企業におけるリスキリング施策の実態調査|大企業の半数以上が2024年度もリスキリング施策を検討
パーソルイノベーション株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:大浦征也)が展開する、リスキリング支援サービス『学びのコーチ』は、全国の企業に勤務する方を対象に、「リスキリング」に関する定点調査を四半期ごとに実施。今回は、企業における2024年度のリスキリング施策の方針も新たに聴取したことを報告した。
※本調査でいうリスキリングとは、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義。
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リスキリング実施率は前回調査より減少するも、引き続き4割以上を維持
同社はまず、所属企業において直近1年の間で、従業員のリスキリング施策に関する取り組みを行ったかどうかを尋ねた。その結果「実施した」は前回の49.1%に比べ8.2pt減少し、今回は40.9%に留まったことを明らかにした。
企業規模別の回答を見ると、大企業における「実施した」との回答が今回は57.3%(前回64.3%)に対し、中小/スタートアップ企業の「実施した」が今回は34.6%となり(前回40.5%)リスキリング施策は、引き続き大企業が先行して取り組んでいる実態がうかがえる。
なお、リスキリング施策の対象としては、1位は「一般(ミドル/シニア)(56.2%)」2位は「管理職(52.0%)」3位は「一般(ミドル/シニア以外)(27.8%)」となっている。
重視するスキルは前回に引き続き「データ活用」がトップ
本調査によれば、所属企業が取り組むリスキリング施策において重視されているスキルの1位は「データ活用(35.5%)」2位は「リーダーシップ(32.4%)」3位は「AI活用(ChatGPT等)(31.5%)」となっている。過去の調査に比べ「リーダーシップ」がランキング上位に入り、社内の取り組みを進めていくためにもリーダーシップが必要と改めて認識されたのではないかと考えられる。
企業規模別の回答を見ると、大企業では1位は「データ活用(43.4%)」2位は「AI活用(ChatGPT等)(41.1%)」3位は「リーダーシップ(40.3%)」に対し、中小/スタートアップ企業では1位は「データ活用(28.5%)」2位は「リーダーシップ(24.6%)」3位「セキュリティ(20.8%)」となっている。大企業では引き続きAI活用に積極的であることが読み取れる。
リスキリングの取り組みに成果を実感している企業は70%以上
同社は続いて、所属企業が取り組むリスキリング施策においてどのように評価しているかを調査。その結果「大きな成果が実感できた」との回答が16.4%(前回28.7%)となった。また「成果を実感できた」との回答が56.9%(前回52.1%)となり、リスキリング施策の成果を感じている企業は前回調査に引き続き、全体で70%以上となった。しかし「どちらともいえない」「あまり成果が出ていない」との回答も増加しているため、企業によっては安定した成果を得られていないことが分かる。
リスキリングの実施期間1位は「1カ月以上3カ月未満(29.4%)」
リスキリングの実施期間として最も多かったのは「1カ月以上3カ月未満(29.4%)」で、次いで「3カ月以上6カ月未満(25.2%)」「6カ月以上1年未満(16.8%)」と続いた。
また同社は、所属企業が取り組むリスキリング施策において現状のステップを尋ねたところ「ベーススキルの習得(40.8%)」のステップが最も多く、次いで「DXリテラシーの習得(24.4%)」のステップとなったことも明らかにしている。この結果から、現時点ではベーススキルの底上げと専門知識に注力している企業が多いことが分かった。
2024年度、半数以上の大企業が実施予定
本調査では2024年度のリスキリングの取り組みについて、43.8%の企業が2024年度も引き続きリスキリング施策を実施する計画がある、もしくは実施する意向があると回答している。
企業規模別の回答を見ると、大企業の「実施する計画がある」との回答が37.8%「実施する意向がある」との回答が21.8%となり、大企業の半数以上はリスキリング施策を実施する計画があるもしくは実施する意向があり、2024年度も大企業が先行して取り組んでいく実態がうかがえる。
調査概要
調査手法:インターネットリサーチ Fastask(株式会社ジャストシステム提供)でアンケート調査を実施
調査対象:全国の企業に勤務する方
調査期間:2023年11月17日(金)~2023年11月21日(火)
対象人数:660
企業属性:※大企業 従業員数が300人以上の企業
※中小企業とスタートアップ︓従業員数が300人未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置かない企業と従業員数が300人未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置く企業。大企業の子会社やグループ会社は含まれない。
出典元:パーソルイノベーション株式会社『学びのコーチ』
まとめ
本調査結果について、パーソルイノベーション『学びのコーチ』事業責任者/Founderの柿内秀賢氏は「今回の調査結果では、管理職層に求めるリーダーシップの期待も高まっていることが明らかになりました。より豊かな社会の実現に向けてテクノロジを上手に使いこなし、導いてくれるビジネスパーソンへの期待が高まっています」とまとめている。自治体によるリスキリングへの補助金・助成金もあるため、リスキリング施策に取り組む際は活用してみてはいかがだろうか。
参考:公益財団法人東京しごと財団 DXリスキリング助成金
参考:広島県 ITパスポート取得支援補助金
参考:富山県「とやま人材リスキリング補助金」
※上記参考リンクは、2024年1月9日時点の情報です














