働く主婦の介護の実態とは? 仕事、介護、子育て、全てを担う過酷なケースも

フィールド・クラウドソーシング事業を展開するソフトブレーン・フィールド株式会社(本社東京都港区)が推進するサステナブル∞ワークスタイルプロジェクト(ライフステージが変わっても持続可能な働き方)は、「《働く主婦》の仕事と介護に関する意識調査」を2019年5月9日~5月15日に実施。
調査対象は同社に登録する働く主婦830名(平均年齢47歳・個人事業主やフリーランス形態が中心)、そのうち介護経験者は231名、介護未経験者は599名(「現在介護が必要な親族はいない479名」および「現在介護が必要な親族がいるが自分は担っていない120名」を含む」)だった。
調査結果から、アラフォー/アラフィフ女性の3人に1人が介護経験者であり、仕事と子育て・介護の両立をしていたことや、介護未経験者の方の半数以上が、親族の介護について「話したことがなく、備えもしていない」実態がわかった。
■働く主婦の介護の実態は?

親族の介護状況について、「現在、親族の介護を担っている」が8.9%、「親族の介護を担った経験がある」が18.9%となり、約3割の人が「介護経験あり」と回答した。
介護経験者の人に、介護対象者を尋ねると、「自分の親」が61.5%、「配偶者の親」が29.9%、「(自分の親や配偶者の親以外の)その他の親族」が21.2%と続いた。
■介護を始めた平均年齢は43歳

介護経験者に介護を始めた年齢を聞くと、「40代」が34.6%で最多、「50代」が23.4%、「30代」が19.9%、「20代」が14.3%と続き、介護を始めた平均年齢は43歳となった。
■介護と仕事を両立していた人が8割

介護期間中に「仕事をしていた」方は、81.8%となり8割の人が仕事と介護を両立していたことがわかった。
介護時の就業形態は、「個人事業主やフリーランス形態」が60.3%で最多で、「パートタイムなどのアルバイト形態」が36.5%と続き、「フルタイムなどの社員形態」は15.3%となった。
■介護経験者の半数以上が仕事と子育て、介護の両立を求められている

介護時に、「子どもがいた」という人は、64.1%であった。
「妊娠中~小学校に上がる前までの未就学児の子どもがいた」と回答した人は18.3%、「6歳~18歳(小学校~高校生)の子どもがいた」と回答した人が34.1%となり、半数以上の方が、仕事と子育て、介護の両立が求められていたことがわかった。
■介護未経験者の「介護の不安・心構え」

介護未経験者のうち、現在介護が必要な親族はいない479名を対象に、親の介護が必要になった場合に、9割近くの人が「不安を感じる」と回答した。
具体的には、「介護の方法がわからない・知らないこと」が32.5%、「ただ漠然と自分にできるかどうか」・「仕事を辞めずに介護と仕事を両立できるかどうか」が同率の25.2%、「公的介護保険制度の仕組みがわからないこと」が22.4%と続いた。
介護未経験者の人からは、「どこに相談したらよいのか、何からしたらいいのかまったくわからない(50代)」や、「自分ができるのか、お金とかどのくらいかかるのか(40代)」といったコメントがあった。
■介護未経験者、親族の介護について実際に備えをしている人はわずか5.6%

親や親族の介護について、事前の備えや準備を質問すると、「話したことがある」は46.1%であり、そのうち「備えをしている」は5.6%、「話したことがあるが、備えはしていない」が40.5%であった。
「話をしたこともなく・備えもしてない」は、52.2%で半数以上を占める結果となった。
■介護未経験者、公的介護保険制度の認知度は2割に届かず

公的介護保険制度についての認知度は、「よく知っている」の2.5%、「やや知っている」の12.1%と合わせて、「知っている」と回答した方は、14.6%で2割に届かない結果となった。
「あまり知らない」29.6%、「ほとんど知らない」55.8%と合わせて、85.4%の方が「知らない」と回答した。
■「介護」は万が一ではなく誰の身にでも起こりうる
今回の調査結果から、介護経験者の方のうち30代~40代の子育て世代が半数以上を占め、20代での介護経験者も14.3%であったことから、「介護」は万が一ではなく誰の身にでも起こりうることであると再認識できる。
介護の未経験者の人は、情報や知識不足により親の介護が必要となった場合、「不安である」と多くの人が回答していた中で、経験者の人は「インターネット検索」や「介護経験者(友人・知人)」から情報収集をしていたと回答している。
なかなか話しづらいテーマではあるが、介護が必要になる前に日頃から話し合い、知識を身につけることが、親や家族そして自分自身を守るためにも、重要だ。
介護との両立支援に取り組む政府では『安心につながる社会保障』として「介護離職ゼロ」を掲げている。
持続可能な働き方を実現させるため、様々な施策を実施することとしており、介護を取り巻く環境は変化しつつあるのではないだろうか。
■まとめ
半数以上の人が、仕事と子育て、介護の両立が求められていたことがわかった。
高齢者人口の増加とともに今後ますます介護をする人は増えてくるだろう。
仕事と育児、介護の両立が困難になり離職してしまうことは、企業にとって大きな損失になる。
介護者のいる従業員が心身ともにストレスを抱える前に、仕事と育児、介護の両立支援の取り組みを早急に考えるべきではないだろうか。