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賃上げ疲れを感じる約8割の企業が初任給引き上げ エデンレッドジャパン

2025.04.22

株式会社エデンレッドジャパンは、2025年の春闘において5%を超える高水準の賃上げが実現した一方で、賃上げの継続による企業経営への負担感が広がっていることを受け、賃上げを実施する予定の経営層および人事担当者を対象に「賃上げ疲れ」の実態調査を実施した。

調査概要

調査名:賃上げ疲れ実態調査2025
調査主体:株式会社エデンレッドジャパン
調査方法:WEBアンケート方式
調査期間:2025年4月11日~2025年4月15日
調査対象および有効回答数:2025年に賃上げを実施する企業の経営者・人事担当者 514名
出典元:エデンレッドジャパン『賃上げ疲れ実態調査2025』
※本調査では従業員数300人以上を「大企業」300人未満を「中小企業」として集計

約8割が感じる「賃上げ疲れ」 その影響は?

約8割が感じる「賃上げ疲れ」 その影響は?

同社の報告によると、ここ数年の春闘の結果を受けて、賃上げ圧力を「とても感じた/やや感じた」と回答した人は全体の72.5%にのぼり、そのうち88.2%もの企業が自社の賃上げ率に影響があったと回答したという。

そうした中、継続的な賃上げによる企業経営への負担(賃上げ疲れ)については、77.0%が「とても感じている/やや感じている」と回答。その影響として「企業収益の圧迫(68.7%)」「事業への投資抑制(33.1%)」などがあるという。同社はこの結果を受けて、実に3社に1社が賃上げが単なる人件費増にとどまらず、企業の成長戦略や中長期的な経営判断にも影響を及ぼしている実態があると指摘した。

「賃上げ疲れ」感じる企業の8割が初任給を引き上げ

「賃上げ疲れ」感じる企業の8割が初任給を引き上げ

続いて同社は、賃上げ疲れを感じている企業のうち、新卒採用を行っている企業に対して、2025年度の初任給水準を引き上げたか質問。その結果、79.8%が「引き上げた」と回答したことを報告した。企業規模別にみると「大企業:86.1%」「中小企業:73.8%」といずれも高い割合を示していることがわかる。

初任給を引き上げた理由については「応募数の確保・辞退防止(79.6%)」「同業他社との競争力強化(44.8%)」が上位に挙げられたという。

賃上げ疲れへの対策と今後の賃上げ継続の見込み

賃上げ疲れへの対策と今後の賃上げ継続の見込み

なお、賃上げ疲れへの対策としては「コスト削減の徹底(47.2%)」「生産性向上に向けた取り組み(46.5%)」などが多いようだ。さらに「雇用形態の見直し(非正規・外注の活用など)(29.3%)」を挙げる企業も一定数みられている。

同社は最後に、2026年度の賃上げ継続の見込みについて質問。その結果「確実に継続できる/おそらく継続できる(59.1%)」と回答した企業は全体で6割に迫ることが明らかになった。企業規模別では、大企業は68.3%が継続の見込みを示した一方で、中小企業は52.9%にとどまっており、企業規模によって持続性の差がみられている。

まとめ

春闘による「賃上げ圧力」を感じる企業や、賃上げによる企業経営への負担を感じる企業が多く存在していることが明らかになった。また、賃上げは企業収益の圧迫だけでなく、成長投資にも影響を及ぼしていることが判明している。

一方で、新卒採用競争への対応として初任給引き上げを実施する企業は多く、人材確保が最優先課題となっている様子もうかがえる。コスト削減や生産性向上への取り組みで、どこまで賃上げ疲れをカバーできるかが、人材確保の成否にも関わってきそうだ。

同社はより持続可能な形での従業員支援が求められるフェーズにあるとして、給与以外の手段も含め、非金銭価値の見直しが重要だと提言した。改めて自社での今後の方針や取り組みを見直す機会としていただきたい。