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人事担当者必見!面接において、人材を見極める質問7選

2019.10.10

 面接は、会社のこれからを作っていく人材を採用する大事な場である。応募者を見極めてミスマッチを防ぐだけでなく、応募者に好印象を与えることも重要だ。面接官は会社の「顔」として応募者に接し、応募者の本来の姿を引き出せるような質問や雰囲気作りを心掛けなくてはいけない。

 本記事では、入社後のミスマッチを防ぎ、自社が求めている人材を見極めるための質問を紹介する。

まずは「アイスブレイク」で、緊張した硬い雰囲気を解きほぐす

 面接の冒頭で、あえて本筋とは関係のない軽い質問をすることで、求職者をリラックスさせることができる。あくまでも、雰囲気を作るための質問なので、仕事内容や面接の内容にかかわらない質問が良いだろう。
 しかし、アイスブレイクのつもりで聞いた質問も、基本的人権の侵害や就職差別になってしまったり、セクハラやモラハラと捉えられたりする危険性があるため、注意が必要だ。

アイスブレイクで使える質問

・「室温は大丈夫ですか?」(暑い、寒いなど)
・「今日はここまで何を使って来ましたか?」
・「当社まで何分ぐらいかかりましたか?」
・「緊張されてますか?」
・「会社説明会はどうでしたか?」
・「筆記試験はいかがでしたか?」

聞いてはいけない質問

・本籍地 
 「あなた(又は父親、母親)の本籍地はどこですか?」
・家族の職業 
 「ご両親はどちらの会社にお勤めですか?」
・家族の収入、資産、住居状況
 「両親は共働きですか?」「学費は誰が出費しましたか?」「家はマンションですか、戸建てですか?」
・思想・宗教・支持政党
 「信仰する宗教はありますか?」「信条としている言葉は何ですか?」「支持政党はありますか?」
・自宅付近の略図や経路など
 「〇〇市のどの辺りですか?」「住んでいる地域は、どのような環境ですか?」
・男女雇用均等法に抵触する質問
 「結婚・出産しても働き続けますか?」「結婚の予定はありますか?」

コミュニケーション能力を測る質問

 日常だけでなく、コミュニケーション能力は仕事を円滑に行う上で重要となってくる。今では約8割の企業が面接時に重視する項目としてコミュニケーション能力を挙げているようだ。

「自己PRをしてください」・「自己紹介をしてください」
 面接の導入部分での質問として使用できる。自分自身のことをいかに端的に分かりやすく相手に伝えることができるか、というプレゼンスキルも確認できる。

「趣味などはありますか?」・「好きな事はなんですか?」
 漠然とした質問ではあるが、回答する範囲が広いため、回答の仕方によって応募者のコミュニケーションスキルを測ることができる。

「社内でのコミュニケーションを円滑にするには、大事なことは何だと思いますか?」
 応募者のコミュニケーションに対する考え方を知ることができる。会社の社風や理念としてコミュニケーションを重視している企業では、それらに共感してもらえそうかを測り、ミスマッチを未然に防ぐことができる。

性格や価値観に関する質問(志向性に関しての質問)

 応募者を見極めるためには、性格や価値観に関する部分も考慮する必要がある。会社の雰囲気にあうかどうかを判断でき、採用選考だけでなく入社後の配属、教育などにも活かすことができる。
 
「どんな瞬間・どんな場面で仕事へのやりがいや喜びを感じますか?」
長く継続して働いてくれる忍耐力があるかどうかを見極められる。

「自分自身が成長したと実感した瞬間はありましたか?また、それはどんな時ですか?」
 自身の成長を自覚し実感できる人材は、成長意欲が高い人材であると言われている。また仕事のどのような点にやりがいを感じる人材なのかということも判断できる。

「働く上で、モチベーションを高めるものは何ですか?また、何がモチベーションを下げる要因ですか?」
 自身でモチベーションを高めれられる人材なのかを見極める。募集職種とのマッチ度に加え、経営理念や既存の従業員との相性なども確認することができる。
 

社員が企業の理念に共感、適合しているかを確かめる質問

 採用する上で応募者が会社の企業理念に共感をしているか(カルチャーマッチ)を見極める。カルチャーマッチを採用に取り入れることで、早期離職に伴う金銭的、機会的なコストも効果的に削減できる。
 
「どのような環境下で働きたいですか?」・「当社でどのような経験、スキルを身に着けたいですか?」
 応募者が求めるカルチャーが実際の環境と一致しているかを確認できる。

将来の可能性、ストレス耐性に関する質問

 選考の段階で学生のストレス耐性をはかり、入社後のミスマッチを避ける。仕事上起こるであろうトラブルに向き合う精神力や、オンオフを切り替えてリフレッシュできるかということが判断できる。

「屈折や失敗の体験について教えて下さい。」
 ミスはしても挫折から立ち直り、秘めている力や失敗から学んでワンランク成長できるかの見極めることができる。

「ストレスに感じる時はどんな時ですか?また、ストレスはどのように発散しているですか?」
 ストレスを感じるポイントは人それぞれだが、何に対してストレスを感じるのか知ることで、応募者の求める働き方を判断することができる。

スキルマッチを見る質問

 入社後の活躍を見通せるよう、書類選考だけでなく面接でもスキルマッチを評価項目に入れることもある。会社側が応募者にどのようなスキルを求めているかを明確にしておくことが大切である。

「当社では英語での会話が伴います。英語は話せますか?」・「どのようなツールやシステムが使用できますか?」
 スキルの程度を見極めるため、より具体的な質問をするよう心掛けよう。

仕事の進め方を見る質問

 既存社員と仕事の進め方が異なると、入社後に現場に負荷が生じる可能性がある。「報告、連絡、相談が的確にできるか」「優先順位を立てて業務ができるか」など、仕事の進め方が自社とあっているかを見極める。

「普段、業務でのToDo管理はどのように行っていますか?」
 仕事を進める際に、業務の全体像を把握しているか、細かなタスクを立てて段取り良く進められているか、目標を設定し達成するための細かいステップを考えることができるか、などを意識して聞いてみると良いだろう。

「リーダーシップを発揮したことはありますか?」
 組織へ貢献するための思考や行動があるかを見極め、集団の中での仕事の進め方を知ることができる。

志望理由・入社意欲に関する質問

 意欲の高さを測るとともに入社後に長く活躍できる人材かどうかも判断する。

「志望動機は何ですか?」
 仕事への熱意や適正を確かめられる他、応募先の企業がどのような人材を求めているかを理解しているか、リサーチ能力も測ることができる。

「当社で何を実現したいですか?」
 会社の事業をどの程度理解し、さらに自身の強みをどのような場面で発揮できると考えているかを確認する。採用後の配置にも参考にすることができる。

まとめ

 入社後のミスマッチや早期退職の大きな原因になる可能性もあるため、面接では、いかに「応募者の見えにくい特徴」を把握し、見極めるかということが重要となってくる。今回紹介した質問事例によって、少なからず応募者の本質に迫ることができるだろう。
 実際に入社した従業員と企業とが良好な関係を保っていくための第一歩として、より良い面接を実践していってもらいたい。