地方へのU・Iターン転職、どんな条件が整えばしたい? リンク・アンビション調査
地方へのUターン・Iターンを中心とした転職支援・地方企業の採用支援を行う株式会社リンク・アンビション(本社:静岡県)は「地方へのUターン・Iターンを伴う転職の阻害要因」についてのアンケート調査を実施。人口減少の影響を緩和するためには、企業誘致や関係人口施策、自治体の民間との連携のあり方など、地方への興味関心や、移住に対する潜在的なニーズを顕在化させることが重要だとの考えのもと、U・Iターン転職を考える人々の本音を探っている。
調査概要
調査方法:インターネット調査
調査主体:株式会社リンク・アンビション
アンケートモニター提供先:外部調査会社
集計期間:2024年10月~11月
調査対象者:25歳~50歳
有効回答人数:600名
出典元:株式会社リンク・アンビション
U・Iターン転職への関心と実行への障壁
本調査ではまずはじめに、U・Iターン転職における活動状況について質問。「いつかはしたい(24.3%)」「したことがある(16.7%)」を合わせると、約40%が地方へのU・Iターン転職に関心を寄せていることがわかる。一方で約6割が「するつもりはない(59.0%)」と回答したことも報告された。
U・Iターン転職をしない理由として多く挙げられたのは「魅力的な会社や仕事がない(37.0%)」「年収を下げたくない(32.3%)」「今の職場が好き、必要性を感じない(29.8%)」などであった。
同社はさらに「魅力的な会社や仕事がない」について具体的な回答を求めたところ、「希望する職種がない(44.1%)」「希望する業界がない(38.3%)」が上位に並んだという。なお、希望する業界としては「メーカー」「IT・インターネット」が、職種としては「管理(財務・経理・内部監査・法務・総務)」「プロジェクト管理/IT技術者(エンジニア)/ITコンサルタント」が多く挙げられている。
求める労働条件や環境は?
次に同社は、U・Iターン転職をしない理由として挙げられた労働条件や環境に関する項目について具体的な回答を求めている。
まず「休日休暇が少ない」を理由に挙げた人では、約8割が「年間休日120日以上」を望んでいることが明らかに。また「職場・組織が整備されていない」と回答した人では、半数以上が「社内の雰囲気が良い」「会社や組織の目標やビジョンが明確」「インプットが多い」と回答。そのような職場・組織であれば、U・Iターン転職をしたいと考えているようだ。
「労働環境が整備されていない」ことが理由となっている人が望む環境としては、「休暇を取得しやすい(57.9%)」「リモート、在宅勤務、モバイルワーク勤務(50.9%)」「賃金テーブルが明確である(49.1%)」などが多く挙げられた。
また「福利厚生・手当」については半数以上が「通勤/住宅/財産形成」などの手当の充実を求めていることも判明している。なお「キャリア形成」については「ワークライフバランス重視(62.5%)」が6割を超えるものの「高度な知識・スキル・専門性の向上(42.9%)」を求める人も少なくないようだ。
さらに「年収を下げたくない」と考えている人のうち、8割以上が「年収600万円以上」を地方へのU・Iターン転職を検討する基準としていることも判明した。
まとめ
本調査によって、U・Iターン転職への本音が明らかになった。日本全体で人口の減少が進む中、地方の企業にとってU・Iターン転職の促進は人材獲得のため重要な取り組みのひとつとなる。自社の魅力を十分に伝えることはもちろん、労働環境や福利厚生、働き方などを見直すことも必要ではないだろうか。
同社は本調査結果を受けて、U・Iターン転職者をひき付ける取り組みの例として「「応募者を集める」という視点だけでなく、「自社を知ってもらい、共感してもらう」という長期的な視点をもった継続的なコミュニケーションを行う」ことなどを提言しており、こうした取り組みはU・Iターン転職者以外に対しても効果がありそうだ。今後の採用活動の参考にしていただきたい。