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自宅で学習? eラーニングのメリット・デメリットを紹介!

2020.04.03

 eラーニングというものをご存じだろうか。eラーニングとは主にインターネットを用いて研修などの学習を行うことである。従来の集合研修では講師を用意し、受講者全員とスケジュールのすり合わせを行う手間を要した。

 しかしもう直接人に教えてもらう必要はない時代が来ている。コンピュータ上で全て済んでしまうからだ。

 本記事ではeラーニングのメリットやデメリットについて紹介していく。

eラーニングとは

 eラーニングは、パソコンやDVDなどの「情報技術」を用いて行う学習方法のことである。

 2020年現在、eラーニングと言えばインターネットを通した学習という理解が一般的である。またその手法は年々多様化が進んでおり、スマートフォンやタブレットなどの「モバイル機器」で行うeラーニングも増えている。そのコンテンツに関しても、「フラッシュアニメーション」から「動画」へと主流が移りつつある。

eラーニング普及の歴史

 従来の集合研修では、招いた講師と多数の受講者が同じ場所に長時間いなければならなかった。また受講者全員のスケジュール管理などにも多くの労力を要した。

 そこでビデオやCD-ROMを教材にした学習が登場したが、知識の提示が一方的であるため受動的な学習に陥りやすく、進捗状況の確認も困難であった。また配布後の内容修正はできないため、作成や情報更新にコストがかかるという課題に直面した。インターネットの普及とともに、その課題はオンラインで全て解決されることになった。それがeラーニングである。

eラーニングのメリット

 集合研修など従来の学習方法は学習の提供者と受講者の両方に大きなデメリットがいくつかあった。時間や場所の制約による不自由さや様々な面でかかる多くのコスト、教育内容の不充実などである。オンラインで行われるeラーニングにはそれら課題を解消するメリットが多数存在する。

時間や場所に縛られない

時間や場所に縛られない

 第一のメリットは集会の必要がないことだ。会場で研修や講義を行うには時間や場所が制約される。仕事など各人の都合で不参加が発生したり、会場によっては移動に時間がかかるなど、多数の不都合がある。

 一方、eラーニングはオンライン上で行うため、ネットワーク環境さえあれば、各人は場所や時間の制約がない自由な受講が可能である。2020年現在は、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末でも受講ができ、その自由度はさらに高くなっている。

教育の均質化

 集合研修では招いた講師ごとに教育内容が違う、偏りが出るというデメリットがある。しかしeラーニングでは同じ教員や教材を共有するため、教育内容の均質化が可能だ。

 また容易にアップデートができるため、常に最新の教材を提供でき、情報更新にかかる時間的コストが少ないというメリットがある。

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学習状況の一括管理

 受講者の進捗状況を一括で管理できることも大きなメリットである。従来の教育では、受講の進捗や出席状況、成績などの管理を、全て人間の手でデータ化する必要があり、多くのコストがかかった。

 しかしeラーニングはシステム上で一括管理することが可能であるため、そのようなコストはかからない。

コスト削減

 eラーニングを利用することによってコストは大きく低下する。オンライン上の教材は一度作成すれば何度も繰り返し使用でき、会場を用意する必要もないため運営費を抑えることができる。

 また会場までの交通費や宿泊費も不要だ。もちろん教材の印刷代もかからない。また情報の更新も容易であるため、教材の修正やリニューアルにかかるコストも少ない。

eラーニングのデメリット

 従来の学習方法が持っていたような制約を持たず、自由度の高いeラーニングであるが、その自由さゆえのデメリットも存在する。またeラーニングはネットワーク環境が前提となっているが、オンラインだからこその難点もある。

 しかし技術の向上と共にeラーニングの内容や形態も進化しており、それらのデメリットも克服されつつある。

モチベーション管理が難しい

 デメリットとしてまず挙げられるのは、受講者のモチベーション維持が難しいという点である。eラーニングは集会の必要がないため、受講者はネットワーク環境下であれば、時間や場所に縛られない自由な受講ができる。それはメリットである一方、決まった時間と場所で仲間と共に受講するのとは違い、自分の意思での受講にはモチベーションが必要である。そのためやる気が起きなかったり、多忙を理由にして受講しない人が出る可能性もある。

 学習への参加を放任した状態では、受講者のモチベーションを管理することは難しい。

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ネットワーク環境が必要

 eラーニングは時間も場所も自由であるが、ネットワーク環境は必須である。受講者によってはその点がデメリットになることもある。ネットワーク環境がない場所ではインターネットに接続できないため、当然受講もできない。スマートフォンやパソコンを個人で保有していない、家にwi-fiがないなどの理由でネットワーク環境に恵まれない受講者は学習機会が制限されてしまう。

実技には向かない

 eラーニングは画面を通したやり取りであるため、医療や工業など技術の伝達には向いていない。この課題を克服するためにVR技術やライブ機能を活用する取り組みが進められており、このデメリットは解消されつつある。3D空間で観察や疑似体験ができるVR技術は、難易度の高い手術の実技演習ができるとして、医療分野で注目されている。

 またWEBカメラやマイクを用いてライブを行えば、実技演習の様子を遠方の受講者に配信でき、それを録画し反復学習に使うことも可能である。

eラーニングのこれから

 その自由度と効率性によって従来の学習方法の課題を克服したeラーニングだか、これからは主体化が進むと思われる。技術の進歩と共に講義の形態が多様化し、主体的な体験としてのeラーニングはすでに始まっている。それは先述したデメリットの解消に寄与するだろう。

 また労働人口が減少し、出生率向上が国レベルで求められている現代。労働の効率化、時間短縮の流れとeラーニングはよくマッチする。内容の進化と時代に合った効率性によってeラーニングが高度な人材育成手法として活用されるケースもあるだろう。

より主体的な学習へ

 これからのeラーニングはより体験型のものになっていく。受講者が受け身の学習にならないように、会話主体のレッスンなどアクティブラーニングに対する意識が高まっている。

 またVR技術やライブ機能の活用、ロールプレイング型のeラーニングも誕生している。ネット上でも「体験」ができるような技術が生まれていることにより、eラーニングの主体性は増していくだろう。学習内容が充実することは受講者のモチベーションを高めることにも繋がる。また体験型によって実技研修の難しさも軽減され、eラーニングはそのデメリットを克服しつつあると言える。

働き方改革への活用

 2019年4月に「働き方改革関連法」が施行された。長時間労働の是正、多様な働き方の実現などを目的としたその法案によって、各企業は生産性向上、効率化への取り組みを求められている。この働き方改革とeラーニングは好相性である。時間や場所の制約が少ないeラーニングは生産性が高く、効率が良いからだ。

 また先述したようにeラーニングの内容も進化しており、従来の学習形態を超える品質になりつつある。そのためより高い質の人材育成を目指す目的でeラーニングが活用されることも十分に考えられる。

上手い活用が大事

 eラーニングのメリットは理解できただろうか。eラーニングは自由度や効率性などメリットが多い。時代の風潮にも合っている。一方でモチベーションの維持や実技への対応などの点でデメリットがあり、教育の内容や受講者のモチベーション対策などには慎重な検討が必要だ。会話中心のアクティブラーニングやVR技術などの活用で学習の質を高めることは有効であろう。eラーニングを上手く活用することが大事だ。

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