【2025年版】10月のビジネスメール・手紙の挨拶文例~お役立ちコンテンツ~
10月は秋の深まりとともに、人との交流やさまざまな催しが一層盛んになる季節です。ビジネスの場においても、セミナーやイベントのご案内などで、手紙やメールをお送りする機会が増える時期といえるでしょう。ただし、地域によって季節の感じ方や気温には差があるため、時候の挨拶をどのように表現すべきか迷われる方も少なくありません。
そこで今回は、10月にクライアントやご担当者へお送りするメールや手紙に添える時候の挨拶文を、フォーマルな場面とカジュアルな場面に分けてご紹介いたします。相手との関係性やシーン、使用するツールに応じて使い分けていただき、心地よいコミュニケーションにお役立てください。
目次
●【メール】フォーマルな時候の挨拶と結びの言葉
●【メール】カジュアルな時候の挨拶と結びの言葉
●【手紙】フォーマルな時候の挨拶と結びの言葉
●【手紙】カジュアルな時候の挨拶と結びの言葉
●まとめ
【メール】フォーマルな時候の挨拶と結びの言葉
10月は暦の上では秋本番を迎えるものの、今年は例年に比べ気温が高く、紅葉の便りはもう少し先になりそうです。それでも、日差しや風の中に少しずつ秋の気配を感じられる時期ですので、季節感を伝える言葉を添えると温かみのある表現になります。まずは、フォーマルなビジネスメールに適した文頭や文末の挨拶表現を紹介します。
時候の挨拶
フォーマルなメールで格調高い印象を伝えたい場合には、「〇〇の候」「〇〇のみぎり」といった漢語調の表現を用いると効果的です。ここでの「〇〇」には、送信する時期や相手先の地域の気候にふさわしい言葉を選ぶことが大切です。以下に、10月に用いる代表的な挨拶例を紹介します。
・仲秋/秋冷の候、貴社におかれましては益々ご健勝のことと、お慶び申し上げます。(10月上旬~中旬)
・爽秋のみぎり、貴社におかれましては一段とご隆盛の由、大慶の至りと存じます。(10月上旬~11月上旬)
・錦秋の候、貴社いよいよご盛栄のこととお喜び申し上げます。(10月下旬)
・清秋の折、〇〇様におかれましては一層ご清祥のこととお喜び申し上げます。(10月全般)
結びの言葉
文末の挨拶を記す際には、文頭で用いた表現と重複しないようご留意ください。加えて、お相手のさらなるご発展やご健勝をお祈りする言葉を添えると、文章全体がより温かみのある印象となります。丁寧に結びの言葉を添えることで、礼儀正しく、心のこもった文章に仕上がるでしょう。
・朝寒のみぎり、ご自愛専一に精励ください。
・秋涼爽快の候、貴社の更なるご発展を心よりお祈り申し上げます。
・秋月の折、皆様のご無事息災をお祈り申し上げます。
・燈火親しむの候、今後ともお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。
【メール】カジュアルな時候の挨拶と結びの言葉
日頃からやり取りの多いクライアントや親しい関係の方には、ややくだけた口語調の時候の挨拶を用いることで、より親しみや温かさを伝えることができます。ここでは、日常的なビジネスメールにも取り入れやすい、カジュアルな時候の挨拶と文末表現の例を紹介します。
時候の挨拶
口語調の時候の挨拶の後には、相手企業やご担当者様のご活躍を喜ぶ言葉や、相手の近況を気遣う一言を添えるのが一般的です。
・さわやかな秋晴れの続く今日この頃、貴社におかれましては一段とご隆盛のこととお喜び申し上げます。
・日毎に秋も深まって参りました。〇〇様のご活躍を拝聞しております。
・空が深く澄み渡る季節となりました。平素は大変お世話になっております。
・心も静まる好季節、日毎に寒くなりますが、お変わりありませんか。
結びの言葉
カジュアルなメールでは、「味覚の秋」「スポーツの秋」など、秋を象徴する言葉を取り入れるのもよいでしょう。文末では相手を労わる言葉や健康を願う言葉で結ぶのが一般的です。
・日中はまだ暑さの残る頃ですが、どうぞ健康にご留意のうえ、実りの秋・味覚の秋を存分にお楽しみください。
・朝晩は少しずつ涼しさが増してまいりました。体調を崩されませんよう、心地よい眠りでお過ごしください。
・澄みわたる秋空と残暑の名残が入り混じるこの頃、皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
・行楽・スポーツに最適な季節となりました。お近くにお越しの際は、ぜひこちらへもお立ち寄りください。
【手紙】フォーマルな時候の挨拶と結びの言葉
公的な文書やフォーマルなビジネスレターにおいては、従来の形式に則り、改まった表現を用いることが一般的です。ここでは、そのような場面で使用される文頭および文末の表現について紹介します。
時候の挨拶
フォーマルな手紙においては、文頭に頭語を置き、その後に漢語調の時候の挨拶を続けるのが一般的です。頭語としては「拝啓」が最も多く用いられますが、より改まった場面で使用される表現について、以下に紹介します。
・謹啓 秋冷の候(みぎり)、貴社におかれましては一段とご隆盛のことと、お喜び申し上げます。(敬具)
・恭啓 秋麗の候(みぎり)、○○様におかれましては、なお一層ご健勝のことと拝察いたします。(謹言)
・粛啓 爽秋の候(みぎり)、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。(謹白)
・謹白 秋雨の候(みぎり)、貴社ますますご繁盛の段、大慶至極に存じます。(頓首)
・謹呈 錦秋の候(みぎり)、いよいよご清祥のこととお喜び申し上げます。(敬白)
結びの言葉
フォーマルなビジネスレターの文末では、お相手のご発展やご健康を気遣う言葉に加え、今後のご厚誼やご指導をお願いする言葉で結ぶと良いでしょう。その際、文頭に頭語を用いた場合には、必ずそれに対応する結語で締めくくるようご留意ください。
・(拝啓)菊花のみぎり、貴社ますますのご繁盛を心よりお祈り申し上げます。 敬具
・(拝呈)涼寒の候、〇〇様のより一層のご活躍を祈念いたします。 敬白
・(啓上)秋晴の折、末筆ながら皆様の益々のご健康とご多幸を、心よりお祈り申し上げます。 拝具
・(謹啓)秋涼の候、今後とも倍旧のご高庇ご指導を賜りますよう、お願い申し上げます。 敬具
【手紙】カジュアルな時候の挨拶と結びの言葉
親密性を感じ取れる雰囲気の手紙にしたい場合は、メールと同様に口語調の時候の挨拶や文末表現を使うとと良いでしょう。ここでは、手紙に添えるカジュアルな文頭・文末表現を紹介します。
時候の挨拶
カジュアルな場面での手紙では、頭語や結語を省き、まず季節を感じさせる言葉から書き始めるのが一般的です。そのうえで、相手のお住まいの地域に合わせた時候の挨拶を述べ、さらに相手のご安否を気遣う一言を添えると良いでしょう。
・金木犀の芳香が漂う頃となりました。貴社いよいよご壮健のことと存じます。
・木々の梢も色づいて参りました。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
・紅葉の美しい季節となりました。○○様もお元気でお過ごしのことと拝察いたします。
・清涼の秋気身にしみる季節となりましたが、風邪など召されていませんか。
結びの言葉
カジュアルなビジネスレターにおいては、文章全体の雰囲気に調和する丁寧な言葉遣いを心がけることで、相手に温かみのある印象を与えることができます。
・秋の長雨が続いております。どうぞお風邪など召されませぬよう、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
・秋たけなわの好季節、どうかご自愛のうえ、ますますご活躍されますことをお祈り申し上げます。
・秋もいよいよ深まってまいりました。お体にお気をつけて、健やかにお過ごしください。
・菊花の香り漂う好季節となりました。どうぞ健康にご留意のうえ、秋の夜長をお楽しみください。
まとめ
改まったお手紙から日常的なメールまで、10月に用いることのできる時候の挨拶を紹介しました。文頭や文末では、その年ごとの気候やお相手が感じている季節感にふさわしい表現を取り入れつつ、簡潔にまとめることが大切です。場面や使用するツールに応じて表現を使い分けることで、文章全体に一体感が生まれ、相手にも細やかな心配りが伝わります。季節の移ろいを共に感じられる挨拶文作りを、常に心がけてまいりたいものです。










