『働き方改革』は誰のため?『自分の時間』を生きるということ。
あなたは「自分の時間」を生きていますか?
この問いに対して、どのくらいの人が「YES!」と即答できるでしょうか。
これだけのモノや情報があふれている今の時代に、じっくりと自分と向き合い、「自分の時間」を日々意識するというのは難しいことかもしれません。
ただ、「時間」を意識しないでいると、あっという間に人生が終わってしまいそうです。自分がやりたいことをすべてするには人の一生はあまりにも短すぎる。1日24時間しかないなんて・・もっと時間がほしい!と思う毎日です。
余談ですが、私自身が少し偏ったところがあり(笑)、好きと嫌いがはっきりしているので、好きなものや好きなことには寝食忘れるくらい夢中になってしまうところがあります。でも、その好きなことに夢中になっている時間こそが「自分の時間」を生きているという実感が持てる瞬間なのです。自分がワクワクして楽しい!と思うことに夢中になれる時間ほど幸せな時間はありません。
私の場合、今は仕事をする時間がそれです。そう思って今仕事をしている人は私以外にもたくさんいるはず。それなのに、「働き方改革」を掲げ、残業時間を減らしたり、休暇を取らせたり・・それって誰のための「働き方改革」でしょうか?
「働き方改革」の目的は、一人ひとりの意思や能力、個々の事情に応じた、多様で柔軟な働き方を選択可能とする社会を追求していくことで、「労働者にとっての働きやすさ」を実現していくことにあります。では、その「働きやすさ」とは何でしょうか?それは、もっと働きたいと思っている人に対して「残業してはいけない」「休暇を取りなさい」と言うことではありません!「働き方改革」という言葉のもとで、一律全員に残業を禁止するというのは制度として取り入れるのは簡単かもしれないですが、「もっと働きたい!」と思っている人にとっては、「ワクワクして楽しい時間」を奪われることにほかなりません。「働きやすさ」の意味は十人十色であり、企業側は一律ではなく様々な角度から多様な制度を作り上げていかなければならないのです。
このように「働き方改革」のもとでは、企業としては、まず企業のあり方や方針を明確に打ち出し、そのために必要な制度やITツールを取り入れたり、業務を設計していく必要があります。よくITツールを導入すること自体を目的にしているケースを見かけますが、そもそもなぜそのITツールを導入するのか、その目的を明確にすることこそが大切なのです。
そして、労働人口が今後どんどん減少していく中で、ITと人間をバランスよく効率よく配置することによって、新しい日本の未来像を創っていかなければなりません。
一方、個人も自分の好きなことや得意なことを発見し、企業の中もしくは外でその才能を活かしていくことが求められます。個人が人間的にも豊かになり成長していくために、働きながらでも「自分の時間」を意識せざるを得ない時代になっています。個人が自分の才能に気づかず、その才能を活かしていないことほどモッタイナイことはありません。
同じようにまた、「自分の時間」を意識しないことほどモッタイナイこともありません。働きながら意識的に「自分の時間」を捻出するためには、やはりITを駆使して、人手である必要がないところはITツールに委ねる方が良いでしょう。
とかく日本人は真面目で、「楽をすること=いけないこと」ととらえる傾向があるため、ITツールを使って業務を楽にすることを潜在的に嫌がりますが、そんな罪悪感は捨て去り、もっと「自分の時間」を捻出しましょう!
ITツールに身構えることなく、もっと肩の力を抜いて上手くITツールを使いこなし、今の業務をよりシンプルに、より楽にこなしていけるように変えちゃいましょう!
企業としても、そうやって個人が「自分の時間」を意識し、業務の効率化が実現したり、個人が成長していけば、会社の財産として貴重な価値が生まれます。こうして考えると、やはり「働き方改革」は目の前の制度や業務時間を変えることにはとどまらないはず。
個人としても「働き方」を考えるとき「生き方」を考えざるを得ない。つまり、「働き方改革」は個人の「生き方改革」であり、個人の意識が変われば、その結果日本の企業全体も変わっていくのでは、と思っています。
あなたの好きなことや得意なことは何ですか?
自分にしかできない業務は何ですか?
特に日本の女性はつつましい性格からか、自己評価が非常に低い、罪悪感を抱くことが多い傾向にありますが、スタート地点に立ち戻り、上記をもう一度考えてみてください。よく「楽しいことが分からない」「好きなことが分からない」という人を聞きますが、そういう場合は逆に「全然楽しくないこと」や「嫌いなこと」を挙げてみるのもオススメです。
今こそ日本が本当の意味で先進国になるチャンスです。「働き方改革」を単なる流行の言葉ではなく、企業としても個人としても今をチャンスと捉え、鎖国マインドにサヨナラし、新しい日本の未来を創り上げていきたいと心から願っています。