「勤務時間外の連絡を拒否できるのであればそうしたい」72.6%|つながらない権利に関する調査2023
日本労働組合総連合会(所在地:東京都千代田区、会長:芳野友子)は、勤務時間外の業務上の連絡に関する意識や実態を把握するために「“つながらない権利”に関する調査2023」を実施した。
調査実施の背景
コロナ禍以後、柔軟な働き方が多くの企業で導入・活用されているが、勤務時間と生活時間との区別がつきにくくなり、勤務時間外にも職場や取引先との連絡への対応を求められるといった課題も明らかになってきている。
そこで同連合会は、勤務時間外の業務上の連絡に関する意識や実態を把握するため「“つながらない権利”に関する調査2023」を実施した。
勤務時間外の業務上の連絡の有無
プライベートな連絡先(会社の電話番号・会社のメールアドレス以外の連絡先)について取引先に「教えている」は28.4%。
勤務時間外に部下・同僚・上司から業務上の連絡がくることについては「連絡がくることがある」は72.4%となった。また、勤務時間外の取引先から業務上の連絡については「連絡がくることがある」は44.2%となった。
勤務時間外の業務上の連絡に関する意識
勤務時間外の連絡(業務上の連絡)について、どのような連絡を許容できるかとの問いには、部下・同僚・上司から、取引先からともに「すぐに対応が必要なことに関する連絡」が最多の回答となった。
■部下・同僚・上司から 48.5%
■取引先から 42.8%
また勤務時間外の連絡について、部下・同僚・上司から、取引先からどちらも6割以上がストレスを感じると回答した。
■部下・同僚・上司から 62.2%
■取引先から 60.9%
勤務時間外の業務上の連絡に対して制限する必要があるかとの問いには66.7%が「思う」と回答している。
勤務時間外の業務上の連絡に関するルール
自身の職場では勤務時間外の職場内の連絡(業務上の連絡)についてルールがあるか(公式なルール・非公式なルールを問わず)との問いには25.8%が「ある」46.3%が「ない」と回答した。
さらに、職場にルールがある人の73.3%が「ルールがあることで実際に取引先からの連絡が少なくなっている」と実感していることも明らかになった。
つながらない権利について
「つながらない権利によって勤務時間外の連絡を拒否できるのであれば、そうしたいと思う」という人は72.6%となった一方、「つながらない権利があっても、今の職場では勤務時間外の連絡の拒否は難しいと思う」という人も62.4%いることが判明。
つながらない権利の法制化で、勤務時間外の連絡を拒否することによる「勤務評価等への影響」を49.8%が心配だと回答している。また、業務に生じうる影響として「緊急性の高いトラブルへの対応の遅れ」を64.9%が心配だと回答した。
調査概要
調査対象:ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする18歳~59歳の有職者(※)
※正社員・正職員、派遣社員・派遣職員、契約社員・嘱託職員・臨時職員、パート、アルバイト、フリーランス
調査期間:2023年9月13日~9月20日
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
有効回答数:1000サンプル
実施機関:ネットエイジア株式会社
まとめ
勤務時間外の連絡についてストレスを感じる人が多くいる一方で、つながらない権利を実現する難しさやそれによる不安を感じる人も少なくないことが明らかとなった。自社でどのように取り組んでいくか、本調査結果を参考に検討してみてはいかがだろうか。東京人権啓発企業連絡会に掲載されている「つながらない権利の背景と実現についての考え方」も併せて参考にしてみては?
参考:東京人権啓発企業連絡会「つながらない権利の背景と実現についての考え方」














