夏の豪雨災害への備えは大丈夫ですか? 豪雨時の防災情報を5段階の警戒レベルで表示する運用もスタート
2019年5月29日より、気象庁や自治体等が豪雨時の防災情報を5段階の警戒レベルで発表する新基準の運用が始まった。
そこで、DCMホールディングス株式会社は「豪雨災害の経験者に聞く『夏の豪雨対策』についてのアンケート」を実施。
豪雨災害を経験した人を対象とし、なくて困ったもの、また経験を踏まえあったら役立つと思うものについて調査をした。
■避難勧告等に関するガイドライン
内閣府(防災担当)は「避難勧告等に関するガイドライン」を2019年3月に改定。住民がとるべき行動を直感的に理解しやすくなるよう、気象庁や自治体等から5段階の警戒レベルを明記して防災情報が提供されることとなった。
5月29日より運用が開始し、「警戒レベル4」では市町村は避難勧告または避難指示(緊急)を発令。住民は速やかな避難が必要となる。
■被災時の避難状況
災害時の避難の状況を質問したところ、「避難所で過ごした」と回答した人は30%となった。
昨年、地震災害を含む災害で被災した世帯を対象に行った「2018年自然災害被災者に聞いた、防災についてのアンケート」では、「避難所を利用した」と回答した人が7%だった。
この結果と比較すると、今回の調査では23ポイントも高い結果となり、避難所で過ごす人が多いのが豪雨災害の特徴であると考えられる。
■避難時の防災用品持参状況
被災時に「避難所で過ごした」「親類・知人宅で過ごした」と回答した人に対し、防災グッズの持参状況を質問したところ、「持っていかなかった」と回答した人は88%を占めていることがわかった。
避難所での生活がイメージできず、何を持っていけばよいかわからなかったということがこの原因として考えられる。
■避難中の支援のあり方で困ったこと
被災時に自宅以外で過ごした人に対し、避難中の支援のあり方で困ったことを質問したところ(複数回答可)、「スマートフォンの充電が十分にできなかった」と回答した人が15%と最も多く、次いで「床が固く、体が痛くなった」と回答した人は13%となった。
今年2月に公表した「2018年自然災害被災者に聞いた、防災についてのアンケート」では、発災後3日間で困ったこと上位5項目は「モバイルバッテリー」「水」「電池」「ランタン」「保存食」という結果だった。
この結果と比較し、床に関する困りごとは豪雨時、避難所に避難した際の特徴と考えられる。
■アウトドア用品が豪雨災害に役立つ
「アウトドア用品が豪雨災害に役立つ」という考え方に賛同できるかどうかと質問したところ、「賛同しすでに実践している」「賛同できる」と回答した人は合わせて67%となり、過半数を上回る結果となった。
■役立つアウトドア用品のトップは
豪雨災害の避難時にあったら役立つと思うアウトドア用品を質問したところ(複数回答可)、「床対策用品」と回答した人が30%と最も多く、次いで「水の運搬用品」12%、「暑さ・寒さ対策用品」「食事の保存に関する用品」ともに11%、「灯り」10%、「プライバシーを守るための用品」8%という結果になった。
資料③「避難中に困ったこと」で上位に並んでいる項目に対する具体的な対策用品がここで選ばれている。
■アウトドア用品の購入場所
アウトドア用品が手頃な価格で揃えられるのはどこだと思うか質問したところ(複数回答可)、「ホームセンター」と回答した人が75%で最も多い数値となった。
■もしもの避難に備え、アウトドアグッズで床での生活を想定した準備を
災害時の避難では、学校の体育館や教室の床に雑魚寝することが一般的だ。
物資として配布されるのは、ブルーシートと毛布だけ、という場合が多いようだ。例えひと晩でも床に寝れば背中が痛くなるし、夏でも底冷えを感じる。キャンプ用のマットなど、柔らかい素材を1枚床に敷くだけで、寒さや固さが緩和される。また、折りたたみのできるイスやテーブルがあれば、快適に食事をとることができる。
大雨が心配なこの季節。もしものときの避難に備え、アウトドアグッズで床での生活を想定したグッズをそろえておかれることをすすめる。
■まとめ
梅雨の時季から夏にかけて毎年、各地で集中豪雨によるさまざまな被害が発生している。
災害は、いつ、どこで起こるかわからない。
今回のアンケート調査を参考に、昨今の豪雨被害をもう一度思い起こし、会社全体でも取り組める対策を考えていく必要がある。