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【川手耀アナウンサーによる監修付き】退職の挨拶文例まとめ ポイントは簡潔に前向きな気持ちを伝えること

2025.01.28
オフィスのミカタ編集部

上司や同僚、取引先の担当者が退職するという経験は誰もがすること。その時に退職の挨拶メールをもらうことも多い。では、自分が退職することになったら、どのようにすればいいだろうか。最終出社日までにきちんと引継ぎをしてスマートに去るのが理想だ。今回は退職時の挨拶について紹介する。

退職は“立つ鳥跡を濁さず”が理想

退職届が受理された後、最終日までにやることを整理しよう。
法律では、退職届受理後、約2週間で退職することが可能だが、仕事の引継ぎや挨拶などがあるため、一般的には約1カ月から3カ月後の退職を考慮して準備を進めていくことが多い。

大切なのは「引継ぎ」だ。後任者を探し、漏れのないように余裕をもって細かい引継ぎをしていきたい。後任者のプレッシャーをやわらげるために、後任者には退職後の連絡先も伝えておくといい。

退職の挨拶は、社内でお世話になった上司や同僚などへ、最後のお礼を伝えるためのもの。すでに退職する旨を伝えてあるのならば、最終出社日に挨拶メールを送ればよい。一斉メールでも問題ないが、特にお世話になった上司や同僚には、一斉送信とは別に個別でメール、もしくは対面で挨拶するのが理想だ。

社外の取引先へは、最終出社日から2~3週間ほど前までに通知するのがマナーだ。この時に後任者を紹介し、安心してもらえるようにすることが重要。“立つ鳥跡を濁さず”のごとく、退職後に問題が生じないよう責任を持って引継ぎを完了し、円滑に退職するのが望ましい。

定年退職の挨拶はポジティブに感謝を伝える

定年退職を迎える時の挨拶では、まず長年勤めてきたことへの感謝を伝えたい。また、送る側にとって定年退職を迎える経験豊富な人との交流は貴重であり、退職する側が在職中のエピソードなどを(簡潔に)添えることは学びの機会にもなる。

挨拶で大切にしたいポイントは3点。
1. 感謝を伝える
2. 去る側は在職中のエピソードを簡潔にまとめる。送る側は仕事を教えていただいた際のエピソードを伝える
3. ネガティブなことはいわない(過去の仕事の不満、批判、否定はしない)


●定年退職を迎える人から社内の人への挨拶文例(メールの場合)
件名:定年退職のご挨拶 〇〇〇〇(名前)

〇〇部のみなさま
お疲れ様です。
〇〇部の〇〇〇〇(名前)です。
このたび、〇月〇日をもって定年退職することになりました。
入社して〇年、大変お世話になり、ありがとうございます。
過去には大きな失敗など苦い経験もしましたが、
みなさまに支えられ、乗り越えることができました。
これからは、仕事を通じて得た貴重な体験を生かして
実りある第二の人生を歩んでいきたいと思っております。
みなさまのより一層のご発展とご多幸をお祈りしております。
略式ながら、お礼のご挨拶とさせていただきます。


●定年退職を迎える人から社外の取引先への挨拶文例(メールの場合)
件名:定年退職のご挨拶 〇〇〇〇(名前)

株式会社〇〇 〇〇様
謹啓 盛夏の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
私事で大変恐縮ですが、この〇月をもちまして、〇年間勤めてまいりました株式会社〇〇〇〇を定年退職いたします。
〇〇様にはこれまで何かとお力添えをいただき、心より感謝いたします。
本来なら直接ご挨拶をすべきところ、メールでのご挨拶になり大変申し訳なく、お詫びいたします。後任は〇〇が担当させていただきます。後日あらためて〇〇がご挨拶に伺いますので、どうぞ変わらぬご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
末筆ながら、貴社のご発展と皆さまのご活躍を心よりお祈りいたします。
敬具


※メールの場合は、「私事」を文頭に置いても問題ないが、挨拶状として郵送する場合は、「私事」の一文を行末に置き、へりくだった表現をするのがマナーだ。

●送る側からのはなむけの言葉例
※送る側からは、定年退職される方の最終出社日にプレゼントや花束と一緒に感謝の気持ちを伝えたい。

〇〇さん(部長)、ご定年ならびにご勇退、誠におめでとうございます。
いつもあたたかく見守ってくださり感謝しております。
まだまだ教えていただきたいことがたくさんあり、名残惜しい気持ちです。
これまでご指導いただいたご恩は一生忘れません。
お身体に気をつけて、第二の人生を謳歌してください。
これまで〇年の長きにわたり大変お世話になり、本当にありがとうございました。

離職の場合、社内への挨拶はシンプルに感謝を伝える

転職や介護、出産、病気療養など、離職の理由はさまざまだが、円満に退職するためにも挨拶はマナーを踏まえて行いたいもの。社内への退職の挨拶は、一斉メールでも問題ない。おさえたいポイントは5点。

1. 退職年月日
2. 退職理由(詳しく書く必要ない。「一身上の都合」で可)
3. 在職中にお世話になったことへのお礼
4. 退職することで迷惑をおかけするお詫び
5. 社員のみなさんのご活躍をお祈りする気持ち


●社内への挨拶文例(一斉メールの場合)
件名:退職のご挨拶(名前)

〇〇部の皆様
お疲れ様です。
私事で大変恐縮ですが、このたび、一身上の都合により〇月末で退社することになり、本日が最終出社日となりました。
本来であれば直接ご挨拶をすべきところ、メールでのご挨拶にて失礼いたします。
これまで皆様には大変お世話になり、心よりお礼申し上げます。
業務を通じて多くの方々と関わらせていただき、たくさんのことを学ばせていただきました。
今後は、在職中に培いました知識と経験を糧に、次につなげたいと思っております。
なお、今後の連絡先は下記となります。何かございましたらこちらへご連絡をいただければ幸いです。
メール: 〇〇〇〇@〇〇〇〇
携帯: 〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
最後になりましたが、皆様のさらなるご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
今まで、本当にありがとうございました。
(署名)


●お世話になった上司への挨拶文例
件名:退職のご挨拶(○○部 名前)

〇〇部
〇〇部長
お疲れ様です。〇〇部の〇〇です。
一身上の都合により本日をもちまして退職することになりました。
本来であれば、直接ご挨拶すべきところ、略儀ながらメールにてご挨拶を申し上げます。
入社以来〇年間、さまざまな業務を担当する中で、〇〇部長には多くのことを教えていただき、大変感謝しております。
いつも温かく叱咤激励をいただき、本当にありがとうございました。
今後も〇〇部長にお教えいただいたことを糧に、新たな活動の場で活かし、励んでまいりたいと存じます。
なお、今後の連絡先は下記となります。何かございましたらこちらへご連絡をいただけると幸いです。
メール: 〇〇〇〇@〇〇〇〇
携帯: 〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
末筆ではございますが、〇〇部長の一層のご健勝とご活躍をお祈りいたしております。
(署名)

離職の場合、社外への挨拶は“安心してもらう”ためのもの

取引先などへの退職の挨拶は、後任者が決まったら速やかに連絡したい。取引先にとって、担当者が替わることは大きな不安要素となる可能性がある。特に親しくしてきた相手ならなおさらだ。安心してもらうためにも最終出社日2~3週間前までには連絡しよう。

取引先など社外の人への挨拶でおさえたいポイントは6点。

1. 拝啓、敬具、時候挨拶をつける、フォーマルな形式
2. 正式な「私儀」または「私事」とする。挨拶状を郵送する場合は行末に書く
3. 退職日を知らせる
4. 感謝の気持ちを伝える
5. 書面、メールでの失礼を詫びる
6. 相手の活躍を祈る一言を添える


●社外・取引先への挨拶文例(メールの場合)
件名:退職のご挨拶(○○株式会社 名前)

株式会社〇〇〇 〇〇様
拝啓 〇〇様にはますますご清祥こととお喜び申し上げます。さて、私儀で
大変恐縮ですが、〇月〇日をもちまして〇〇株式会社を退職することとなりました。
〇〇様にはこれまで何かとお力添えをいただき、心より感謝しております。
ここに改めてお礼を申し上げます。
本来であれば直接お伺いしてご挨拶すべきところですが、
メールでのご連絡となりましたことをお詫び申し上げます。
後任は、同じ部署の〇〇が務めさせていただきます。
後日、改めて〇〇がご挨拶に伺いますので、変わらぬご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
末筆ながら、貴社のご発展と〇〇様のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
敬具


引継ぎや整理など、退職が決まってから行うことはたくさんあるが、今まで円滑に仕事ができたことへの感謝の気持ちをしっかり伝えられれば、その先に進む道への自信にもつながるだろう。伝え忘れがないように、ゆとりをもって挨拶を考えていこう。