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福利厚生の必要性って?福利厚生の具体的な種類や外部のサービスについて

2020.05.15

福利厚生という言葉はよく耳にするが、実際にどのような種類のものがあるのかということを疑問に思っている人はいるだろう。また、そもそも福利厚生とはどのようなものなのか、本当に必要なのかという疑問もあるだろう。そこで、それらの疑問を解決するために、福利厚生の必要性や種類、具体的な内容などについて解説する。

そもそも福利厚生とは

そもそも福利厚生とはどのようなものなのか。福利厚生には、「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」がある。それぞれの内容や特徴などについて解説する。

法定福利厚生

法律によって決められている福利厚生のことを、法定福利厚生という。従業員や社員を雇っている企業は、法定福利厚生を必ず提供しなければならない。そのためこの福利厚生はすでに導入されているだろう。具体的には、健康保険、厚生年金保険、介護保険、労災保険、雇用保険、こども・子育て拠出金の6つである。健康保険とは、病気やけがなどでかかった医療費の自己負担分を減らし国に負担してもらう保険のことである。原則として正社員は加入し、アルバイトやパートであっても労働日数や労働時間によっては加入しなければならない。保険料は企業の所在地や年収などによって異なるが、会社と従業員が半分ずつ納めることが定められている。また、従業員の家族も加入することがある。

厚生年金保険は、国民年金の上乗せ部分となる年金のことである。従業員が5人以上いる企業は、強制的に加入しなければならない。健康保険と同様に、会社と従業員が半分ずつ納める。また、保険料も年収や年齢などによって異なる。介護保険とは、要介護認定を受けた人が介護を受けるための費用の一部を国が支払うというものである。2000年から導入された保険で、比較的新しい。介護保険は従業員全員が加入しなければならないものではなく、40歳以上の従業員が加入しなければならない。この保険も、保険料は会社と従業員が半分ずつ支払う。

労災保険は、仕事中はもちろん通勤中など仕事に関わってけがをしたり病気になったりしたときに給付金を受けることができるものである。また、けがや病気によって死亡したり後遺症が残った場合にも給付が受けられる。健康保険と似ているが、健康保険は業務に関するけがや病気以外の場合に給付を受けることができ、労災保険は業務に関するけがや病気の場合に給付を受けることができるという違いがある。労災保険は、保険料の全額を会社が負担しなければならない。また、従業員が1人でもいる場合は加入義務が発生する。雇用保険は失業したときに給付を受けることができる失業保険などの保険であり、倒産など会社都合の退職だけでなく、自己都合の退職の場合でも給付を受けることができる場合がある。また、育児休暇などに対しても手当がある。雇用保険は会社と従業員で支払うものであるが、負担の割合は会社のほうが大きい。こども・子育て拠出金は、児童がいる家と子育て支援サービスのために給付されるものである。従業員は支払う必要がなく、会社が支払う。

法定外福利厚生

法定外福利厚生とは、会社が自由に決める福利厚生のことである。職場を働きやすくして、従業員のケアをする目的がある。例えば電車代や駐車代などが支給される通勤手当や、家賃補助などの住宅手当などが挙げられる。また、現金の給付だけでなくクラブ活動の援助や資格取得の援助などもある。どのような福利厚生をもうけるのか、どの程度支給し援助するのかは会社が自由に決める。

福利厚生を充実させる必要性

福利厚生は、なぜ必要なのか。すべて給料などに含めたほうがいいと考える人もいるだろう。しかし、福利厚生は雇用の安定性や従業員の精神的安定につながるのだ。福利厚生を充実させると、働きやすい環境ができる。
その結果従業員の離職率が下がり雇用を安定させることができる。従業員がいなければ会社は成り立たないため、福利厚生は企業側にとっても非常に重要なのである。ワークライフバランスへの注目度が上がっているため、今後もより重要になっていくだろう。また、給与や福利厚生の内容は仕事を選ぶ際の重要な基準である。特に、法定外福利厚生は会社独自で定めることができるため工夫する必要がある。

代表的な法定外福利厚生

法定外福利厚生は多種多様だが、どのようなものがあるのか。

住宅

住宅に関する法定外福利厚生としては、社宅や寮の提供や家賃手当の支給、住宅ローンの補助などが挙げられる。家賃などは生活する上で絶対に必要な費用である上に負担が大きいため、住宅に関する法定外福利厚生は従業員からの人気が高い。ただし、月額にして1人あたり数万円の支給であるため、企業側の負担も大きい。

健康・医療

健康や医療に関する法定外福利厚生としては、健康診断の費用負担、相談窓口やカウンセラーの設置などが挙げられる。心身共に健康であることは仕事をする上でもっとも大切なことであるといえる。また、50人以上の従業員がいる会社では2015年からストレスチェックが義務化されており、特に心の健康の重要性が認識されている。なお、定期的な健康診断の費用を負担する場合、1人あたり10000円ほどの費用がかかると考えられる。

育児や介護

育児に関する法定外福利厚生としては、法定福利厚生の範囲を超えた育児休業や男性の育児休業促進、ベビーシッターの料金補助などが挙げられる。介護に関するものとしては、介護休暇が取れる日数を増やすことなどが挙げられる。出産や育児、介護によってやむを得ず離職する従業員は多い。離職率を下げるためにも育児や介護に関する福利厚生を充実させる必要があるだろう。

慶弔・災害

慶弔や災害に関する法定外福利厚生としては結婚祝い金や出産祝い金、傷病見舞金などが挙げられる。また、従業員の家族などが死亡した際の弔慰金や災害時の見舞金なども含まれる。これらの福利厚生は会社からのお祝いや助けという面が強いため、従業員と会社の結びつきを強める効果があるだろう。

文化・体育・レクリエーション

文化や体育、レクリエーションに関する法定外福利厚生としては、社内の部活やサークル活動の補助金、運動設備を利用する際の割引、運動会などのイベント開催費の補助などが挙げられる。また、社員旅行も法定外福利厚生の一環である。これらの活動は仕事と直接関係はないが、従業員同士の親睦を深めたりチームワークをよくしたりするために重要なものだといえる。ただし、従業員全員が参加するとは限らないため、人によっては利益を受けることがない福利厚生であるともいえる。

財産形成

財産形成に関する法定外福利厚生としては、確定拠出年金制度や社内預金、持株会などが挙げられる。これらは、従業員の資産形成を援助するために給与から天引きされる。自動的にお金が貯まっていくため、自分で資産形成をすることや貯金をすることが苦手な従業員にとってはメリットがある。

福利厚生サービスとは?

福利厚生を導入するのは簡単ではない。そこで、「福利厚生サービス」や「福利厚生代行サービス」などのサービスを利用して外部に委託することができる。福利厚生サービスには「カフェテリアプラン」と「パッケージプラン」の2種類がある。カフェテリアプランというのは、従業員がポイントを与えられポイントの範囲内で各自が希望するメニューを選択し利用するもので、パッケージプランというのは、福利厚生サービスを行う企業が提示したパッケージの中から選択して利用するものである。

福利厚生サービス導入のメリット

福利厚生を外部に委託するメリットとしては、手間やコストの削減が挙げられる。自社で全ての福利厚生を実施しようとすると手間やコストがかかり通常の業務に支障が出ることもある。しかし、サービスを利用することで通常の業務に集中することができる。また、カフェテリアプランには従業員が自らメニューを選択できるため無駄がないというメリットがあり、パッケージプランには、団体で利用するため割安でサービスを受けられるというメリットがある。低価格で充実のサービスを受けられることも、福利厚生サービスを導入するメリットである。

福利厚生は優秀な人材の確保と離職抑止に効果的

福利厚生は、従業員の心身の健康や働きやすさを改善させるためになくてはならないものである。費用がかかるからといってないがしろにしていると、従業員たちは離れていってしまう。従業員が離れていくと会社を存続させることができなくなってしまう。離職を防いで優秀な人材を確保するために、福利厚生は充実させる必要がある。

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