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日本とはどう違う?世界と日本の「働き方」の違い【ハワイ編】

2019.10.21

 近年、日本では働き方改革の一環として、「働き方の多様化」「ワークライフバランスの実現」などが叫ばれている。とは言え、具体的にどのような取り組みを行ったら良いのかイメージがわかない人事総務担当者も多いだろう。

 世界がイメージする日本の「働き方」は、「残業が多い」「有給取得率が少ない」など、あまり良い印象ではない。では実際に、日本と世界では「働き方」がどう違うのか。世界との違いを知ることで、自社に活かせるヒントが見つかるだろう。

 世界と日本の「働き方」の違いを一国ずつ比較していくシリーズ企画第2弾として、今回はハワイとの「働き方」の違いについて見ていく。

目次

●仕事よりも、家族やプライベートを優先
●休みが取りやすい
●服装・身だしなみが、日本より自由
●副業が当たり前

仕事よりも、家族やプライベートを優先

 日本人が感じるハワイの印象は、「リゾート地」「時間がゆっくり流れる南国」といったところだろう。実際、この印象は間違っておらず、「ハワイアンタイム」と呼ばれるハワイ独自ののんびりとした時間が存在する。ハワイアンタイムの影響もあってか、ハワイと日本では仕事に対する意識が違うようだ。ハワイと日本の仕事に対する意識の違いを見ていこう。

家族を重視
 ハワイでは、仕事よりも家族を大切にするのが当たり前とされている。そのため、「子供の送り迎えのために仕事を中抜けする」「妻が体調を崩したら、夫が仕事を休み看病する」といったことが珍しくない。家族を重視するという風潮が根付いていることもあってか、ビジネスライクではなくアットホームな職場が多いようだ。

 一方、日本では最近ようやく「仕事と育児・介護」の両立が叫ばれるようになってきた。しかし、ワンオペ育児や介護を理由とした離職が社会問題となっていることから、仕事よりも家族重視とは言いにくい。

プライベートを重視
 ハワイでは、プライベートも重視されている。朝早く始業し夕方早く終業する職場が多く、定時で仕事を終えるのが当たり前のため、プライベートの時間を確保しやすいようだ。また、仕事とプライベートを切り分ける意識が強いこともあり、勤務時間外の昼休みにサーフィンや海水浴などで気分転換する人もいる。ハワイの人達は人生を楽しく生きることに長けていると言えるだろう。

 一方、日本では働き方改革の一環として長時間労働の是正の取り組みがようやく本格化してきた。しかし依然として「プライベートよりも仕事が大事」「長時間働くことが偉い」といった考え方も根強いことから、プライベートを重視しているとは言いにくい。

休みが取りやすい

 「土日の休みを満喫するために、平日は仕事に励む」という日本人も多いだろう。休みが充実しているかどうかは、仕事の意欲を左右する重要な要素の1つだ。ハワイと日本の休みに対する意識の違いを見ていこう。

有給休暇の取得は当然の権利
 ハワイの職場では、有給休暇を取りやすい。「有給休暇の取得は当然の権利」という考え方が根付いているためだ。仕事よりもプライベートを重視するハワイの人達にとって、有給休暇は仕事をする上で無くてはならない大切なものと言えるだろう。

 一方、日本の有給休暇取得率は、世界と比べ群を抜いて低いことが問題視されている。2019年4月から有給休暇の取得が義務化されたことにより、日本でも徐々に「有給休暇の取得は当然の権利」という考え方が浸透していくだろう。

病気のときに休みやすい
 ハワイの職場には、有給休暇とは別に、「Sick leave(病気休暇)」という制度がある。病気休暇があるため、体調が悪いときには「有給休暇が減る」という心配をせずに、仕事を休むことができる。いざというときに無理をせずに休める病気休暇は、労働者に大きな安心感をもたらしているだろう。

 一方、日本では病気などで仕事を休んだ際、休んだ日数分だけ有給休暇が減っていくことが多い。そのため特に、入社まもない新入社員や小さな子供のいる女性社員などは、「自分の体調が悪くても、なかなか休みを取れない」傾向にある。

服装・身だしなみが、日本より自由

 ハワイと日本では、文化が異なる。そのため、仕事の際の服装・身だしなみにも違いがあるようだ。ハワイと日本の、仕事の際の服装・身だしなみの違いを見ていこう。

アロハシャツが正装
 ハワイでは、仕事の際の服装が割りとカジュアルだ。アロハシャツが正装とされているため、職場にアロハシャツを着ていっても問題がない。アロハシャツが制服になっている職場さえあるようだ。それ以外では、半袖のシャツにスラックスといったビジネスカジュアルが一般的で、スーツを着用している人はほとんどいない。

 日本ではクールビズの影響を受け、夏場はノーネクタイ・ノージャケットの職場が増えてきた。しかし通年で考えると、主にベンチャー企業でカジュアルな服装が認められているのみで、それ以外の職場ではスーツやそれに準じた服装が一般的だ。

身だしなみの自由度が高い
 ハワイでは、仕事の際の身だしなみがさほど厳しく制限されていない。髪色やアクセサリー、ネイルなどをどうするかは、労働者の自由だ。多くの人種が共存している地域だということもあり、「多様性」を受け入れやすい土台がハワイにはあるのだろう。

 一方、日本では髪色やアクセサリー、ネイルなどは、相手に華美な印象を与えないものが良しとされている。礼儀を重んじる日本ならではのマナーと言えるかもしれない。

副業が当たり前

 ハワイと日本では、副業に対する考え方にも違いが見られる。最近、日本では副業をする労働者が増え始めている。しかし日本全体で考えると、もともと終身雇用制度があったこともあってか、副業をしている人の割合はそう多くはない。

 一方、ハワイでは1つの仕事に固執せず、仕事を2つ3つ掛け持ちするのが当たり前だ。フルタイム勤務よりもパートタイム勤務の人が多く、1つの仕事でもらえる給与がそう高くはないことが、その理由とされている。1つの仕事にとらわれず、さまざまな仕事に挑戦することで、さまざまな角度からスキルアップを図ることができるのかもしれない。

まとめ

 ハワイと日本の働き方の違いを紹介した。総じてハワイでは、日本よりも「ワークライフバランス」や「多様性」が尊重されている。そうした自由度の高い環境により、活き活きと仕事をすることができているのかもしれない。

 一方で、日本の働き方にも「仕事に全力を捧げる」「規律や礼儀を重んじる」などの良い面がある。最近、日本で広がっている「働き方改革」。日本の良さを大切にしながらも、ハワイの働き方を参考に、働き方改革に意欲的に取り組んでみてはどうだろうか。

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