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販売管理とは?目的やプロセス、販売管理システムの選び方を解説

2022.03.17
オフィスのミカタ編集部

販売管理とは会社の営業活動における「モノ・カネの流れ」の情報管理業務のことを指す。販売管理の流れは契約・受注から、商品・サービスの販売、納品、請求など多岐に渡る。販売管理は会社にとって売上と直結する重要な業務であり、販売管理の基礎や業務プロセスを明確に把握しておくことが望ましい。本記事では販売管理の担当者に向け、販売管理の基礎、代表的な業務プロセス、メリットなどを解説するので、参考にしてほしい。

目次

●販売管理とは
●販売管理で管理する「モノ」と「カネ」
●販売管理を行う目的
●販売管理の業務プロセス
●販売管理システム導入で得られるメリット
●販売管理システムの選び方
●まとめ

販売管理とは

販売管理とは、商品やサービスの販売に関する情報管理業務のこと。販売管理の基本は「誰に・いつ・どこで・何を・いくら」で販売したのか、営業活動に関わる「モノ」と「カネ」の流れの情報を管理することにある。具体的には、商品やサービスの販売に加え、仕入れや在庫、顧客データの管理もその対象となるほか、売上代金の請求や回収も、販売管理に含まれることを知っておきたい。

販売管理で管理する「モノ」と「カネ」

販売管理では「モノ」と「カネ」の流れを管理すると述べたが、具体的にどのような業務が生じるのか見ておこう。

モノの流れ
モノの流れとは、顧客に提供する商品やサービスの動きのことを指す。モノの流れの管理として、主に受注・出荷・納品・在庫確保・管理業務が挙げられる。

カネの流れ
カネの流れとは、顧客に対して商品やサービスを提供することで生じる「代金」や「売上」に関する流れのことを指す。さらに細かくみると、カネの流れは「お金を受け取る業務」と「お金を支払う業務」の2つに大別される。

「お金を受け取る業務」に付随する業務は請求・回収業務、「お金を支払う業務」に付随する業務は、仕入れ品に対する支払い業務などである。

販売管理を行う目的

販売管理を行う目的として「利益向上」、「適切な業務管理」、「顧客満足度の向上」の3つが挙げられる。ここでは販売管理の3つの目的について詳しくみていこう。

1.利益向上
販売活動に伴うモノとカネの流れを適切に管理することは、企業にとって重要な業務だ。販売管理を行うことで、損益状況や商品の仕入れ・売上状況などの業務プロセスを把握し、状況に合わせた適切な施策を打ち出すことが可能となり、利益向上にもつなげられるだろう。

2.業務の効率化やミス防止
販売管理をフロー化し適切に管理を行うことで、業務の効率化やミスの防止を図ることもできる。業務効率化により、無駄な作業や内部統制の強化が可能となり、生産性の向上も期待できるはずだ。

3.顧客満足度の向上
販売管理を行う3つ目の目的は、顧客満足度の向上だ。適切な販売管理を行い、顧客とのやりとりをスムーズに進めることができれば、顧客との信頼関係も向上も期待できるだろう。

販売管理の業務プロセス

販売管理にはどのような業務プロセスがあるのだろうか。ここでは、一般的な販売管理業務の流れを紹介する。

<プロセス1>受注管理
まずは、顧客から注文を受けるプロセスだ。一連の流れをみていこう。

・見積もり
顧客からの受注依頼を受けたら、まず見積書を作成し提出する。見積書は一回の提出で終了することもあれば、顧客との交渉や他社との競合状況によっては複数回提出が必要となる場合もある。

・契約
見積書の内容について、顧客からの承諾が得られたら、取引開始に伴う契約書を作成し、正式に契約を締結する。契約書には、商品の保証・免責事項・納期・支払などの取引条件を明記する必要がある。初めての取引先の場合は、顧客情報の登録・管理も必要となるだろう。

・受注業務
注文書の確認・受付を行い、社内への受注伝票の発行を行う。、仕入れを外部に依頼する必要がある時は発注を行おう。契約書の条件と相違のないよう、納期や数量などを確認した後、正式な注文を受け付けるのが良いだろう。

<プロセス2>出荷管理
受注管理のプロセスが終了したら、商品を顧客に受け渡す出荷のプロセスに移る。

・出荷業務
商品発送の手配、出荷時に必要な書類の作成を行う。出荷担当者に指示書を出し、納期に合わせた作業を行ってもらえるよう手配しよう。また出荷業務と平行して、納品時の書類などの手配を進めておくと安心だ。

・納品業務
出荷の手配が済み、顧客の元へ商品が納品されたら、受領書をもらい納品が完了となる。

<プロセス3>請求管理
顧客への納品が完了したら、請求のプロセスに移行する。

・請求業務
契約書の取引条件に合わせ、一連の取引における請求書を発行するプロセスだ。頻繁に販売を行う取引先は、請求の締日を設定し、締日までの請求書を発行するのが良いだろう。納品のたびに代金の支払いをする取引先については、締日にかかわらず都度請求書の発行が必要になる。

・回収業務
顧客から支払われた金額と、請求額が一致しているか確認を行う。入金の確認が取れない場合や、請求額との相違がある場合は顧客への確認の連絡が必要だ。正しく入金が行われていれば入金確認後に、入金伝票を作成し、売上を計上する。

<プロセス4>仕入管理
顧客に対し商品やサービスを販売する際に、外部から材料や部品などの仕入れが必要になる場合についてみていこう。

・見積もり
自社が提供する商品やサービスに必要な商品を外部から購入する場合、その外部業者に対して見積書の作成を依頼する。複数の業者が候補に挙がっている場合は、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」で条件に合う業者を選定する。

・契約
自社が求める商品・金額などの条件に合致した業者が決定したら、契約を結ぶ。納期や支払い方法などを明記しておき、相互に認識のズレが生じないようにすることが大切だ。

・発注
契約書を結んだら、発注を行う。注文書を作成し、仕入れ先の業者に提出をする。

・入荷検品
注文書に基づき、商品が入荷されたら、数量が間違っていないか、汚れや傷の状態など確認する検品作業を行う。問題がなければ、仕入伝票を作成して支払い業務へ移行する。

・支払い
仕入先業者から発行された請求書を基に、記載されている期日までに支払いを行う。支払いを済ませたら出金伝票を起票し、費用を計上する。

<プロセス5>在庫管理
自社の財産である商品について、在庫の管理を行うことも重要なプロセスだ。

・受払業務
数量・単価・金額などの情報をまとめ、在庫の受入・出庫を記録する。

・棚卸業務
在庫の記録ミスや紛失などのリスクを避けるため、定期的に在庫の棚卸を行う必要がある。記録と実数を確認し、ズレがあった場合には、在庫データの修正を行い、原因の調査や今後の対策を検討しよう。

販売管理システム導入で得られるメリット

ここまで販売管理の目的や流れについて紹介したが、販売管理システムやツールを使用することで、業務をより効率的に行うことが可能となる。適切な販売管理体制の構築にもつながるため、そのメリットは大きいと言えるだろう。ここでは、システムなどを使い効率的な販売管理を行うことで得られるメリットを解説する。

スピーディに収支を可視化することができる
先述の販売管理の業務プロセスをシステム等を使い一元管理することで、部署をまたぎスピーディに収支を可視化することが可能だ。現時点での損益などをタイムリーに把握することができるため、経営戦略や営業計画が立てやすいほか、期中の見直しも容易になるだろう。さらに、商品の売れ行きなども即時把握が可能なため、スピーディーな商品の提案や、改善などに役立つだろう。

業務の質の向上を図ることができる
営業・販売などといった各工程の情報をシステムで管理することで、重複発注などのヒューマンエラーを防ぐこともできるだろう。システムによっては、受注状況に合わせて仕入数を調整することも可能だ。これにより、在庫の保管にかかるコストの抑制など、業務の質の向上が期待できるだろう。

販売管理システムの選び方

販売管理システムと一口に言ってもさまざまなタイプがある。販売管理システムの選び方のポイントを紹介するので、自社で採用するシステムを選ぶ際の参考としてほしい。

<ポイント1>業務に必要な機能が搭載されているか
販売管理システムを選ぶ上で最も重要なポイントは、自社の業務に必要な機能が搭載されているかどうかだ。そのため、選定する際には、事前に自社で求める機能をリストアップし、優先度を明確にしておきたい。リストアップした必要な機能が、「標準機能」として搭載されているかも選定のポイントとなるだろう。

<ポイント2>コストは適切か
2つ目のポイントは、システム契約にかかる費用も確認しておくことだ。月々に発生するランニングコストなどの費用は、クラウド型かパッケージ/オンプレミス型で異なる。クラウド型は、利用期間に応じて課金されるものが多い。一方で、パッケージ/オンプレミス型の方は、保守料金やサポート料金がかかるものが多い。ぞれぞれの費用対効果を検証して、自社に適したシステムを選ぶのがよいだろう。

<ポイント3>使いやすいか
3つ目に、「使いやすさ」も重視したいポイントと言える。販売管理システムを利用するのは現場の従業員である。現場従業員がスムーズに作業を行えるよう、「どのような機能があるのか」や「使いやすさはどうか」など、事前にチェックをしておくことをオススメする。

まとめ

企業の営業活動におけるモノの流れ・カネの流れを把握する販売管理。業務プロセスは受注から支払いまで多岐に渡るため基礎的な知識を備えておくことが望ましい。販売管理システムなどを使用すると、販売管理プロセスの効率化や業務の質の向上も期待できるだろう。自社にあった販売管理の方法を検討してみてはいかがだろうか。