55歳以上のモチベーション「役に立っている実感」が影響 JCD調査
株式会社JTBコミュニケーションデザイン(以下:JCD)ワーク・モチベーション研究所は、 シニア層本人およびシニア社員を部下に持つ管理職層を対象に「働くシニアのモチベーションと上司からの評価に関する調査」を実施。定年前後でのモチベーションや役割の変化、管理職との意識のギャップを明らかにした。一般的な「60歳以上」というシニア層のイメージにとどまらず、実際には役職定年や処遇変更、キャリアの転機が55歳頃から始まる企業も増えていることを踏まえ、本調査では「55歳以上」をシニアと定義している。
調査概要
調査方法:インターネットリサーチ
調査地域:全国
調査対象:本調査644人(事前調査5000人から抽出)
◼️シニア本人:事前調査で、55歳以上かつフルタイム勤務をしていると回答した436人
◼️管理職:担当部門の中に55歳以上の社員がいると回答した管理職208人
実施期間:2026年1月22日〜26日
出典元:働くシニアのモチベーションと上司からの評価に関する調査(株式会社JTBコミュニケーションデザイン)
定年2年前の層にモチベーション低下傾向
本調査ではシニア本人の仕事へのモチベーションを、定年までの年数で比較。その結果「定年まであと2年以下」の層は、他の年代層と比べて「モチベーションが高い人の割合」が低い傾向にあることがわかった。一方で「再雇用・勤務延長となり2年以下」の層では、モチベーションが高い人が42.3%と、定年を境にモチベーションに変化が見られている。
また、再雇用後のシニアでは、報酬が減額されるほどモチベーションが低下する傾向があることも可視化された。特に、報酬の減額が1〜2割程度に抑えられている層では、「モチベーションが高い人の割合」が半数を超えるという。
「役に立っている実感」がモチベーションを高める
さらに「自分の居場所がある」層ではモチベーションの高い人が57.1%に及び「自分の居場所がない」層の8.5%に比べ高い割合を示している。「今所属する部門は、人間関係がよい」層でも「モチベーションが高い」と回答する人は55.6%と半数以上となった。
そのほか「直属の上司は、相談がしやすい」層や「今の仕事に、私の知識や能力、経験が活かせている」または「仕事をする中で、相手から感謝されたり喜ばれたりすることがある」と回答した層でも、モチベーションが高い傾向にあるという。
なお、仕事へのモチベーションを支えていることとしては、モチベーションが高い層では「自分が役に立っていると感じられる(43.2%)」が最も高い割合を示している。一方で、モチベーションが低い層では「報酬がもらえる」「ほかにしたいことがない」といった外発的・消極的な理由が上位を占めたことがわかった。
上司から見たシニアの課題は「成果」と「柔軟性」
続いて、担当部門の中に55歳以上の社員がいる管理職208人に、部門に所属する55歳以上の社員の中から1人を選んでもらい、その人に対する評価を調査。
モチベーションや仕事ぶりへの評価としては「やりがいを感じていると思う(42.8%)」「職場で良い人間関係を築いている(58.7%)」といった声が挙がった。一方で「期待されている成果を出している(45.7%)」「変化に対して柔軟に対応している(45.2%)」については、それぞれ半数を割り、仕事の成果や柔軟性に関しての課題感がうかがえる。
また、シニアが「今果たしている役割」については「メンバーの一員として業務を遂行すること(39.4%)」が最多回答となった。一方で、上司が「もっと意識してやってほしい」と期待する役割は「知識や技術を次世代に継承する(30.3%)」ことが最多に。シニアの役割について、現実と期待にはギャップがあるようだ。また「独自の着眼点や改善案などで新たな視座を示したり、効率化を推進する」についても、現実5.8%、期待15.4%と約3倍のギャップが見られている。
シニア本人の意識としても、自分が職場で果たしている役割について「メンバーの一員として業務を遂行する(53.4%)」が最も高い割合を示しており、上司と同様の実感があるようだ。
まとめ
人手不足を背景に、シニア世代の活躍が組織運営や生産性向上において重要度を増しつつある。経験豊富なシニア世代のモチベーションを、いかに高く保つかは経営戦略のひとつ、といっても過言ではない。
本調査では、管理職がシニア世代に寄せる期待と現実には大きなギャップがあることも判明している。ポテンシャルを十分に発揮し、企業が「担ってほしい」と願っている役割を十分に果たしてもらえるような、環境の整備やコミュニケーションを図っていきたい。













