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BYODとは?メリット・デメリット、導入時に知っておきたいポイント

2022.06.24
オフィスのミカタ編集部

社員が所有するパソコン・タブレット・スマ―トフォンなどの私物端末を業務に使用することを指す「BYOD」。BYODを導入するにあたり、企業が考慮すべきポイントについて知りたい担当者もいるのではないだろうか。そこで本記事では、BYODの概要やメリット・デメリット、導入時に知っておきたいポイントを紹介する。BYODの導入を検討する際の参考にして欲しい。

目次

● BYODとは?
●「BYOD」を導入するメリット
●「BYOD」を導入するデメリット
●「BYOD」の導入時に知っておきたいポイントとは
●まとめ

BYODとは?

BYOD(Bring Your Own Device)とは、社員が個人で保有するパソコン・タブレット・スマートフォンなどの端末を、業務において使用することを指す

日本のBYOD普及率は、諸外国に比べると決して高くはない。しかし近年は、「モバイル端末のスペック向上」「マルチデバイス対応のクラウドサービスの普及」「在宅ワークの推進」などを背景に、オフィスに居なくても業務を行うための方法として、BYODが注目されている。

「BYOD」を導入するメリット

ここからは、BYODを企業で導入すると、どのようなメリットが得られるのかを見ていきたい。

コストが削減する
BYODの導入によって、初期コストや運用コストの削減が実現できる。社員の私物端末を使用するため端末の購入費用がかからず、その分の初期投資を抑えることが可能だ。また、普段から使い慣れた端末を使うことで、端末の操作方法を教えるなどといった教育コストも削減できる。

さらに、災害や感染症流行などの非常時にも迅速に対応できる点も、BYODを採用する大きなメリットと言えるだろう。

「シャドーIT」を防止できる
シャドーITを防止できることも、BYODを導入するメリットだ。シャドーITとは、社員が会社の許可を得ることなく、勝手に私物端末を使って業務を行うこと。このようなシャドーITは、私物端末が会社の管理下にないため、セキュリティや情報漏洩のリスクがある。

しかし、あらかじめ運用ルールをしっかり定めてBYODを導入すれば、シャドーITを防止することが可能となるだろう。

「BYOD」を導入するデメリット

BYODの導入には、メリットだけでなくデメリットもある。ここからは、BYODを導入するデメリットを紹介しよう。

セキュリティリスクが高くなる
私物端末を利用するため、プライベートで外出した際に端末を紛失する恐れがある。紛失時に情報が漏洩するなど、セキュリティリスクが高くなることがBYODのデメリットだ。

ネットワーク環境さえあればどこでも端末を使うことができるため、セキュリティの心配なネットワーク環境下で利用した場合、端末が不正アクセスの被害に遭うケースも想定される。また、私的利用時にインストールしたアプリや閲覧したサイトにおいて、ウイルスに感染するリスクがあることも知っておきたい。

労務管理が複雑化する
政府が主導する「働き方改革」を進めるためにも、労務管理は企業にとって重要な課題だ。しかし、私物端末を利用するBYODを導入した場合、公私の切り替えが難しく、労務管理が複雑化する可能性がある。

時間や場所を問わずに業務を行えることで、「残業時間が増える」「業務時間外に労働する」といった問題が、起こりやすくなるだろう。

「BYOD」の導入時に知っておきたいポイントとは

BYOD導入時のデメリットを解決するために、どんなことができるのだろうか。ここからは、後悔しないために知っておきたい導入時のポイントを紹介する。

運用ルールを明確にする
先述した通り、私物端末を使って業務を行うことは、セキュリティのリスクがある。こうしたリスクを防ぐためにも、BYODを導入する際は、企業側でしっかりと運用ルールを策定することが大切だ。例えば、「稼働して良い時間帯」「情報の保管方法」「フリーWi-Fiiの使用可否」といったルールを定めるとよいだろう。

また、運用ルールを定めたら、その運用ルールを社内全体に認知させることも大切だ。

「MDM」や「VDI」システムを導入する
BYODのデメリットであるセキュリティリスクを回避するために、「MDM」や「VDI」システムの導入も検討しよう。

「MDM」とは、企業などで利用するモバイル端末を一元的に監視・管理できるサービスで、BYODを導入する多くの企業で活用されている。MDMは、以下のような機能を備えている。

【主な機能】
・デバイス設定の一元管理
・各デバイスの利用状況の把握
・端末紛失時のリモートロックやデータ削除
・アプリケーションの利用制限

MDMを導入すると、企業のシステム上から各個人端末をリモートで一元管理することができる。端末を紛失した場合は端末をロックしたりデータを削除したりすることも可能だ。また、端末のセキュリティポリシーや使用するアプリケーションの利用を設定・管理することも可能で、情報漏えいのリスクを低減できる。

また、OSやアプリケーション、データなどをサーバー上の仮想化に統合して集中管理を行う「VDI(デスクトップ仮想化)」を活用することも有効だ。作業は個人端末ではなくサーバー上で実行され、データもサーバーに保存される。端末を紛失した場合でもクラウドサーバーへのログインパスワードが漏れなければ、情報が漏れる心配がない。

BYODを導入する際は、双方のサービス特徴を比較し、最適なシステムを導入するとよいだろう。

まとめ

近年、BYODの導入を検討する企業は増えているが、諸外国と比較すると普及が進んでいるとは言えない状況だ。BYODの導入には「コスト削減」や「シャドーITの防止」といったメリットがある一方、「セキュリティリスク」「労務管理の複雑化」などのデメリットもある。このようなデメリットを解決するためには、運用ルールを明確にしたり、MDMやVDIといったシステムを利用したりするのがおすすめだ。

今回紹介した内容を参考にしていただき、BYODの導入を検討してみてはいかがだろう。