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92%が活用拡大を考えているRPA。スキルを持った人材育成が課題に。

2020.01.16

 ヒューマンホールディングス株式会社の事業子会社で人材サービス事業を運営するヒューマンリソシア株式会社(本社:東京都新宿区)は、RPA利用企業のアンケート調査を実施した。

 調査結果では、RPAを利用している、またはこれから利用する予定である企業担当者のうち、92%が活用を広げたいと回答した一方で、スキルを持った人材育成が課題になっていることも判明した。

■RPAとは

 RPAは、Robotic Process Automationの略語で、ソフトウエア型ロボットによる業務自動化の取り組みのこと。

 「仮想知的労働者(Digital Labor)」とも言われ、主にバックオフィスにおけるホワイトカラー業務の代行を担う。

■92%が活用拡大の意向と、RPAに大きな期待

■92%が活用拡大の意向と、RPAに大きな期待

 RPA活用について今後の展望を聞いたところ、「積極的に拡大していく」が56%、「効果を見ながら拡大していきたい」が36%と、計92%が拡大意向となった。

 RPAの有効性に期待を寄せていることが明らかになる結果だった。

■RPA活用促進に向け、76%が「RPAスキルをもった人材育成が難しい」と回答

■RPA活用促進に向け、76%が「RPAスキルをもった人材育成が難しい」と回答

 次に、RPAの活用を阻害している要因について複数回答で聞いたところ、76%が「RPAスキルを持った人材育成が難しい」と回答した(図表3)。

 自由回答では、「通常業務と平行してRPAの習得をすることが難しい」等、他業務との兼任でRPAを担当しているため時間が取れないといったコメントも多く見られた。

  

■シナリオ開発を担当する部署は、56%が「利用部門」と回答、現場がRPA活用を主導

■シナリオ開発を担当する部署は、56%が「利用部門」と回答、現場がRPA活用を主導

 主にシナリオ(※)開発を担当する部署について聞いたところ、56%が「利用部門」と回答した(図表4)。

 半数以上が利用する部門自らシナリオを開発しており、現場がRPA活用を主導している実態が明らかとなった。

(※):シナリオとは、作業をフローチャート形式で手順化したもので、このフローチャート図をもとにRPAが自動化を実行する。

■導入期と拡大期の比較

■導入期と拡大期の比較

 また、導入初期と拡大期(複数部門もしくは全社に展開して活用を推進している時期)を比較すると、活用が広がるにつれ、利用部門でのシナリオ開発比率が高まることが分かる(図表5)。

 RPA活用の拡大には、利用部門が積極的にシナリオ開発にかかわることが重要だと推測される。

■シナリオ開発者は、1~2人でスタートし、拡大期には34%が10人以上

■シナリオ開発者は、1~2人でスタートし、拡大期には34%が10人以上

 シナリオ開発担当者については、導入期には1~2人が半数を占める(図表6)。

 利用が進む拡大期では、10人以上シナリオ開発者がいるとの回答が合計で34%となった(図表7)。

 利用部門でのシナリオ開発が主流となる中、いかに、利用部門にてシナリオを開発できる人材を育成できるかが、RPA活用を拡大するポイントと考えられる。

■まとめ

 今回のアンケート調査結果では改めて、業務自動化や効率化に向け、RPAの有効性に大きく期待が寄せられていることが明らかとなった一方で、RPAを活用するにあたり「人材育成」が重要であることが浮き彫りになる結果となった。

 RPAはあくまで定型業務を自動化するITツールであって、導入すれば勝手に動いてくれる、いわゆる「魔法の箱」ではないということだ。
 
 RPA導入することは、教育とルールつくりも重要となってくるようだ。RPAの導入を検討している企業は、本調査結果を参考にしてほしい。

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