過酷な労働環境の介護職。働く職場の現状や勤務実態について
介護職は、給与の低さや業務における体力的な負担、各種ハラスメントへの対処も求められている。
株式会社スタルジー(本社:東京都豊島区)は、介護業界における労働環境の実態を調査するため、介護職として働いている人、もしくは過去に働いていた人に、仕事上の悩み、退職理由、転職に関するアンケート調査をおこなった。
■介護職での雇用形態は
「介護職での雇用形態を教えてください(過去に介護職だった方はその時の雇用形態を選択してください)」と質問したところ、正社員が65名で最多となり、次いでアルバイト・パートが24名という結果となった。
■介護職は体力的に大変
「介護職のお悩みとして当てはまるものをすべて選んでください」と質問したところ、「体力的に大変」が80名で最多、「給与が少ない」が76名でそれに続く結果となった。
■介護職で最も悩んでいることは
「介護職で最も悩んでいることについて具体的に教えてください」と質問したところ、以下の回答が集まった。
・体力仕事でもあるので疲労が溜まる
・拘束時間のわりに給与が低い
・職員、利用者様共に人間関係が難しい
・まとまった休暇が取れない
■退職するのは、人間関係が難しいから
「介護職をしていて退職を考えている方はその理由を、退職済の方は退職した理由をすべて選んでください」と質問したところ、「介護職のお悩み」の質問と比較した場合、他の選択肢に対して「人間関係が難しい」41名の割合が増加している結果になった。
■介護職への再就職を希望している
「介護職をしている方は希望する転職先を、転職済の方は転職活動中に希望していた転職先を一つ選んでください」と質問したところ、「介護業界」(33%)への再就職を希望する人が最多に。体力的な負担が少ない「一般職・事務職」(30%)という回答がそれに続く結果だった。
■介護職からの転職は、30代以下が多数
「介護職から転職した時の年齢を教えてください」と質問したところ、84%の人が30代以下で転職を経験していた。
■転職先はやはり介護業界に
「介護職からの転職先を教えてください」と質問したところ、希望する転職先から大きな変動はなく、介護業界(30%)という結果だった。
■転職先では「アルバイト・パート」「契約社員」の割合が増加傾向
「介護職から転職した先での雇用形態を教えてください」と質問したところ、介護職での雇用形態と比較すると、「正社員」の割合は減少し、「アルバイト・パート」「契約社員」の割合が増加している結果だった。
■介護職から転職して年収は増加
「介護職から転職して年収はどうなりましたか」と質問すると、「年収は上がった」(41%)という回答が最多となった。
■介護職から転職して勤務時間は減った
「介護職から転職して勤務時間はどうなりましたか」と質問すると、「勤務時間は減った」(68%)が最多となり、転職により待遇が改善されることが多いと推測される。
■介護職から転職した満足度は
「介護職から転職した満足度を教えてください」と質問すると、「とても満足」(15%)、「満足」(73%)と回答した人は合計88%で、転職の満足度は高いことが分かった。
■まとめ
介護職は体力的につらい、給料が少ないといった悩みがある中、退職理由として、人間関係が難しいという声もあがった。
介護職は、「仕事がきつい」といったイメージが強く、離職率が高いとされる現場である。
職員の離職を食い止めるため、さまざまな取り組みを考えていく必要があるようだ。