2024年上半期の賃上げ率は平均+1.7%に Indeed Japan調査
Indeed Japan株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:大八木紘之)は、20歳~59歳の正社員の男女計2400名を対象に「賃上げに関する意識調査」を実施。継続的な物価高と人手不足感から2024年の春闘では33年ぶりの高水準の賃上げとなった中、働く人々全体における2024年4月以降の賃上げの実態や賃金上昇に対する意識を明らかにした。
調査概要
調査主体:Indeed Japan株式会社
調査対象:現在就業中の20~59歳の正社員(勤務先の従業員規模が2名以上、現在の勤務先の勤続年数が満1年以上、勤務先の事業年度の開始が4-8月の間) 男女計2400名
割付方法:性別×年代(10歳刻み)×勤務先の従業員規模別に均等回収
補正:「令和4年就業構造基本調査」を用いて、性年代・従業員規模別の構成比にあわせて補正
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年8月26日~8月28日
出典元:正社員を対象に「賃上げに関する意識調査」を実施(Indeed Japan株式会社)
※構成比(%)差分(pt)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合や、少数第1位までの計算とは数値が異なる場合がある
賃上げに対する意識と実態
同社によれば、正社員が2023年度に想定していた2024年度の想定賃上げ率は平均+1.56%だったのに対して、実際の2024年度上半期の賃上げ率は平均+1.73%となり、0.17pt差と大きな乖離はなかったという。
2024年度上半期に賃上げがあった人は51.9%で、その中での賃上げ率は平均+3.6%。このうち賃上げ率に対して満足している人は49.7%と半数以下に。
同社は次回の賃金改定における希望賃上げ率について、2024年度上半期の実際の賃上げ率の4.4倍となる平均+7.6%(+2.3万円/月)となったことを報告した。
年代別の分析では、最も希望賃上げ率が高かったのは40代で、平均+7.9%(+2.6万円/月)の希望となったことが判明。同社によれば、実際の賃上げ率と希望賃上げ率の差が最も大きかったのも40代(実際+1.7%、希望+7.9%で6.2pt差)だという。
賃上げを希望する理由としては、全世代共通で「物価上昇によって生活費の負担が増えているから(全体45.0%)」がトップに挙げられている。
また同社は、賃上げに向けて取り組もうとしていることについても調査。「仕事で成果を出す(35.0%)」との回答が最多となった一方で「特に何もしようと思わない(30.9%)」との回答が2位にランクイン。賃金への成果の反映を諦める人も多いようだ。
まとめ
賃上げに対する理想と実態に大きな差があることが明らかになった。こうした状況が影響したのか、賃上げに向けて「特に何もしない」という選択肢を取っている人も少なくないようだ。
エネルギー高騰や物価上昇など、企業にとっても賃上げの原資を確保するにも厳しい状況ではあるだろう。しかし一定の賃上げを実施することは、従業員のモチベーション向上に欠かせないとも言える。中小企業においては適正な価格転嫁の実施など、賃上げに向けた取り組みにより注力していく必要がありそうだ。