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中小企業への人手不足の影響は?業種による違いも フォーバル GDXリサーチ研究所調査

2024.09.30

株式会社フォーバル(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:中島將典)が運営するフォーバル GDXリサーチ研究所は2024年9月30日、中小企業の人手不足への対応について調査した「BLUE REPORT 10月号」を発行。同レポートでは、企業の人手不足が深刻化していると言われる中、中小企業の人手不足状況や事業への影響、人手不足への対策と効果などについて実態を調査。ここでは、発表された結果から一部をお伝えする。

レポート概要

調査主体:フォーバル GDXリサーチ研究所
調査期間:2024年7月8日~8月9日
調査対象者:全国の中小企業経営者
調査方法:ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析
有効回答数:851人
出典:フォーバル GDXリサーチ研究所調べ
※調査詳細は、同研究所 公式サイトから見ることができる

人手不足の影響と対策の状況は?

人手不足の影響と対策の状況は?

全国の中小企業経営者を対象にした本調査によれば、人手不足の状況について「とても不足している(10.2%)」「やや不足している(44.1%)」と、合計で54.3%が人手不足の状況にあることが判明している。

さらに回答数が80社以上の業種に限定した業種別の調査では、建設業での人手不足について「とても不足している」「やや不足している」と回答したのが78.6%となり約8割を占めることもわかった。そのほか製造業では48.9%、卸売業・小売業では39.6%となっており、業種によって人手不足の影響に偏りがある様子がうかがえる。

続いて人手不足への対策に関する項目では「実施している(34.2%)」「実施していないが検討している(29.1%)」「実施しておらず検討もしていない(36.7%)」と、約65%の中小企業が対策を実施していない状況であった。

また、人手不足に関連していわゆる「2024年問題」の影響を受ける「運輸業、郵便業」「建設業」に焦点をあてて、2024年問題による事業への影響を尋ねており、最も回答が多かったのが「特に影響はない」の49.1%であったことが報告されている。そのほかの回答は「人手不足がより深刻化した(24.0%)」「売上・利益が減少した(20.5%)」などであった。

まとめ

人手不足の状況について、業種によってもその影響度合いが異なる実態が明らかとなった。特に建設業においては約8割が人手不足の状況にあるという。一方で2024年問題に対しては「運輸業、郵便業」「建設業」の約半数が影響はないと回答しており、これらの業種の人手不足は制度改正等の影響というよりは以前からの課題となっていると推察できる。

現状人手不足の影響を受けていない企業においても、既存社員の離職防止に向けた取り組みへの注力は必須といえそうだ。また、影響を受けている企業では、採用活動の強化や、労働環境の見直しなど、早急な対策の実施が求められるだろう。