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2024年11月の全国企業倒産集計、31カ月連続で前年同月を上回る834件に TDB調査

2024.12.10

株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、2024年11月の企業倒産件数(負債1000万円以上の法的整理が対象)について集計し、分析を行った。ここでは分析の主要ポイントについて紹介する。

調査概要

集計期間:2024年11月1日~11月30日
発表日:2024年12月9日
集計対象:負債1000万円以上法的整理による倒産
集計機関:株式会社帝国データバンク
出典元:倒産集計 2024年 11月報(株式会社帝国データバンク)

11月時点で年間件数が2015年以降最多

11月時点で年間件数が2015年以降最多

TDBによると、2024年11月の倒産件数は834件となり、前年同月の773件を7.9%上回っている。これで月間の倒産件数は31カ月連続で前年同月を上回ったことになる。11月としては2013年(820件)以来の800件超えで、2024年1-11月の累計件数は9053件に。年間件数は11月時点で2015年以降最多件数となったことが報告された。

業種別にみると、7業種中4業種で前年同月を上回り、中でも前年同月から12.8%増加した「サービス業(221件)」が最も多いという。また、資材価格や人件費の高騰による影響を受けて、「建設業」の「設備工事」が前年同月の26件から43件まで増加している。

負債総額は1522億4400万円(前年同月881億5000万円、72.7%増)と、4カ月ぶりに前年同月を上回ったことが報告されている。100億円を超える大型倒産が2件発生し、負債総額を押し上げたようだ。

またTDBは注目の倒産動向として下記の4点の動向を紹介している。

「ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産」 :55件発生、1-11月累計は682件で過去最多
「人手不足倒産」 :24件発生、年間件数は初めて300件超で過去最多
「後継者難倒産」 :46件発生、年間件数は2年連続で500件超
「物価高倒産」 :82件発生、年間件数は877件で過去最多

まとめ

TDBによれば、31カ月連続で倒産件数が前年同月を上回ったのは、1990年10月~1993年4月と並び、過去最長タイの連続増加記録だという。コロナ関連支援策の縮小・終了に加え、物価高、人手不足と、厳しい状況が続いていることが背景にあるだろう。

年末に向けて資金需要が高まるこの時期は、小規模事業者にとって倒産リスクがより高い時期となる。今後の見通しとしてTDBは2024年の年間合計が1万件台になる可能性もあると指摘した。

追加利上げや賃上げといったマイナス面の影響も広がりを見せており、2025年も外部環境の好転にはあまり期待できそうにない。中小企業の収益改善としては、価格転嫁をどこまで進められるかが大きなポイントとなるだろう。