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若手・中堅の離職意向は3年目と5~7年目に高まる傾向 リクルートMS調査

2025.08.05

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都港区 代表取締役社長:山﨑淳)は、新卒で企業に入社した1~12年目の若手・中堅社員を対象として「組織適応」に関する実態調査を2025年2月に実施。離職やキャリア停滞のリスクが高まる3年目と5~7年目の時期に注目し、適応状況や働く上での価値観との関係性を分析した。

調査概要

若手・中堅社員の組織適応に関する現状把握調査(2025)
調査日: 2025年2月
調査手法:インターネット調査
対象者:従業員規模500人以上の企業に新卒で入社した大学卒・大学院卒の正社員で、現在もその企業に勤めている入社1年目~12年目までの従業員(男女)
有効回答数:2,110名
調査内容:離職意向、キャリア発達の見通し、目指すキャリア像の設定、ジョブクラフティング、メンターの存在、上司の関わり、成長に繋がる経験、キャリア形成に対する考え方、仕事と生活の優先度、成長に対する考え方、管理職志向、エキスパート職志向など 計142問
出典元:「若手・中堅社員の組織適応に関する現状把握調査(2025)」の結果を発表(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)
※離職者のデータは含まれていない、同一の集団を縦断的に追いかけたものではないという制約のなかで、調査結果が入社年次による傾向の違いを反映しているという前提に立って解釈

「仕事への価値観 × キャリア形成のタイプ」で組織適応の状況が変わる

「仕事への価値観 × キャリア形成のタイプ」で組織適応の状況が変わる

本調査結果を見ると、3年目と5~7年目に離職意向が高まる傾向にあることがわかる。3年目は仕事領域が急拡大する中で、独り立ちが求められて負荷が増加するタイミング。5~7年目は領域拡大が止まる中で、成長の展望を持ちにくくなることによる停滞が起こりやすい。同社はこれらの理由が離職意向が強まる要因と分析している。

また、本調査では働く上での価値観が組織への適応に影響していることも明らかになった。若手・中堅社員の価値観は「生活重視」が75%で、「仕事重視」の25%よりも多い。この結果をキャリア形成に対するタイプ分類、「現在起点型」「目標志向型」と組み合わせて分析した結果、同社は「組織適応に違いがみられる」と考察している。

「現在起点型」はキャリア形成を、目標を定めずに今できることに懸命に取り組もうとするタイプ。対して「目標志向型」は現実的な目標を定め、実現を目指していくタイプだ。

「仕事重視」の場合、入社5年目前後までは「現在起点型」のタイプの組織適応のよい状況を示している。しかし5年目以降は「目標志向型」が逆転。一方で「生活重視」の場合は、入社年次に関係なく一貫して「目標志向型」の方が組織適応の状況がよいことがわかった。

同社は本調査結果を受けて「先手を取った育成や関わりが、離職、停滞、静かな退職を抑止するカギになる」と分析。将来的に必要となる経験を意図的に前倒しすることや、適切な時期に目標志向型アプローチへの転換を先導する関わり方について提言した。

まとめ

本調査結果からは、若手・中堅社員にとって3年目と5〜7年目が定着の壁になっている様子がうかがえる。また、仕事への価値観とキャリア形成に関する考え方との関係性も明らかになり、それぞれの価値観に応じた関わり方が重要になることが示唆された。

特に、生活重視の価値観で働く若手・中堅社員に対しては、早い段階で「目標志向型」のアプローチを取り入れることが、仕事への適応状況を改善するカギとなる。育成や定着支援の取り組みや強化の施策にぜひ、参考にしたい。