはいかがだろうか。