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「言った言わない」問題は確認とコミュニケーションで防げる~オフィスのお役立ちコンテンツ

2025.04.03
広瀬敬代

仕事を進めていく中で、「言った」「言わない」「聞いていない」「知らない」という言い争いに遭遇した経験のある人は多いだろう。どんな業種でも起こりうる「言った言わない問題」は、定期的な確認とコミュニケーションで防ぐことができる。今回は気持ちよく仕事を続けていくために回避したい「言った言わない問題」の対策方法について紹介する。

口頭のみのやりとりは「言った言わない」になりやすい

個人対個人、上司対部下、取引先とのやりとりなど、さまざまな場面でトラブルは発生する。中でも「言った言わない」で起きるトラブルは、個人間だけでおさまらず、人間関係の悪化や、会社を巻き込む大事に発展する可能性も高い。要因となる以下のポイントに注意したい。

1. 口頭のみの交渉、打ち合わせ、確認
人の記憶はあいまいなもの。口頭のみのやりとりだと、時間が経つほど記憶違いや細かい内容を忘れてしまうことも多く、一つでも業務が滞ると、「あの時に言った、言わない」につながる。

2. 記録をしていない
人が一度に記憶できる量は限られている。特に数字や聞きなれない専門用語などがある場合は間違って記憶する確率が高い。文字にして残しておけば忘れた時に見返すことができる。

3. 確認不足
経験値によって人の認識の仕方には違いがある。認識のずれがないかどうかの確認を怠ると、トラブルが発生することもある。

4. 聞き間違い、聞き逃し
オンライン会議などの場合、周囲の騒音などで聞き逃してしまい、時間がなく確認することができなかったとなりがち。対面であれば相手の表情を注意深く見ていることで「あれ?違うのかな」と立ち止まって確認するきっかけが見つかるが、オンラインだと何度も確認することに躊躇してしまうこともある。

5.思い込み・解釈の違い
人はどうしても自分の経験値で思い込むことがある。必ずしも出発点から相手と同じ考えを共有しているとは限らない。また同じ考えでも解釈の仕方が異なることもよくある。

「言った言わない」が起こってしまったらどう対応する?

ひとつずつ丁寧に対応することが重要となる。対応する際には次の手順を参考に動いていこう。

1. 事実を確認する
起こってしまった時点で双方がどのような情報をもとに動こうとしたのかを確認する。メールのやりとり、会議のメモ、双方が共通して持つ資料などを通して具体的な証拠を探す。

2. オフラインでの対話
できる限り対面して、自分と相手の解釈のずれを探す。対面してそれまでの疑問や不安、「こういうことだと理解していた」などを正直に話し合うことで、誤解が見つかることが多い。誤解がわかれば、お互いの共通の理解をたどっていき、具体的な解決策を策定することができる。

3. 反省して改善策を提示
「言った言わない」となってしまったことをあらためて明確にして、コミュニケーションの取り方の改善策などを提示。責任の所在を確認し、問題を明確にしてお互いが同様の認識を持つようにしていく。文書化することが大切だ。

「言った言わない」予防策は、記録・メモ・認識の確認が重要!

「言った言わない」トラブルを防ぐには、事前にきちんと準備して、コミュニケーションを面倒がらないことが大切だ。

1. 会議や交渉事、契約時は「議事録」必須に
どんな小さな交渉事でも、オンラインの会議でも、まず議事録を必ずとるようにしよう。録音も有効だ。会議が終了後、議事録はなるべく早めに参加者全員で共有できるようにするといいだろう。誰がどのような発言したかなどが明確にわかるようにしておくとトラブル回避につながる。

議事録のポイント
・主要議題
・決定事項
・参加者、担当者
・納期、スケジュール
・価格等の数字


2. コミュニケーションを積極的にとる
コミュニケーションがしっかりとれていれば、何か疑問点があった時、進捗状況に変化があった時にもすぐに連絡を取り合うことができる。分担して業務を行っている場合には定期的に確認や報告をしていくようにする。

3. 情報共有のルールを作る
口頭以外の情報共有できる手段を作っておく。メールでのやりとりには関係者すべてに「cc」で送るようにしたり、定期的にミーティングを行うスケジュールを立てたり、情報をいつでも確認することができるプラットフォームを用意するなど、情報を一元化する。
メールやチャット、オンライン会議、ドキュメント共有などを一つのインターフェイスで行えるコミュニケーションプラットフォームも有効な手段だ。

予防のポイントは、記録・認識・コミュニケーション

「言った言わない問題」の大きな要因は“コミュニケーション不足”。特に注意したいのは、サービスを提供する契約時や価格の決定、スケジュールを決める時。あいまいなままにしておくと、自分に都合が良いように認識してしまうことがあるものだ。案件への期待値が高いほど、異なる結果が出てきたときに不満も多くなる。

また、対上司の場合はいろいろと細かい部分を確認しづらいことがあるが、少しでも疑問や不安点があったらその場で確認することが大切。その後の大変な事態に発展してしまうよりも、一時の恥(または怒られる)で済むならそのほうが傷は浅くて済むと考えよう。