そんな時間は無いよ、働き方にも影響する「頼れる存在!業務しながらマニュアル化」!? 【バックオフィス業務6つのヒント Vol.4】
この連載では、バックオフィス業務の悩みや苦労を和らげ、もっとラクに、もっとスマートに働けるヒントをご紹介しています。
今回は、皆さんの日常業務の「マニュアル作成」での「デジタル活用」についてご紹介します。日々の業務に追われてマニュアル化や最新化が進まない状況を背景に、効率的なマニュアル作成ツールの活用と動画マニュアルの効果についてお話しします。ちなみに、動画マニュアルは視覚的に情報を伝え、理解を促進し、教育コストの削減や業務の一貫性向上に寄与します。「マニュアル作成ツール」で効率的な作成に取り組む事と、マニュアルを活用する上で重要となる事など、これらを踏まえて推進することで、業務効率の向上が実現され、従業員のスキルアップやチーム全体の生産性向上を図ることができる取り組みについて紹介します。
重要だが、多忙のため、正確に伝えるマニュアル作成や更新に取り組む余裕がない問題
皆さんは、どのような場合に「マニュアル」が有効なのか検討したことはありますか?
「複雑な業務手順がある」
「新しい従業員への教育が頻繁に必要」
「業務手順が頻繁に更新される」
「従業員が自分のペースで自己学習したい」
このような状況に遭遇しているものの、マニュアル化や最新化がされていないなどの課題を抱えて悩まれる事はありませんでしょうか?
時間を捻出するコツとマニュアル作成ツールを活用することで、日々の多忙な業務に追われながらも、効率的な作成と活用できる状況に改善するための一つの解決策方法として、お伝えしたいと思います。
今回の目次
・日々の業務に追われる現状と時間捻出
・作成ツールや動画マニュアルの可能性
・活用した具体的な事例と効果
・マニュアルはきっかけ、働き方改革への一歩
日々の業務に追われる現状と時間捻出
日々の業務現場は、常に多忙を極めている事が多いと思います。新しい業務が次々と舞い込んだり、法改正で新たな業務が追加されたりもしている事でしょう。効率的に仕事を進めるためには、標準化してそれをマニュアルで共有して定着させる、つまり、誰もが同じように業務を処理できる状態を目指したいところです。
しかし、マニュアルを作成する時間を捻出するのは容易ではありません。「マニュアル化したいけれど、そんな時間は無い」という声が多く聞かれます。具体的な問題点としては、日々の業務に追われていると、マニュアル作成に必要なまとまった時間を確保するのが難しいのです。また、業務の複雑さも一因です。特に事務業務は、細かい手順や例外処理が多く、これを文章で正確に伝えるのは大変です。さらに、人材の流動性も問題です。新しいスタッフが入るたびに教育が必要となり、マニュアルがない分その負担がさらに増大します。これらの問題が重なり、マニュアル化が進まない状況が続いています。
では、どうやって時間を捻出すれば良いのでしょうか?
まずは、「マニュアル作成時間の捻出!」について、部門でディスカッションした結果についてご紹介します。
作成ツールや動画マニュアルの可能性
時間を捻出する目線が合ったところで、次に注目したのが、”捻出する時間を短縮したい” という事にたどり着きます。そこで、効率的に作成が可能となるマニュアル作成ツールや動画マニュアルの活用を検討します。
ツールを活用すると、業務を行いながらそのプロセスを録画することから始まります。業務を実施しながらマニュアル化も進めることができ、その後の編集についても直感的に作業が可能な作成ツールであれば、時間を節約しつつ効率的にマニュアルを作成することが可能になります。さらに、ふんだんな作業画像や動画で作成すると、従来のテキストベースのマニュアルに比べて、視覚的にも情報を伝えることができるため、理解しやすく実践的で効果的な教育ツールになると考えられます。導入に向けた理解と説明のために、活用のメリットについてまとめています。その時に整理した資料をご紹介します。
ここまで来ると、導入する作成ツールの選定を実施することになります。前回(第3回)でも「適切なツールを選定する事です」と申し上げている様に、ほぼ同じ事が言えます。
ただし、今回の導入注意点として気を付けた点が少しありますので記載します。
・試用期間の活用
多くのツールは無料の試用期間を提供しています。この期間を活用して、実際の作成でどの程度効率的で使いやすいか、機能がニーズに合っているかを確認しました。
・ユーザー数の制限
ユーザー数の制限を確認します。必要な人数が利用できるか、追加ユーザーに対するコストがどのように設定されているか、ユーザー単位ではない設定のケース等を把握しました。
活用した具体的な事例と効果
ここからは具体的な進め方、マニュアル作成ツールを活用した事例です。部門の業務効率化を図るために、滞りがちであったマニュアルの作成や更新にツールを活用し、動画化が有効と思われる業務は動画作成を実施しました。このマニュアル作成により、作成時間だけではなく教育にかかる時間が大幅に削減されました。部門の新メンバーは短期間で業務を習得できるようになり、また、ベテラン社員も業務の見直しを行う良い機会となり、全体の業務効率が向上しました。
では、どんな進め方をしたのか?
作成ツールを活用する4つのステップについて、マニュアル作成の推進事例をご紹介します。
上記、ご紹介した推進ステップでは、単なる作成効率化の手段にとどまらず、当初想定したメリット以外にもやってみて分かった効果がありました。現場の声と共にまとめた内容を紹介します。
マニュアルはきっかけ、働き方改革への一歩
皆さんも、日々の多忙な業務に追われ、マニュアルの作成や更新が滞っている状況を改善するための一つの解決策として、検討してみてはいかがでしょうか。単に”マニュアルを作らなければいけない”というより、”作ることをきっかけ”としてその先の効果を見据えること、まずは時間を捻出する共通認識を持ち実行することで、効率的で効果的なマニュアルの作成に取り組むことが出来るでしょう。
また、動画マニュアルは、業務手順を視覚的に示すことで理解を促進し、教育にかかる時間とコストを削減します。これにより、業務の標準化が進み、効率的に仕事を進めることが可能になります。ぜひ、この機会に動画マニュアルも検討してみてはいかがでしょうか。
最後に、マニュアル作成時に是非入れて欲しい注意点も付け加えます。
”マニュアルを作る”となると、対象となる業務や作業のマニュアルという視点で作成することになると思います。新人や新たな担当者は、マニュアルを見て覚える作業内容となります。陥りがちなのは、ただ作業を覚えるだけでは、繰り返し作業している状態となります。いずれ作業の品質へも影響してしまう可能性もあります。
生産性に影響する要素の1つ”モチベーション”の視点から考えると、背景「何のために実施する業務や作業なのか」、後工程「業務や作業が終わった後どうなるのか」等々、作るマニュアルを大きな視点で見て「業務の意味が理解できる」ように作ると、メンバーが前向きな気持ちで業務に取り組むことが出来ると思います。
次回は、皆さんの日常業務の「様々な問い合わせに対応する」シーンでの「デジタル活用」についてご紹介します。