働きがいを感じられて働きやすい「推せる職場」と感じているのは18%【「仕事・職場に関するアンケート】
エンゲージメント向上を軸とした組織開発・人材育成コンサルティング支援を通して『推仕ゴト改革』を進めている株式会社NEWONE(本社:東京都千代田区、代表取締役:上林周平)は、618名の20代~40代の会社員を対象とした「仕事・職場に関するアンケート」調査を実施した。
調査実施の背景
同社は、2019年より施行されている働き方改革の推進により、生産性向上や残業時間削減に向けた対策が広がる一方、仕事から得られる充実感や満足感、成長実感や手ごたえなどを意味する「働きがい」向上に関する課題が、多くの企業で顕在化していることに注目。特に同社が本調査実施において着目したのは、昨今の若手社員の転職傾向として「働きがいを感じにくく、働きやすい職場」では、現状の職場に対する「不満」型転職が減っているのに対して、自分自身の成長やこれからのキャリアに対して不安を感じて退職する「不安」型転職が増えているとのデータだ(※1)。
同社はこうした現状を受け、働きがいを感じ、働きやすい『推せる職場』をつくるにはどのようなポイントが必要かを明らかにすべく、調査を実施した。
※参照:古屋星斗『ゆるい職場 若者の不安の知られざる理由』〔中央公論新社、2022年〕より
働きがいと働きやすさの観点から職場を分析
同社は本調査において「働きがい」と「働きやすさ」の観点から、職場を下記の4象限に分類。
■ 推せる職場 :働きがいを感じ、働きやすい職場
■ ストイックな職場 :働きがいを感じ、働きにくい職場
■ 優しすぎる職場 :働きがいを感じにくく、働きやすい職場
■ 残念な職場 :働きがいを感じにくく、働きにくい職場
本調査では自分が働く職場を「働きがいを感じ、働きやすい職場」と回答した人は、最も少ない18%であったが、そのうちの58%が自分の職場を「推せる(推奨できる)」と回答したことがわかった。
『推せる職場』の4つの特徴
同社は本調査結果から、企業や従業員にとってメリットとなる『推せる職場』には4つの特徴があることがわかったと報告している。
1: 仕事の成果に繋がりやすい
本調査では『推せる職場』で働くビジネスパーソンの半数以上は「仕事に熱中できている(50%)」「主体的に仕事に取り組んでいる(67%)」と回答。優しすぎる職場やストイックな職場よりも仕事に熱中、主体的に取り組む社員が多いことが明らかになっている。
2:採用活動にも効果的
また、同社によると『推せる職場』で働くビジネスパーソンは、会社の方向性や仕事内容、キャリア、組織などの共感度が他の職場よりも高いという。同社はこれにより、リファラル採用が活発になるなど、カルチャーフィットする人材の紹介に繋がる効果が期待されると分析している。
3:長期的なキャリア形成ができる
さらに『推せる職場』では、残業や過度なプレッシャー、ハラスメントが少なく、離職予備軍が他の職場と比べ最も少ないことが判明。同社は社員の長期的なキャリア形成に繋がりやすいとの考察を示している。
4:入社直後の対応が重要
本調査で自分の職場を『推せる職場』と回答した方の就業年数は、入社1年未満の若手社員が最も多い26%である一方、就業年数が上がるにつれ減少している。そのため同社は『推せる職場』を維持するためには入社直後の対応が重要であると分析。また、自分の職場を「優しすぎる職場」と感じている20代のビジネスパーソンが多い傾向について、働き方改革の効果の表れではないかと推察している。
『推せる職場』をつくるポイントは『エンゲージメントサイクル』
同社はさらに下記の結果から『推せる職場』では、ポジティブ感情、自己決定感、成長・貢献実感が得られており、エンゲージメントを高めるサイクルが回っている状態だと考察した。
<ポジティブ感情>
『推せる職場』は会社、チーム、仕事のいずれも「ポジティブ感情を持つ」の傾向が他職場と比較して非常に高い結果に。
<自己決定感>
『推せる職場』は、「仕事をやらされている感覚」ではなく、仕事を進める上で「自分で決めているという感覚」である自己決定感が他の職場に比べて高い傾向にある。また「目標設定」「キャリア意向」に対して、より強い相関がみられた。また、「働く時間」「働く場所」は相関が弱まり、重要視されていない様子がうかがえる。
<成長・貢献実感>
『推せる職場』は、成長・貢献実感が共に高い割合を示した。同社によると『優しすぎる職場』『ストイックな職場』では上司からの称賛が「自分の感覚とズレた点を褒められ、響かないことが多い」傾向がある一方『推せる職場』は上司からの称賛が「自分が工夫したり頑張ったりしたことを褒めてくれて、自分の心に響くことが多い」傾向がみられたという。
調査概要
仕事・職場に関するアンケート
調査対象:20代~40代の会社員618名
調査主体:株式会社NEWONE
出典元:“推せる職場”に関する定量調査~“推せる職場”を創るエンゲージメントサイクル~(株式会社NEWONE)
まとめ
本調査では「働きがいを感じ、働きやすい職場」で働くビジネスパーソンほど、自分の職場を『推せる職場』と捉えている傾向が高いことが明らかになった。
「働きがいのある会社」に関する調査・分析を行うGreat Place To Work® Institute Japanが2023年12月に発表したレポートに、職場の心理的安全性が働きがいにポジティブな影響を及ぼすとの調査結果がある(※2)。心理的安全性の高い「働きやすい職場」をつくることで「働きがいを感じられる職場」につながり『推せる職場』となるのではないだろうか。
形骸的な働き方改革とならないよう、本調査結果を参考に改めて自社の「働き方」について見直すきっかけとしていただきたい。
※2 出典元:心理的安全性の高い職場のつくり方 ~働きがい・エンゲージメントの観点から~(Great Place To Work® Institute Japan)