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人事と営業を経験した元担当者が語る『人事 × 営業 = ためになる』日記

 現場で求める”人財”と実際の成果にギャップがあるとはいっても、人事畑、現場でどのような人が求められているか、イメージができない。実際の現場では何が起こっているのか?

 一方、中小企業では「人事」を設けている企業は少なく、営業・総務・人事の区分けがなく、兼任業務などでどことなく片手間で行っている。また、組織が急に大きくなるときのギャップが起きて困っている、「今の規模で強い組織を作りたい」といった多様な課題が沸いてきます。

 そんな現場の声に経験者の目線で、「こうしたら良くなる!」といった情報をお届けします。

本当に欲しい ”人財” と出会う方法とは?!

本当に欲しい ”人財” と出会う方法とは?!

 本当に欲しい人財を獲得することは、大企業、中小企業問わず、どこの会社でも苦戦するところです。

 大企業は「数」の勝負、部門によっては「質」の勝負ですが、ある程度「数」を拾わないと組織全体の形が歪になってきます。
 反対に、中小企業は「質」の勝負。会社の雰囲気や求めている人財との相性が非常に重要になってきますね。そして願わくば、10求めている仕事を、100でも200でもこなしてくれるミラクルな人財が居てくれたら、とても助けになります。

 では、どうすれば求める人財に出会うことができるのでしょう?
 例えば、
 ・エージェントにお願いする
 ・スカウトサービスを活用する
 ・自分の足で探す
 など様々な方法がありますね。

 大企業はさることながら、中小企業ではなるべくお金をかけずに効率よく求める人財を獲得したい。そう思っておられることでしょう。
 では、どうやったらその企業の現状に合わせて、効率よく 人財に出会うことができるのでしょうか?

求める "人財" を隅々までイメージする

 ”商品”は開発の段階で、本当に売れるかどうか「マーケティング」を行います。
 企業の中には「マーケティング」を慎重に行わなくても、商品力と人脈の繋がりで、商品がずっと売れ続けている企業もいらっしゃることでしょう。

 しかし、何も考えずに商品を開発、または開発した後で売り先を探すといったことを、現代のビジネス業界で行えば、まず上手くいきません。
 「お客様が求めているものは何か?」「その商品は本当に売れるか?」ということを事前にしっかり調査を行い、コンセプトを考え、そこではじめて売り始める、ということが大切です。

 それは採用でも同じです。
 何も考えずに行っていると、求める人財はやってきません。マーケティング思考で人財戦略を行っていくことが重要です。

 それには以下のことを整理するといいでしょう。

 【自社分析】
 1. 御社の強み、弱みは何ですか?
 2. 御社に入社することでどのようなことを経験できますか?
 3. その経験は、その方の今後の人生にとってどのように有効でしょうか?
 4. 御社の社員のモチベーションは何ですか?
 5. 今後、どのような会社にしていきたいですか?
 6. 御社の現在の課題は何ですか?

 こうしたことを、経営判断、なるべく隠さず(様々な事情があるにせよ)、被面接者と本気で対話をしていくことが重要です。採用担当者は経営者視点も持って、自分事として捉えておくことが重要です。


 その上で、求める人財を整理したらいいでしょう。

 【採用スペックの準備】
 1. 年齢、性別、部門、必要能力・経験、希望年収、性格、家庭事情、転勤
 2. 入社後、どのようにメンバーと接してほしいか
 3. 入社後、どのような働き(売上、組織運営、実務成果)をしてほしいか
 4. 将来的には、どのような人財として活躍してほしいか
 5. 会社のどの部分に共感してほしいか
 6. 会社の弱みを知ってどのような判断をするか
 7. どういう価値観で日々仕事をしているか
 8. 休日はどのように過ごしているか
 9. 趣味はあるか
 10. ストレス発散方法はあるか

 他にも、様々な基準がありますが、自社でもしっかり対象をイメージすることが重要です。

 ここまでは普通の採用活動です。
 もう一歩、アクセントのついた人財を獲得するために、自社でできることがあります。

求める人財に近づいた「在り方」を整える

求める人財に近づいた「在り方」を整える

 10の仕事を100にも200にもよりよい形で還してくれる人財と出会うには、自社でも準備が必要です。

 1. その社員に来てもらえるだけの資質が整っているか?
 2. 社員ひとりひとりの日々の仕事の姿勢は見合っているか?

 そのキーワードは1の自社分析ででてきたアウトプットにヒントがあります。
 「皆が皆、そんなに優秀で真面目に仕事をしているわけではないよ!」
 ということもあるでしょう。

 その場合は、担当者、面接担当者レベルででも変わるとよいでしょう。

 担当者自身が
 1. その社員に来てもらえるだけの資質が整っているか?
 2. 社員ひとりひとりの日々の仕事の姿勢は見合っているか?
 その中で、 「正直、自分には不足しているな」と感じる項目。

 この項目の内容を、まずは自ら日々の仕事の中で改善できるよう組み込んでいきます。
 その内容は「スキル」「テクニック」的な部分から、「メンバーとのコミュニケーション」「取引先とのコミュニケーション」であったり、「セルフイメージの向上」といった自分自身のセルフケアの分野かもしれません。

 これを、毎日、ちょっとでも改善していく。
 そうすると、自然と必要な人財と出会いやすくなります。

人財との出会いの不思議

人財との出会いの不思議

 「『採用はご縁』だから、『取引先との出会いもご縁』だから」
 最終結論をどの企業の重鎮なる方々もこのように「ご縁」という表現をよく使います。

 抽象度が高い表現ではありますが、必要なスペックと出会うための対等な関係であることが重要です。その人財に依存して自社の変化や挑戦が留まると、要件より低い人財しかやってきません。

 よい出会いをするには、先に自社で日々の変化を積み重ねていくこと、これが本質となります。

 いかがでしたでしょうか?
 少しでも一助となれば幸いです。

 また次回、お会いしましょう。