2026年飲食料品値上げ動向、5年連続で累計1万品目超 TDB調査
株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、2026年における飲食料品の値上げ動向と展望・見通しについて分析。2026年通年(10月までの公表分を含む)の飲食料品値上げ品目数累計は、6月1日までの集計分で少なくとも1万1157品目となったことを報告した。
飲食料品の値上げ、年間累計1万品目超え
TDBによると、主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした2026年通年の飲食料品値上げ品目数の累計(1~10月までの判明分)は、6月1日までの集計分で少なくとも1万1157品目。調査を開始した22年以降、5年連続で年間1万品目を超えることが確実となった。
中東情勢の影響を受けて、夏以降に値上げされる品目数が増加。6月は2カ月ぶりに単月で1千品目を上回ったほか、7月は3カ月ぶりに2千品目を上回る値上げラッシュとなる見通し。8月は前年実績を既に上回っており、7月と同様に2千品目を超える可能性があることが報告されている。
値上げ分野は「加工食品」、要因は「包装・資材」が過去最高水準
食品分野別の集計では「加工食品」が4179品目で最も多いことが判明。前年の通年実績値(4791品目)の約9割に達し、年間では前年を上回る見通しとなっている。最も少ないのは「乳製品」の64品目。原料乳の価格据え置きなどを背景に値上げが比較的抑制されているものの、足元では飲料用紙パックの値上げなど包装・資材コストや輸送費、人件費など各種コストも上昇している。
TDBは中東情勢悪化による影響が長期化した場合には「パック牛乳を中心に本体値上げや容量変更といった動きが活発化する可能性はある」とみている。
「包装・資材」由来の値上げは全食品の7割を超え、過去最高水準で推移。エネルギーや物流費、原材料コストも一斉に上昇しており、販売価格への転嫁が避けられない情勢だ。7~10月実施を中心に引き続き価格改定に踏み切る飲食料品が表面化する見通しとなっている。年間では1.5~2万品目台への到達も想定されており、前年並みの水準となる可能性もあるという。
出典元:「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年6月速報(株式会社帝国データバンク)
※品目数および値上げは、各社発表に基づく。また、年内に複数回値上げを行った品目は、それぞれ別品目としてカウント
※値上げ率は発表時における最大値を採用した。なお、価格据え置き・内容量減による「実質値上げ」も対象に含む
まとめ
飲食料品の値上げが年間累計で5年連続1万品目超となり、構造的な物価上昇局面にあることが改めて示された。短期的なコスト管理や従業員支援だけでなく、中長期的な経営基盤の強化の重要性は、より高まっていると考えられる。
特に、包装資材や物流費など値上げ要因が多様化する中、従来の予算計画や原価管理の前提を見直す必要があるだろう。また、継続的な価格改定が市場全体で常態化するなか、自社の収益構造や価格戦略を定期的に検証し、取引先や顧客との適切な価格交渉を進めることも重要となる。
バックオフィス部門には、変化するコスト環境を可視化し、経営判断を支えるデータ基盤の整備と迅速な意思決定のサポートがこれまで以上に求められる。今後の動向に注目したい。












