「106万円の壁」見直しで半数以上が業務負担増加を懸念 jinjer調査

クラウド型人事労務システム「ジンジャー」を提供しているjinjer株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:桑内孝志)は、企業の経営層・人事担当者の計360名を対象に「年収の壁見直しに伴う業務負荷」に関する調査を実施。「106万円の壁」見直しにより、人事・労務担当者に新たな業務負荷が発生する可能性があることから、その実態を明らかにした。調査結果の一部を抜粋して紹介する。
調査概要
調査概要:「106万円の壁」見直しに伴う業務負荷に関する実態調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年2月19日~同年2月22日
調査対象:企業の経営層・人事担当者の計360名
出典元:jinjer株式会社
約65%が影響を受ける可能性

本調査結果を見ると「106万円の壁」の影響を受ける可能性があるパート・アルバイトについて「一部いる(39.4%)」「半数程度いる(15.3%)」「多くのパート・アルバイトが該当する(10%)」との回答が寄せられており、合わせて約64.7%が影響を受ける可能性があることが明らかになった。
なお「106万円の壁」に関連する業務である「給与計算の方法」「年末調整の書類収集方法」「年末調整の計算方法」については、いずれも「クラウドシステム」を活用している企業が最も多いという。
また「106万円の壁」に該当した従業員に関する「社会保険手続きの申請方法」については「e-Gov対応のクラウドシステムから申請(21.9%)」との回答が最も多くなっている。
半数以上が「106万円の壁」の見直しで業務負担増加を懸念
続いて本調査では「106万円の壁」への対応に向けて、負担が増加すると思う業務について質問。「従業員からの問い合わせ対応(39.4%)」「給与計算ミスがないかの確認(36.4%)」「パッケージソフトや自社システムの法改正対応(30%)」「年末調整の書類チェック/計算(29.4%)」といった回答が上位に挙げられている。
同社は本結果についてクロス集計を行っており「106万円の壁」の影響を受ける可能性があるパート・アルバイトの割合について「半数程度いる(15.3%)」や「多くのパート・アルバイトが該当する(10%)」と回答した企業では、従業員からの問い合わせ対応や給与計算ミスの確認、さらに資格取得届や第3号被保険者関係届等の社会保険手続きに関する業務負担の増加を懸念する声が多く見られたことを報告した。
また「106万円の壁」の見直しに伴い、今後業務負担が増加すると思うか尋ねる項目ではは「大幅に増える(12.5%)」「やや増える(41.4%)」を合わせて53.9%が、その可能性を懸念していることが判明。そのほかの回答割合は「変わらない(26.9%)」「やや減る(3.6%)」「大幅に減る(2.2%)」であった。
まとめ
「106万円の壁」が見直されることにより、企業の人事・労務担当者は半数以上が新たな業務負担の増加を懸念していることが明らかになった。特に「従業員からの問い合わせ」が増加すると考える人が多いことから、担当者はまず法改正の内容について正しく理解する必要がありそうだ。
また、対象者が多い企業では、社会保険手続きに関する業務負担の増加が懸念されているようだ。効率的に対応を進められるよう、業務体制や活用ツールの見直しを検討してみてはいかがだろうか。
参考:社会保障審議会(年金部会)(厚生労働省)