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具体的な場面における4つのソーシャル・スタイルへの対応【なぜ今、対人スキルが求められるのか?  Vol.6】

2025.01.22

第5回では、対人スキルを高めるために有効なソーシャル・スタイル(4タイプ)の中のドライビング(実行型)の特徴と効果的な対応について詳しくお伝えしました。今回(最終回)は、3つの具体的な場面における4つのスタイルへの効果的な対応をご紹介したいと思います。

以下の3つの場面について、4つのスタイル別の効果的な対応のポイントをみていきましょう。
1. 上司への報告
2. 社内イベント企画のための社員へのヒアリング
3. トラブル対応(社内外)

【過去のコラムはこちら! 第1回/第2回/第3回/第4回/第5回

1. 上司への報告

日々の業務において、上司へ報告することは多々あると思います。そんなときもソーシャル・スタイルに応じた対応をすると効果的です。

エクスプレッシブの上司への対応(エクスプレッシブの特徴)
 感情をこめて、できるだけ前向きに報告します
 未来志向で、「今後このような展開が考えられます!」と熱く語ります
 事実だけでなく、エピソードも含めて伝えます
 可能なら、上司のビジョンや意見を取り入れた報告をします
感情がこもらない事務的な報告や未来志向のない後ろ向きな報告にならないように注意しましょう。

アナリティカルの上司への対応(アナリティカルの特徴)
 「前年同月比で15%伸びています」など、データをもとに報告します
 順序だてて、論理的に話します
 資料も活用しながら、できるだけ詳細に報告します
 上司に考える時間を与えながら、ゆっくり丁寧に説明します
データ等の準備が不十分だったり、感情的になったりしてあいまいな報告にならないように注意しましょう。

エミアブルの上司への対応(エミアブルの特徴)
 ていねいに、感情をこめながらもソフトに報告します
 「これでみんなの負担が軽減します」など周囲への影響を伝えます
 「もうご心配は不要です」など、不安をとりのぞくような報告をします
 「〇〇さんのサポートのおかげで……」など感謝を伝えます
感情がこもらない淡々とした報告になったり、上司を不安にさせるような報告になったりしないよう注意しましょう。

ドライビングの上司への対応(ドライビングの特徴)
 「結論から申し上げますと……」というように、結論から述べます
 「このことから2つのことが言えます」など根拠を示し、簡潔に説明します
 「〇〇までに△△します」など次のアクションを具体的に伝えます
 「今日中に対応します」などスピードを強調します
だらだらと長い報告になったり、あいまいで次のアクションがわからないような報告になったりしないように注意しましょう。

2. 社内イベント企画のための社員へのヒアリング

社員総会や部門キックオフなど、社内イベントの企画をするにあたって、社員の声を聞くこともあるかと思います。そんなときもソーシャル・スタイルに応じた対応をすると効果的です。

エクスプレッシブへの対応
 まずは世間話や雑談から入り、リラックスした雰囲気をつくりましょう
 「どう思います?」などできるだけ自由に話してもらいます
 「それいいですね!」と出てきたアイデアにしっかり共感します
 「なんか盛り上がりそうですね」など、未来志向で会話しましょう
型にはまった質問ばかりになったり、相手のアイデア等に共感が足りなくて、盛り下がったりしないよう注意しましょう。

アナリティカルへの対応
 まず、ヒアリングの目的を伝えます
 事前に資料や質問項目をメール等で送っておくのも効果的です
 できるだけ具体的な質問を心がけ、ゆっくり答えを待ちましょう
 PC等でしっかりメモをとりながら、聞くようにします
抽象的な質問が多くなったり、即座に回答を求めてせわしない雰囲気になったりしないように注意しましょう。

エミアブルへの対応
 はじめは共通の話題などで雰囲気をやわらげましょう
 「どんな些細なことでもいいです」と気軽に答えられるようにしましょう
 「みんなが喜ぶには?」と、チームや仲間を起点に聞きます
 「何か気になること、心配な点はありますか?」と不安な点を聞きます
きちんとした回答を求めるような雰囲気を醸し出したり、スピーディーに次から次に質問して、詰問になったりしないよう注意しましょう。

ドライビングへの対応
 ヒアリングの目的を明確にしましょう
 聞きたいことを端的に聞きましょう
 選択肢を提示して、理由とともに聞くのもいい方法です
 事前アンケートをもとに深掘りしたい点だけ短時間で聞くのもよいでしょう
雑談を挟みすぎたり、目的や質問があいまいだったり、だらだらと長く質問してしまったりすることのないように注意しましょう。

3. トラブル対応(社内外)

仕事にトラブルはつきものですが、そんなときも落ち着いてソーシャル・スタイルに応じた対応をすると効果的です。

エクスプレッシブへの対応
 まず相手の不満や怒りを、共感しながらしっかりと受け止めます
 相手が話し疲れるくらいまで、耳を傾けましょう
 その上で、問題を解決したいという熱意や誠意を示します
 ユニークで柔軟な解決策が提示できればさらによいでしょう
感情を無視したり、機械的な対応になったりしないよう注意しましょう。

アナリティカルへの対応
 時系列で、できるだけ詳細に事実を確認しましょう
 感情的にならずに、冷静に誠実に対応しましょう
 問題の解決策は順序だてて、論理的に説明します
 過去の実績やデータなど、根拠を示すようにしましょう
こちらが感情的になったり、あいまいな説明をしたりしないよう注意しましょう。

エミアブルへの対応
 共感しながら、相手の話にじっくり耳を傾けます
 誠心誠意対応することを強調しましょう
 解決策を一緒に考えたい旨を伝えます
 いったん解決した後も、引き続き寄り添うことを約束します
冷たい対応になってしまったり、ましてや威圧的な態度になってしまったりしないよう注意しましょう。

ドライビングへの対応
 すぐに解決策を示すなど、できるだけ迅速に対応します
 相手の要望をしっかりと受け止めます
 現状や具体的な解決策を簡潔に説明します
 解決策が良い結果につながることを強調します
対応が遅かったり、あいまいな説明になってしまったり、次のアクションが不明確になったりしないように注意しましょう。

まとめ

6回にわたって、ソーシャル・スタイルやその活用法についてご紹介してきました。
意識して使えば使うほど、みなさんの対応も磨かれていきますので、これからも職場でぜひ活用してみてください。