副業中の半数が「副業経験が本業で役に立った」と回答。 役立ちエピソードの紹介
人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区)が運営するミドル世代のための転職サイト『ミドルの転職』上で、サイトを利用している35歳以上のユーザーを対象に「副業(パラレルキャリア)」についてアンケートを行なった。
副業中の半数が「本業で役に立った」と回答した。
■7割の人が本業以外にも副業をしたい
「今後、どのような働き方をしたいですか?」と質問したところ、約7割が「本業以外にも副業をしたい」と回答した。
■実際に副業をしている人は2割
「本業以外に副業をしていますか?」と質問したところ、「している」と回答したのは2割ほどにとどまり、実際に副業をしている人は少ないという結果だった。
■副業をしていない理由は何か
副業をしていない人に理由を聞いたところ、第1位は「会社が副業を禁止している」(50%)、第2位は「どう始めていいかわからない」(39%)、第3位は「本業が忙しく時間がない」(33%)だった。
働き方改革の一環として副業解禁が企業へ促される中、企業での制度整備が進んでいない現状が分かった。
■年収によって、副業する理由が変わる
副業中の人に、副業に取り組む理由を聞いたところ、第1位は「報酬が得られる」(62%)、第2位は「知見・視野が広がる」(51%)、第3位は「本業の収入だけは充足していない」(43%)だった。
年収別にポイント差が目立ったのは、年収1000万円以上は「知見・視野が広がる」(62%)、 「本業を退職したときの収入を確保するため」(39%) 「他社への直接的な貢献により、『喜び』を感じられる」(33%)。
年収1000万円未満は「本業の収入だけは充足していない」(46%)、「起業の準備が出来る」(14%)だった。
年収1000万円以上は、仕事を通じた充実感や成長、年収1000万円未満は収入アップが目的のようだ。
■副業の取り組み、年収1000万円以上が「株式投資」、年収1000万円未満は「単発の仕事」
副業中の人に、具体的な取り組みを質問したところ、もっとも多かった回答は「本業以外の単発の仕事」(45%)だった。
年収別にポイント差が目立ったのは、年収1000万円以上は「株式投資」(36%)、「不動産投資」(29%)、「ボランティア活動」(26%)、「地域活動」(18%)。
年収1000万円未満は「本業以外の単発の仕事」(46%)という結果だった。
■副業で得ている収入、「20万円未満」が最多
副業の収入を質問したところ、44%が「20万円未満」と回答。
年収1000万円未満が、300万未満に回答が集中する中、年収1000万円以上は「400万~500万未満」(4%)、「500万~600万未満」(6%)、「1000万以上」(9%)と回答する人が見受けられた。
■副業中の5割が「本業で役に立った」と回答
副業中の人に、「副業が本業で役に立ったことがありますか?」と質問したところ、54%が「はい」と回答した。
■「経験が活きる」副業が本業で役に立ったエピソード
○プロモーションやマーケティングの知見獲得、プログラミングやデザイン知識増加、企画力や提案力の底上げ、新しい分野の人達との出会いなど様々あります。(30代男性、年収1000万円未満)
○日常的にかかってくる業務上の経費など、コスト意識を持って新規事業や改善提案ができるようになるため、提案が通りやすいように感じる。(30代女性、年収1000万円未満)
○業界が違うと、仕事や課題解決のヒントになることが多い。視点や考え方の違いが、自分の仕事にも良い影響を与えている。(30代女性、年収1000万円未満)
○ビジネスパートナーが増え、本業での紹介数が増加した。(40代男性、年収1000万円未満)
○本業での考え方が変わってきました。いかにマネタイズすることが企業として重要であるか、意識を強く持って本業に取り組むようになりました。(40代女性、年収1000万円未満)
○経営コンサルティングに関する引き出しの増加に繋がっています。(30代男性、年収1000万円以上)
○思考の幅が広がりました。業務改善のケースとしてはとても勉強になり、本業でも同様の課題に対してアプローチのヒントが得られました。また、SNSを使ったマーケティングも本業では検討段階でしたが、副業の場で実際に試してみることができ、非常に有意義でした。(30代男性、年収1000万円以上)
○実際に経営者になる事で経営コンサルに磨きがかかった。(40代男性、年収1000万円以上)
○業界違いで直接的には関係しなくとも、マーケティングや企画全般といった広域の視点で見ると何らかの形で経験が活きる部分はあると思います。 (40代女性、年収1000万円以上)
○SNSによるマーケティングスキルや、今風のコピーライティングスキルが、本業での業務理解の深さや、他部門連携に役立っています。(50代男性、年収1000万円以上)
■まとめ
本業の業務理解が深まった、思考の幅が広がったなど、副業中の半数が「本業で役に立った」と回答した。
しかし、実際に副業している人は2割にとどまる結果に。
企業にとって、副業を通して自社の社員が成長してくれることは非常に有益なことだといえる。副業ができる環境を整えられるよう、職場の状況を見直してみてはいかがだろうか。