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SaaS企業に勤める人の7割以上が「産休、育休、介護休暇を取得しやすい」と回答【特別休暇の取得動向調査】

2024.06.24

株式会社エムエム総研(本社所在地:東京都新宿区、代表取締役CEO:萩原張広)が運営するSaaSセールス特化型転職エージェント「マーキャリNEXT CAREER」は、SaaS企業に勤める人およびSaaS企業の人事担当者、総勢1032名を対象に「SaaS企業における男女共同参画社会実現に向けた特別休暇の取得動向」に関する実態調査を実施した。調査結果資料の前半として公表された「SaaS業界における男女共同参画社会実現に向けた特別休暇の取得動向」について、概要を紹介する。

調査概要

「SaaS企業における男女共同参画推進動向」に関する実態調査
調査期間:2024年6月7日~2024年6月10日
調査方法:リンクアンドパートナーズが提供するPRIZMAによるインターネット調査
調査人数:1032人
調査対象:調査回答時に①SaaS企業に勤めている人/②SaaS企業の人事担当者と回答したモニター
調査元:株式会社エムエム総研
モニター提供元:PRIZMAリサーチ
出典元: 【SaaS企業の特別休暇取得動向調査】7割以上が「産休、育休、介護休暇を取得しやすい」と回答。(株式会社エムエム総研)

男女共同参画週間にあわせて実施

同社は、毎年6月23日から29日までの1週間に「男女共同参画社会基本法」への理解を深めるために「男女共同参画週間」が実施されていることを受けて、本調査を実施している。

「男女共同参画社会基本法」とは、性別にかかわりなく、個性や能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の形成のための法律である。施行は1999年だが、女性の経済的自立に関する取り組みが遅れていることやライフスタイルの多様化など、人生100年時代における男女共同参画社会の実現には未だ多くの課題があると同社は指摘する。

そこで今回、同社はSaaS企業に勤める人およびSaaS企業の人事担当者を対象に「SaaS企業における男女共同参画推進動向」に関する実態を調査。調査結果を報告する前半の資料として「SaaS業界における男女共同参画社会実現に向けた特別休暇の取得動向」を公表した。

参照:特集 人生100年時代における結婚と家族~家族の姿の変化と課題にどう向き合うか~(男女共同参画局)

SaaS企業の産休・育休制度の取得比率

SaaS企業の産休・育休制度の取得比率

本レポートではまず、勤務先における男女別の産前・産後休業の取得率が報告されている。「わからない」との回答を除けば、女性の産休取得率については「100%」が13.5%で最多となっているが、次いで12.7%が「20%~30%未満」と回答しており、企業によって取得率に隔たりがある実態がうかがえる。また、男性の産休取得率に関しては「わからない」を除くと「〜10%未満」が17.7%で最多、次いで「10%〜20%未満」が11.4%となっている。

育児休業の取得率について、女性では「わからない」を除くと「100%」が11.4%と最多であり、次いで「30%~40%未満」の10.6%と報告された。本調査ではこの結果を踏まえて、SaaS企業に勤めている人とSaaS企業の人事担当者で比較を実施している。その結果、SaaS企業に勤めている人の場合、約3割が「わからない」と回答しつつも、取得率だけ見ると「100%」の13.5%が最も多い。一方で、SaaS企業の人事担当者では「20%〜50%未満」との回答が多く「100%」は9.5%にとどまったという。

男性では「わからない」を除くと「~10%未満」が18.9%と最多で、次いで「10%~20%未満」の11.2%と取得率が低いことが明らかに。女性と同様の比較を実施した結果については、SaaS企業に勤めている人では「~10%未満」の18.5%が最多となり、SaaS企業の人事担当者の場合も「〜10%未満」の19.4%が最多となったことが報告された。

SaaS企業における産休や育休の取得に関する環境

SaaS企業における産休や育休の取得に関する環境

本レポートを見ると「貴社では産休、育休、介護休暇の取得はしやすいと思いますか?」との質問には「とてもそう思う(23.2%)」「ある程度そう思う(52.9%)」「あまりそう思わない(17.7%)」「まったくそう思わない(6.2%)」との回答が寄せられている。

「そう思わない」と回答した人からは「取得しにくい雰囲気がある」「業務が忙しく、休暇自体が取りにくい」「復帰後に部署異動となる場合が多い」などの声が挙げられたという。

続いて「産休、育休、介護休暇の取得において課題と感じることについて教えてください(複数回答可)」との質問には「職場の負担増大(34.6%)」「仕事の引継ぎ、後任(28.5%)」「社内での事例不足(26.4%)」との回答が上位に並んだ。

まとめ

SaaS企業における産休と育休の取得率をはじめ、取得に関する職場の環境など、SaaS業界における男女共同参画社会実現に向けた特別休暇の取得動向を明らかにした本調査。産休や育休については取得率が高いとは言い切れず、職場への負担増大や引継ぎ・後任に加えて、社内での事例不足などが障壁となっていることがわかった。

厚生労働省の「令和4年度雇用均等基本調査」では、女性の育児休業取得率は80.2%、男性では17.13%と報告されている。SaaS企業における本調査結果と比較しても、そう大きな差があるわけではなさそうだ。

休暇制度の充実は、従業員のエンゲージメント向上や離職防止に効果が期待できる。休暇の取得しやすい環境を整備する上で、自社にどのような対応が不足しているのか、改めて考える機会としてみてはいかがだろうか。

出典元:令和4年度雇用均等基本調査 事業所調査 結果概要(厚生労働省)