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360度フィードバックをより有効に運用するには?導入企業の実態を調査 シーベース調査

2024.10.10

HRサーベイクラウドサービスの株式会社シーベース(本社所在地:東京都新宿区、代表取締役社長:深井幹雄)は、360度評価や多面評価、マネジメントレビューなどと呼ばれる「360度フィードバック」の企業での活用状況の実態を把握するための調査を3年連続で実施し、結果を取りまとめたものを「データでわかる! 360度フィードバック導入状況」として公表した。レポートの一部をご紹介する。

調査概要

調査手法:インターネットリサーチ
都道府県:全国
実施期間:2024年6月28日~7月1日
<スクリーニング調査対象者>
・全国、男女20歳以上
・企業の社員・経営者(人事調査のみ請負社員も対象)
<調査対象者・サンプル数>
①社員調査1000:360度評価(多面評価)を会社が導入、回答者or対象者
②人事調査300:経営・人事業務関与/組織開発・人材開発・人事評価業務関与/サービス導入等に関与
出典元:2024年度版 データでわかる!360度フィードバック導入状況(株式会社シーベース)

大企業ほど進む導入 幅広い活用範囲

大企業ほど進む導入 幅広い活用範囲

本レポートによれば、導入率は全体で6割強におよぶという。従業員が多いほど導入率は高まり、5000名以上の企業では68%が導入済みと報告された。大企業ほど人材個々の状況を可視化するのに活用されているようだ。一方で、300名未満企業でも導入率は5割を超えており、徐々に導入が広がりつつあることがうかがえる。

活用目的としては「人材開発」「組織開発」「人事評価・目標管理」が上位に並んでいる。また「自社社員向け調査連動」や「タイバーシティ活用」との回答も一定数見られており、同社は特定テーマ・施策への展開も進んできているとの考察を示した。

人事担当者・評価対象者それぞれが感じているメリット

人事担当者・評価対象者それぞれが感じているメリット

人事担当者を対象に人材開発・組織開発面で満足していることを尋ねる項目では「気づきの機会」「ハラスメント抑制」「マネジメント層の能力開発」「組織の風通し効果」が、人事制度運用面では「人事評価・目標管理活用」「昇降格での活用」との回答が多く見られた。

また、評価対象者が良いと感じている点としては「社内の縦のコミュニケーションが良くなった」「信頼関係が向上した」「周囲からの評価・フィードバックが受けられる」 「変革への意識が高くなった」 が上位に挙げられている。そのほか、モチベーションやメンタルヘルスへの効果実感が増えてきている様子もうかがえる結果が報告された。

運用方法と実施意義の調査から見えてきたのは

運用方法と実施意義の調査から見えてきたのは

本レポートでは、評価対象者に運用方法を尋ねており「個人別結果のフィードバックをされている」「フォローアップ面談」が上位に挙げられた。「研修実施」は個人別結果フィードバックの3分の1近くにとどまっており「結果を踏まえたアクションプランの策定がある」「アクションプラン継続へのフォロー、サポートがある」といったアクションプランに繋がる運用の実施率は5%未満だったという。

また、対象者全体の意義実感割合は43%となっているが、アクションプラン策定や継続フォロー、結果読み解きフォローや強み・改善点フィードバックがある場合は7割以上が意義を実感することが明らかに。逆に、何も支援がないと意義実感は2割未満となることがわかった。

さらに、施策の継続意向については全体で35.8%が意向ありの回答となっているが、アクションプラン継続フォローありの層では75%以上が継続の意向を示していることも判明している。

まとめ

本レポートでは、360度フィードバックは実施後にアクションプランの策定や継続フォローを行うことの重要性が示唆された。しかし、運用方法を尋ねる項目では、そうした実施後の取り組みを十分に行えている企業が少ない実態が明らかになっている。360度フィードバックを導入・運用する際には、実施後のフォロー体制まで含めた検討が必要そうだ。

オフィスのミカタでは、360度フィードバックを導入する際のステップや注意点、より効果的に行うためのポイントをまとめて紹介している。自社での運用方法の見直しや、今後の導入を検討する際に参考にしていただきたい。

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