【第1回】いまさら聞けない総務のあれこれ!?シリーズ~工事区分って何でしたっけ?~
総務ではオフィスの移転や日常のレイアウト変更などをする上で設計者や業者さん、ビルオーナーなどと対等に話をするためには「工事区分」(責任の分界点)をまずは理解しておく必要ありますが、それって何でしたっけ??
総務部としてまずは覚えておきたいこと
不動産業界用語でもあるA,B,C(甲乙丙とも言います)の工事区分は総務部としてまずは覚えておきたいですね。
A工事とは:建築物の所有者(以下オーナーという)の資産区分にあたる、建築物の一部や建築物内の設備等について、そのオーナーの費用負担で、オーナーの指定する業者にて実施される修繕工事や資本価値向上工事であり、工事実施後の対象物の所有区分はオーナーに帰属する工事をいう。
甲工事と表現されることもしばしばある。
B工事とは:建築物の所有者(以下オーナーという)の資産区分にあたる、建築物の一部や建築物内の設備等について、入居するテナントの費用負担で、オーナーの指定する業者にて実施される改修工事であり、工事実施後の対象物の所有区分はオーナーに帰属する工事をいう。
乙工事と表現されることもしばしばある。
C工事とは:建築物内スペースの賃借人(以下テナントという)の資産区分にあたる、賃借範囲内の物品や設備等について、そのテナントの費用負担で、テナントの指定する業者にて実施される新設工事や修繕工事やであり、工事実施後の対象物の所有区分はテナントに帰属する工事をいう。
丙工事と表現されることもしばしばある。
下の図はそれぞれの費用負担、使用業者、実施後の資産区分を示します。
総務としてわかりやすい順番で具体的な例を挙げてみると、C工事は例えばテナントで納入する家具什器やデスクへの電源工事などは簡単に理解できますね。
A工事はビルの施設であり躯体かエレベータ、セントラル空調や避難階段など、いわゆる「共用部」の施設のための工事で、これもイメージがつきます。
総務にとって一番わかりづらいのはB工事です。
B工事はちょっと複雑で、ビルの資産でビル指定の業者による工事という点ではA工事とほぼ同じなのですが、違いは「テナントの指定するスペック」にてテナントがコスト負担して工事をビル側へ要求するケースがこれに該当します。
空調設備や照明設備をテナント仕様で追加変更したり、新規オフィスにて複数階でオフィスを借りた場合に上下階の階段をテナントスペース内へ設置したり(スラブをぶち抜く工事)するのもB工事です。
ビルによって詳細基準はもちろん違いますが、以上がオフィスづくりをする際に、最低限知っておきたい豆知識ですのでこちら参考まで。
<金 英範 氏:その他コラム記事>
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