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企業選びの重要事項に変化!?安定志向が進み、勤務地重視率は過去最高 リクルートMS調査

2024.11.29

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:山﨑淳、以下、リクルートMS)は、2025年度卒として就職活動を行った大学4年生・大学院2年生1117名に対して「2025年新卒採用 大学生の就職活動に関する調査」を実施し、その調査結果を公表した。

調査概要

調査対象:2024年度卒として就職活動を行った大学4年生・大学院2年生
調査期間: 2024年6月~7月
調査方法:インターネット調査
調査人数:1117名
出典元:2025年新卒採用 大学生の就職活動に関する調査(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)

インターンシップ・仕事体験に参加する学生が増加

インターンシップ・仕事体験に参加する学生が増加

本調査結果を見ると、25卒でインターンシップ・仕事体験に参加した学生の割合は23卒・24卒よりも増え、8割となっている。インターンシップ・仕事体験への参加理由としては「仕事内容を知りたかった・体験したかったから(73.3%)」「社員の人柄や職場の雰囲気を知りたかったから(54.3%)」に多くの回答が集まっている。

また「インターンシップ・仕事体験の選考を通じて本選考の練習をしたかったから(34.6%)」「本選考への優遇措置があったから(26.3%)」との回答も寄せられたことが報告された。

なお、インターンシップ・仕事体験に参加した会社の本選考にエントリーしなかった理由としては、「仕事内容が自分に合わないと感じたから(34.8%)」「社員の人柄や社風が自分に合わないと感じたから(26.4%)」「入社後のキャリアイメージがわかなかったから(24.2%)」などが多いようだ。

仕事に求めること「安定」「貢献」「金銭」「成長」が上位

仕事に求めること「安定」「貢献」「金銭」「成長」が上位

続いて本調査では、仕事に求めることについて質問。上位には「安定(42.6%)」「貢献(31.1%)」「金銭(30.0%)」「成長(29.8%)」が挙げられたという。

同社はこの結果について、2020年卒から6年分の結果を比較。上位に来ている「安定」「貢献」「金銭」「成長」に目立った変化はなかったことを報告した。しかし経年でみると「貢献」「成長」の重視度がわずかに下がっており「安定」との選択率の差が広がっているようだ。

また、内(々)定企業に応募したきっかけとして最も選ばれたのが「希望する勤務地で働けそうだから(68.5%)」で、20卒以来最高値だったことも判明。次いで「業界に興味があったから(66.1%)」が続くが、経年でみると選択率は低下しているという。

志望度の向上に影響したのは「面接」と「インターンシップ」

志望度の向上に影響したのは「面接」と「インターンシップ」

次に本調査では、選考過程においてどのような場面が学生の志望度向上に影響したかを確認。最も影響が大きかった場面としては「面接(22.1%)」「インターンシップ(20.0%)」と考える学生が多いようだ。

また、応募企業への志望度向上に影響を与えたこととしては「自分がこの企業で働くイメージを持つことができた(39.0%)」「就職先として自分に合っているかを検討するのに有効な情報が得られた(31.1%)」との回答が多く選ばれている。

同社は20卒からの経年の傾向として「採用活動における各種のやりとり(合否連絡等)が手際よく迅速だった(18.0%)」の選択率が伸びたことを挙げた。また「自分のことをよく理解しようとしてくれた(22.0%)」の選択率は上位にあるものの、下降傾向にあることも報告している。

内(々)定受諾の最終的な決め手「やりたい仕事ができる」

内(々)定受諾の最終的な決め手「やりたい仕事ができる」

続いて同社は、内(々)定受諾の判断の際に重要なこととして「やりたい仕事(職種)ができる(15.8%)」が最も多く選ばれたことを報告。2番目に多く挙げられた「社員や社風が魅力的である(10.3%)」については、経年でみると減少傾向だという。選択率が上昇したものとしては「入社後のキャリアを具体的にイメージできる(4.8%)」「労働時間や勤務スタイルに魅力がある(3.8%)」などがあるようだ。

なお、就職活動を通じて「軸(就職先を決断するにあたって大事にしたいこと)」が明確になったとする人は8割で、明確になった時期は「自己分析を通じて(34.7%)」と回答する人が多かったという。

また本調査では、入社意向の低下に最も影響を与えることについても質問しており「入社前に勤務地がわからない(66%)」がトップに挙げられたことが報告された。

まとめ

本調査結果を受けて同社は、2025年卒の就職活動の特徴として「安定志向」が強まっていると解説。同社がこれまで調査を実施してきた中で、学生が仕事に求めることのトップ3に「金銭」がランクインしたのは初めてのことだという。

また、入社の決め手としてトップに挙げられた「やりたい仕事(職種)ができる」についても、選択率は過去最高に。社員や社風の魅力、企業特性などに関する項目は低下傾向にあるとして、同社は学生らが企業を選ぶ際に重視することが変化していると指摘する。

採用担当者はこうした学生の志向の変化を知り、それに応じて採用活動も変化させていく必要があるだろう。インターンシップ・仕事体験に参加する学生が増加しており、そこで入社後のキャリアイメージが明確にならなければエントリーに進まない傾向にあることも判明している。仕事内容や社風を伝えるばかりでなく、学生らが入社後をリアルにイメージできる機会を提供できるような工夫が必要だろう。