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福利厚生がもたらす効果とは? ユニークな福利厚生の導入事例

2019.04.15

 福利厚生は、企業に就業する際の基準の1つとなり得る。その上で、福利厚生が優れていればいるほど、従業員の定着率も高くなるのは事実だ。

 また、経営の手法が変わりつつあり、従業員と企業が相互に意思疎通を図りながら企業体として成果を上げていくといった手法が必要とされている。その上で、福利厚生に関しても、働き方改革に関連して従業員の満足度を上げるような制度を作っていく必要性がある。

 では、現在のような福利厚生の形はどうやって出来上がったのだろうか。福利厚生の歴史や役割などに触れたうえで、実際にユニークな福利厚生を同時にしている企業について解説していく。

福利厚生の歴史

 福利厚生は簡潔に言えば、給料以外の従業員に対するサービスのことを指す。まずは、福利厚生の歴史について見て行こう。

 福利厚生の歴史は近代化が始まった明治時代までさかのぼることができる。例えば、鉱山や工場などの職場で、宿泊施設の提供や食事の提供などが行われており、このようなサービスは福利厚生の一部だととらえることができるだろう。この頃には福利厚生という言葉はまだなかったものの、付随する考え方そのものは出来ていたと言っても過言ではない。

 本格的な福利厚生に目が向けられたのは、戦後からだ。1950年~1970年に関しては失業保険や雇用保険などの制度が登場しており、現在の法律や社会保障の一環となっている。また、戦後では宿舎や食堂の提供が多かったものの、高度経済成長期では家賃の支援や寮の提供などに切り替わっていった。

 そして、1990年からのバブルの崩壊後には、福利厚生にかける費用を抑えるために、ホテルやレストランなどのサービスを従業員に対して付随するなど、サービスの外注化が主流になっていった。

 最新の福利厚生に関しては、外注のサービスを充実させるとともに、会社内部での福利厚生を整えなければ社員の定着率が安定しないといった状況になってきている。

 また、自社保有の社宅や保養施設を持っている企業は限られており、そういった施設の維持費用も企業が負担する必要性がある。加えて言えば、福利厚生に関しての手続きも外注化されており、制度の充実が社員のやる気に繋がることから、今後はさらに福利厚生の内容を精査していかなければ、社員が定着しないといった事態に陥る可能性があると言えるだろう。

福利厚生の役割と効果

 福利厚生の役割は、給料以外の部分で従業員の満足度や生活を支えるといったものだ。そして、期待される効果は従業員の満足度を高めたうえで、生産性の向上や定着率の強化にある。

 福利厚生は大きく分けると法律で定められている雇用保険や厚生年金保険などの社会保険料を含んだ法定福利厚生と、住宅手当や交通費などの法定外福利厚生に分けられる。

 法定福利厚生に関しては、企業が必ず実施しなければならない法律に沿った福利厚生だ。そして、法定外福利厚生では企業が自由に導入できるものであり、住宅だけでなく、健康や育児、自己啓発、財産の形成なども法定外福利厚生に含まれている。また、福利厚生の歴史でも触れた社宅や特定の企業の従業員に対して割引サービスがある保養施設などは、法定外福利厚生に分類されるいるのが現状だ。

 そして、現在では法定外福利厚生がどれほど充実しているかといった見方が従業員にとって非常に重要であり、給料や就業環境以外のサービスのあり方によって満足度や生産性そのものに大きく関わってくる。そのため、福利厚生は給料以外の部分で従業員の満足度を上げるといった目的で新たに設定することもできるだろう。

 働き方改革に伴って社内の制度を見直す必要性があることから、福利厚生等に関しても一度見直すことをおすすめする。

ユニークな福利厚生制度の事例

ユニークな福利厚生制度の事例

 ここでいくつかユニークな福利厚生制度を導入している企業を紹介していく。いずれも従業員満足度の高い企業ばかりなので、真似をしてみると従業員の定着率が上がる可能性もある。

1.サイバーエージェント
 社員食堂はないものの、家賃保証や働く人々によって制度を作る風土がある。また、ペットボトルの飲料に対する無料サービスや弁当が格安な食べられるサービスもあり、会社の制度としては自由な社風がそのまま福利厚生に反映されてると言えるだろう。


2.リクルートグループ
 社内イベントや社内行事、社内研修などに会社負担で参加する事ができ、自分のスキルアップに繋がる研修を自上で三択して受けることができると言えるだろう。また、3年に1回ステップ休暇というものが存在しており、有給休暇などを合わすためて1ヶ月ほどの休暇を取ることも可能だ。


3.ヒューゴ
 仮眠(シエスタ)制度を設けており、一日8時間労働は変更がないものの、午後1時から4時までは仮眠時間だ。また、このシエスタタイムは仮眠だけでなく、美容室や映画鑑賞などの自由な時間として使用することができる。

加えて必ずこの汚染土を使用しなければならないわけではないことから、勤務時間の自由度が高いと言えるだろう。


4.ランクアップ
 会社でベビーシッターを契約している。子供に関しては、必ずしも思った通りに動くとは限らず、時には看病が必要なこともあるだろう。

 その上で、ベビーシッターと会社が契約していれば、安心して収容することができる。また、ベビーシッターそのものを個人で頼むと非常に高額となるもののランクアップにおける社員の負担は300円であることから非常に使用しやすい福利厚生と言えるだろう。


5.サイボウズ
 最長で6年間の長期介護休暇が取得できる。また、介護には実はレベルが設定されているものの、サイボウズではその介護レベルを問わず取得することができ、回数制限もない。加えて言えば、社員の離職率を下げるための社長が考案した福利厚生であり、2006年にこの制度が導入された。また、選択型賃金制度やオヒスに通わずとも勤務ができるウルトラワークなども導入している。

まとめ

 福利厚生は、給料以外の部分で従業員のライフスタイルを充実させるためのサービスだ。法廷が福利厚生課どのようなものかによって、労働力の確保にさえも大きな差が生じることが予想できる。そのため、働き方改革などによって勤務体系や会社内の制度を整える際には、福利厚生も見直してみよう。