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給与のデジタル払い「利用したくない」が70% エン・ジャパン調査

2024.11.22

エン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営する総合求人サイト『エン転職』上で、ユーザーを対象に「給与のデジタル払い」についてアンケートを実施した。

調査概要

調査方法:インターネットによるアンケート
調査対象:『エン転職』(https://employment.en-japan.com/)を利用するユーザー
調査期間:2024年9月26日~10月28日
有効回答数:4830名
出典元:4800人に聞いた 「給与のデジタル払い」に関する意識調査 ー『エン転職』ユーザーアンケートー(エン・ジャパン株式会社)

70%が給与のデジタル払いを「利用したくない」と回答

70%が給与のデジタル払いを「利用したくない」と回答

本調査ではまずはじめに「給与のデジタル払い(※)についてご存知ですか?」について質問。64%が「知っている(よく知っている:8%、概要は知っている:56%)」と回答したという。

続いて「給与のデジタル払いを利用したいですか?」との質問には、15%が「利用したい(とても利用したい:3%、利用したい:12%)」と回答し「利用したくない(あまり利用したくない:42%、利用したくない:28%)」が70%という結果になっている。

年代別で見ると「利用したい」の回答は「20代(23%)」「30代以上(30代:14%、40代以上:14%)」と、若い人のほうがデジタル払いに肯定的な意向を示していることが明らかになった。

※2023年4月から解禁され、”〇〇pay”など決済アプリや電子マネーで、企業が社員に給与を振り込むことができる制度

利用したい理由と利用したくない理由のトップ3

利用したい理由と利用したくない理由のトップ3

次に本調査では、給与のデジタル払いを「利用したい」と回答した人を対象に理由を尋ねている。その結果、トップ3には「キャッシュレスで生活しているから(52%)」「銀行口座から現金を引き出す際の手数料が不要になるから(51%)」「アプリ・電子マネーへのチャージの手間が省けるから(45%)」が挙げられたという。

逆に、給与のデジタル払いを「利用したくない」と回答した理由については「銀行口座への資金移動が面倒だから(49%)」「アプリ・電子マネーへのチャージは自分でしたいから(34%)」「アプリ・電子マネーが使える店舗でしか買い物できないから(30%)」が上位に並んでいる。

「銀行口座への資金移動が面倒だから(20代:40%、40代以上:52%)」「アプリ・電子マネーのセキュリティが不安だから(20代:14%、40代以上、24%)」「無駄遣いしてしまいそうだから(20代:27%、40代以上17%)」については、年代別で10ポイント以上の差があったことも報告された。

「どんな条件が揃えば、今後“給与のデジタル払い”を利用してもよいと思いますか?」との質問に対して、最も多く回答が集まったのは「出金にかかる手数料の無料化(20代:61%、30代:65%、40代以上:60%)」となっている。

転職先を選ぶ上で給与のデジタル払いは志望度に影響する?

転職先を選ぶ上で給与のデジタル払いは志望度に影響する?

次に本調査では「現在お勤めの会社では、“給与のデジタル払い”は導入されていますか?(離職中の方は、直近お勤めの会社についてお答えください)」と質問。71%が「まったく検討されていない」と回答したことが明らかになった。

続いて「転職先を選ぶ上で“給料のデジタル払いOKの企業”についてどう思いますか?」との質問には、転職先として志望度が「上がる(8%)」に対し「下がる(21%)」が13ポイント高い結果となったことも報告されている。

まとめ

2023年4月に解禁された給与のデジタル払い。導入には否定的な意見が多いのが現状のようだ。転職先としての志望度にもマイナスの影響の方が大きい調査結果となっており、導入には慎重な検討が必要だと考えられる。

また、デジタル払いを導入すれば、希望する従業員のみの対応となるため、デジタル払いと従来の口座振込と、2つの方法での給与支払いを行う可能性がある。担当者の業務負担が増加することも懸念され、導入に消極的な企業も多いだろう。

導入する場合は、対応しているシステムも併せて導入する必要がありそうだ。調査結果も参考に、今後の対応について改めて検討していただきたい。

参考:資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)について(厚生労働省)