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管理職の6割がメンバーの業務把握に負担 TONOME調査

2024.07.26

ワークアシストツール「TONOME(トノミー)」を開発提供するTONOME株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 小笠原広大)が、企業の管理職300名とメンバー200名を対象に「マネジメントに対する管理職とメンバーの意識調査」を実施した。働き方の多様化にともなう労務管理やコンプライアンス遵守へのプレッシャーが増大するなかで、難易度と負担が高まる「マネジメント業務」に焦点を当てた本調査。なかでも、チーム運営のカギとなる「業務把握」と管理職に求められる中長期視点での「創造的業務(育成・戦略策定/推進・業務改善・イノベーションなど)」への取り組みについて、調査結果から見えた実態を全3回にわたって報告するという。ここでは第1回として報告されたレポートの概要をお伝えする。

調査概要

調査方法:WEBアンケート
調査対象:企業で働く管理職(部長、次長、課長)/メンバー(係長、主任、一般)
有効回答数:500名(管理職300名、メンバー200名)
調査実施日:2024年6月14日~15日
調査主体:TONOME株式会社
出典元:TONOME株式会社

メンバーの業務把握を重要だと考える管理職は約9割も約6割が負担感

メンバーの業務把握を重要だと考える管理職は約9割も約6割が負担感

同社はまずはじめに、日々のマネジメント業務における基本となる「業務把握」について質問した結果を報告。メンバーの業務状況や進捗状況を把握することは重要だと思うか質問したところ「とてもそう思う(50.0%)」「ややそう思う(37.0%)」と、管理職の約9割がメンバーの業務把握が重要だと認識している回答となったことを明らかにした。

その理由としては「納期順守や目標達成のために、必要とされる具体的な指示/アドバイスをするため(51.0%)」「メンバーの育成のために、タスクの優先順位や進め方をアドバイスするため (46.4%)」「メンバーの適正な働き方を守るために、業務量が適正か把握するため(41.0%)」が上位に挙げられている。

続いて同社は、メンバーの業務状況や進捗状況の把握が、心理的もしくは時間的負担になっているか質問。その結果「とてもそう思う(18.3%)」「ややそう思う(41.3%)」と、業務把握が重要だと認識している一方で、約6割の管理職が業務把握を負担に感じていることが明らかになっている。

管理業務全体の約3割にあたる時間を業務把握に割いている

管理業務全体の約3割にあたる時間を業務把握に割いている

プレイング業務を除いた管理職としての業務(メンバーの業務状況/進捗状況の把握、育成、戦略策定/推進、業務改善、会社への報告業務等)を100%としたときの、「メンバーの業務状況や進捗状況の把握」にかけている割合について、平均時間は管理業務全体の約3割であることもわかったという。

一方で、業務全体を100%としたときの「プレイング業務」にかけている割合については、1割以上の時間をかけている管理職が9割という結果に。管理職の多くがプレイング業務と管理職業務のバランスを取らなくてはならない状況にあることがうかがえる。

さらに、プレイング業務に8割以上の時間をかけている管理職は15.0%にも及ぶという。同社は「管理職が「業務把握」を負担に感じる背景には、そもそもプレイング業務に多くの時間を取られており、管理職業務に割ける時間が限られていることが要因の一つと言えそうです」との推察を示した。

また、メンバーの業務把握に時間がかかる理由については「メンバーの進捗状況は細かく把握し、次のアクションを指示しているため(42.2%)」「メンバーの育成のために細かくヒアリングする必要があるため(30.4%)」「メンバーの業務を把握するツールがなく、都度ヒアリングする必要があるため(28.7%)」が多いようだ。

約4割が業務把握を十分にできていないと感じている

約4割が業務把握を十分にできていないと感じている

次に同社は、メンバーの業務状況や進捗状況を満足に把握できているか質問。「あまり満足に把握できていない(35.0%)」「満足に把握できていない(4.7%)」と、管理職業務の3割の時間を業務把握に費やしていながらも「十分に把握ができていない」と不満を感じている管理職は4割にものぼることがわかった。

その理由としては「メンバーからの主観的な報告により、客観的な把握が難しいため(36.1%)」が最も多いという。同社は「時間をかけてメンバーの業務を把握しようとするものの、メンバーからの報告の正しさへ全幅の信頼を置けずに不満を抱く管理職の姿が浮き彫りになりました」とコメントしている。

まとめ

メンバーの業務把握については多くの管理者が重要視しているものの、心理的・時間的な負担を感じる管理者は約6割に及ぶことが明らかに。さらに、約4割は業務把握が不十分だと感じているという。その理由には「メンバーからの主観的な報告により、客観的な把握が難しいため」がトップに挙げられている。

同社はこうした結果を受けて「管理職の負担を軽減していくためには、まずはデータによる客観的かつ俯瞰的な業務可視化が重要となるのではないでしょうか」と提言した。

管理職としてメンバーの業務を把握することは、業務進行やメンバーの育成などのほか、働き方の適正化においても重要だと考える管理職が多いことも、本調査から明らかになっている。多様化する業務把握の目的を達成するためにも、管理職の業務負担軽減に向けた取り組みは急務と言えそうだ。