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経費精算とは?経費と費用の違い・経費精算業務フローを解説

2021.12.21
オフィスのミカタ編集部

経費精算とは、業務上必要な支出が生じた場合に、その費用の精算を行うことを言う。経費精算業務の担当者は、経費に関する適切な判断基準を持って業務を行う必要がある。従業員とのやりとりを円滑に行うためにも、正確な知識を持って望みたい業務だろう。本記事では、適切な経費精算方法や経費と費用の違い、業務フローや経費精算業務の効率化を図る方法などを解説していく。

目次

●経費精算とは?
●経費になるもの・ならないもの
●経費精算の業務フロー
●経費精算のルールとリスク
●経費の範囲を超えた場合のペナルティ
●経費精算業務の効率化を図る方法
●まとめ

経費精算とは?

経費精算とは事業活動に必要な費用の立替えを行った従業員に対し、金銭の払い戻しを行うこと。まずは経費とは何を指すのかなどの基本をおさえておこう。

そもそも「経費」とは何か
「経費」とは事業で使用したお金のうち収益を得る目的で支出した費用を指す。ただし、支出した費用全てが経費に該当するわけではない。判断基準となるポイントは、「その費用をかけることが、売上につながるかどうか」という点だ。判断基準は具体的に定められておらず、企業により判断基準が異なるめ、経理担当者は、自社の判断基準を明確に理解し精算業務に取り組む必要がある。

経費精算とは、事業活動に伴い立て替えた費用を払い戻すこと
経費精算とは事業活動に伴い立て替えた費用を払い戻すことだ。経費精算が必要になるのは、従業員が得意先訪問時に支払った交通費や、業務上必要な研修・会議の参加費などを現金で立て替えている場合や、カードで支払った費用を会社に申請し、払い戻しを受ける場合などだ。従業員は立て替えた金銭が事業活動に伴う支出であることを証明するため、領収書をはじめとする証憑を提出しなければならない。精算業務を行う経理担当者は、受け付けた証憑が業務上必要なものかや、計上する勘定科目が正しいかなどを精査し、経費精算を行う。

経費になるもの・ならないもの

実際に経理業務を行う上では、従業員から精算の依頼を受けた費用を経費に計上するかどうか迷うこともあるだろう。実際にどのような費用が経費に該当するのか、経費になるものとならないものの例を見ていこう。

経費になるもの
一般的に、経費になるのは以下のような費用だ。

●旅費・交通費
旅費交通費には、営業活動等で使った交通費や出張時の宿泊費などが含まれる。

●消耗品費
文具やプリンターのインクカートリッジなど、取得価額が10万円未満、または使用可能な期間(法定耐用年数)が1年未満の消耗品を購入した際の費用を指す。

●交際費
社外の会議やミーティングで使用した会議室代および顧客への手土産代などは、交際費として経費に計上できる。取引先企業の新規店や事務所のオープン祝いや、移転のお祝いなどで贈る祝花代なども交際費に含められる。取引先の冠婚葬祭にかかる祝儀や香典などの費用も交際費に該当する。

●接待飲食費
交際費等のうち、「飲食その他これに類する行為のために要する費用(社内飲食費を除く。)」ものが接待飲食費と呼ばれる。社内飲食費(社内での食事や打ち上げ、飲み会など)を除いて、証憑として領収書、飲食の内容(参加した人、飲食の年月日等)を添付しなければらない。

●通信費
通信費に該当するのは、電話やインターネットなどにかかる通信費用のほか、切手代・送料などの郵便料金だ。ただし、はがきや便せん代を支払った場合は「消耗品費」に、祝電やお悔やみの電報も通信費ではなく「交際費」に分類される。

●人件費
従業員を雇い入れるために必要な費用が人件費だ。一般的には、「給与・賞与」「法定福利費」などが含まれる。

●福利厚生費
福利厚生費は人件費の一部に該当する経費で、「健康診断費用」や「慰安旅行」のほか、従業員同士のコミュニケーションの円滑化などを目的としたイベントの開催費などもその対象だ。高額すぎる場合や、目的が曖昧な場合には福利厚生費とは認められないこともあるため注意が必要となる。

以上、これらの経費は、売上に紐付いていることが前提で、損金として算入することができるが、交際費等(接待飲食費)などは売上に紐づく費用であっても、損金に算入されないことがあることを覚えておこう。

経費にならないもの
事業と関わりなく発生する費用や売上との関連が薄い費用は、基本的に経費として計上できない。また、業務との関連が薄く、個人的な場面で発生する費用も、経費として認められない。一例を見ていこう。

●所得税・住民税
所得税や住民税など、個人にかかる税金は経費として認められない。これらの税金は個人が納めるものであって、事業とは関わりがないためだ。

●社会保険料
税金と同様の理由から、個人に対する社会保険料(健康保険、厚生年金)は、経費として計上できない。

●個人事業主の家族に対する給与
生計を一にする家族に対する給与は、経費の対象外となる。ただし、青色申告の専従者給与扱いであれば、経費として計上することができる。

●私的に使用した費用
企業の従業員でも、事業主であっても、私的な買物は経費計上できない。仕事で着ているスーツやネクタイは、業務で使用してるが、私的な流用も可能なことから経費としては認められていない。

以上、経費になるもの・ならないものは、会社の売上につながるかどうかが判断基準となる。経費かどうかに迷う場合は、その費用が業務上で発生しているのか、個人的な都合で発生しているのかを確認してみるとよいだろう。

経費精算の業務フロー

実際に従業員が経費を建て替えた場合、精算業務はどのように行うとよいのだろうか。ここでは立替金の場合のフローを確認していこう。

1.立替払いを行う(従業員)
(交通費や接待飲食代、あるいは備品の購入など、従業員が会社の費用を代わりに現金等で立替払いを行う。)

2.領収書をもらう(従業員)
(立替払いを行った証明として領収書などの証憑を受け取る。)

3.証憑を添付した経費精算書を作成する(従業員)

4.経費精算書を確認し、承認する(上長)

5.経費精算書を確認し、承認する(経理)

6.規定の日に従業員への払い戻しを行う(経理)

以上が経費精算業務のフローの一例だ。払い戻しの方法には、他にも申請を受けたらその場で費用を支払う「小口現金処理」もある。また、旅費など予め費用が発生するとわかっている場合や建て替え費用が高額になる場合には、「仮払金」を渡しておき、後で差額を精算する方法もある。経費精算を巡って社員とトラブルにならないよう、精算のルールや経費に計上できる費用の周知はしっかり行おう。

経費精算のルールとリスク

経費精算は、企業にとって節税などの効果があることも事実だが、正しく精算処理を行わないと、税務調査などで大きなダメージを背負うリスクもある。経費精算のルールを正確に理解し、適切な処理を心掛けよう。

経費精算のルールを把握
費用を経費として処理するには、「領収書」「レシート」「振込み証明」などの証憑書類を整理し、最低7年間保管しなければならないというルールがある。紙の帳票や証憑書類を管理すると膨大な量になり、保管場所を作るためのスペースと費用もかさみがちだ。経費は所得を減らすことで節税効果を生み出す一面があると同時に、会計上の利益が少なくなり赤字になるリスクもある。そのため、経理担当者は経費の使い方が適切かどうかの判断を行い、利益の減少を抑える努力が必要だ。

経費の範囲を超えた場合のペナルティ

経費にならないものを経費として計上したり、プライベートな会食などにかかった費用を不正に経費に含めたりすると、税務調査が入る可能性がある。税務調査で「本来納めるべき税額を納めていない」と判断されると、「過少申告加算税」「申告加算税」「重加算税」などのペナルティを課されてしまう。節税に取り組むうえでは、必要経費を事実に沿って適切に計上し、申告することが重要だ。

経費精算業務の効率化を図る方法

経費精算は社内全ての部署で発生する可能性のある業務であるため、経理担当者の負担が大きい。また、特に書類を紙で処理している場合、必要事項の記入漏れや誤記入などの人的ミスが起こりがちで、修正や訂正が頻回に発生するという課題もある。担当者の負担を減らし、業務を効率化する方法を見ていこう。

経費精算業務のペーパーレス化を図る
次のような方法で経費精算業務をペーパーレス化することで、業務効率化を図る方法がある。

●利用明細の電子化
キャッシュレス決済に関する電子データ保存の規制が2020年に緩和されたことで、「クレジットカード」「交通系ICカード」「QRコード」決済での利用明細データが、領収書の代わりに使えるようになった。データを経費精算に直接利用することで、入力の手間やミスを減らせる。さらに、紙書類の紛失といったリスクも低減できる。

●法人カードの利用
電子書類の保存が可能になったことにより、経費精算に「法人カード」を利用する方法も業務効率化に効果的だ。従業員自身が法人カードを利用して支払いを行うことで、立替え処理をする必要がなくなるため、手続きを省略できる。また、不正な経費精算の防止にもつながる。

●経費精算システムの導入
2022年の改正電子帳簿保存法施行により、書類の電子保存に必要であった「事前承認制度」が廃止され、より簡単に電子化を進められるようになる見通しだ。経費精算システムを利用すれば、経費精算やチェック、承認をまとめて行うことができるため、効率化や、ミス・不正の防止にもつながるだろう。クラウド型のシステムはインターネット環境があれば利用できるため、外出先でも経費精算の処理が可能だ。経理担当者だけでなく、申請者にとっても利便性が高まり、本来の仕事に集中することにつながるだろう。

経理業務をアウトソーシングする
社内で経理部門を運用するには、人員の確保と育成が必要となり、その体制を維持するためには時間もコストもかかるだろう。社員数が多く、経費精算が多く発生する会社では、経理業務を社外に委託することも、効率化のための方法の1つだ。アウトソーシング費用と社内運用の費用などを比較し、アウトソーシングのメリットが大きい場合は、外部委託も検討してみるとよいだろう。

参考/関連記事:『社内の経費精算の手間を省く経費精算ツールの紹介と経費の定義と処理の注意点を解説 - オフィスのミカタ』

まとめ

経費精算とは、会社の売上向上のため、欠かすことのできない業務の1つだ。適切な知識を持ち業務にあたっていれば、ペナルティを受けることはない。経費精算システムを利用するなどで、業務を効率化する手段もある。自社にあったスタイルを選び、経費精算業務を行おう。

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