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出張申請の方法や申請書の必須項目・申請書の必要性についてわかりやすく解説

2022.02.22
オフィスのミカタ編集部

出張申請のフローを整えておくことには、企業側には不正防止やコスト削減などのメリットがある。この記事では出張申請の方法や記入すべき必須項目などについて解説する。

出張申請とは出張の許可を得ること

出張申請とは業務上出張が必要になった場合に、会社や上長が正当な出張であるかどうかを判断するためのフローだ。

会社から出張の許可を得るために必要な書類が出張申請書類であり、出張の目的や概算費用などを記載する必要がある。

出張申請をすることの目的

出張申請をする目的として、大きく分けて下記の3点が挙げられる。
・コストの削減
・不正防止
・税務監査リスクの低減
ここではそれぞれの目的について詳しく掘り下げて解説していく。

コストの削減
一つ目はコストの削減である。出張をする前に、出張者が事前に旅費や交通費を算出し提出することで、必要以上に費用を使用していないかを上長や経理担当者がチェックできる。

また、出張申請のフローを構築することで、効率よく経費の処理が可能になるため、結果として経理担当者のリソースを確保でき、コア業務へ注力することができるだろう。

不正防止
二つ目は出張費用などを架空に請求したり、費用を水増ししたりするような「カラ出張」の不防止である。

出張申請の仕組みが企業に設けられていない場合には、そういった不正利用のリスクは高まる。事前申請によって出張内容を可視化することで、不正に気付きやすくなるというメリットが挙げられる。

税務監査リスクの低減
最後は税務監査リスクの低減である。出張旅費は原則非課税となるため、「カラ出張」などを行っていないか、あるいは余計な費用を計上していないかなど税務監査のチェック対象となるケースが多い。

余計なトラブルを避けるためには、出張費用の証拠が必要となる。この時に役に立つものが、出張申請書と出張に関わる領収書だ。必要書類など出張申請フローを整備しておくことで、正当な出張費用であると証明する材料として使用できるだろう。

出張申請書の提出は法令では特に定められていない

実は出張申請書の提出自体は法令で定められていない。そのため、出張申請書の提出が必要かどうかは企業によって異なる。また、そのフォーマットや添付書類などは企業側が自由に定めることになる。

ただし、出張が業務上必要であると税務監査で判断されない場合には、出張費用が経費扱いとならない。そのため、正当であるという証拠として出張申請書や報告書、領収書の提出を義務付けておいた方が良いだろう。

出張申請の方法 ・ワークフロー

実際に出張申請の方法とワークフローについて見ていこう。先ほど解説した通り、出張申請についてのルールは企業が自由に定められるため、一つの参考例として捉えてほしい。

出張申請書の作成と承認
出張が決まった場合、出張者が申請書を作成する。申請書には出張の目的や旅費について記載しておこう。出張申請書に記載すべき項目については後述する。

出張申請書の提出と旅費の仮払い申請
申請書の作成が完了したら上長へ提出する。この時、長期出張や海外出張で旅費が高額になる場合には事前に費用の一部を仮払いするケースがある。

もし、仮払いを行う場合には、出張申請書と合わせて仮払い申請を行う必要があるため確認しておこう。

出張後に費用の精算
出張から戻ってきたら、実際に出張で使用した経費をまとめて精算する。事前に申請書に記入していた以外の交通費や、先方へ購入した手土産代などについても出張旅費規定に従って精算が可能なため、こちらも事前に確認しておこう。

出張報告書の作成
出張費用の精算と合わせて、出張報告書の作成・提出を行う。出張報告書とは出張の目的や内容、成果について記載し、他の社員や上長へ情報共有を行うものである。

出張申請書に記載すべき項目 

出張申請書は法令で定められた書類でないため、フォーマットや書式については企業側で自由に定めることが可能だ。ここでは出張申請書に記載すべき項目について紹介するので、これからフォーマットを検討する場合には参考にしてもらいたい。

提出日
出張申請書を提出する日にちを記載する。
例)令和◯年 ◯月 ◯日

出張期間・日程
出張を行う期間・日程を記載する。
例)令和◯年 ◯月 ◯日〜令和◯年 ◯月 ◯日

申請者の所属と氏名
出張を行う申請者の所属部署と氏名を記載する。
例)所属:◯◯部 氏名:◯◯◯◯

目的地と目的
出張先の目的地と、出張を行う目的について記載する。
例)出張先:都道府県名 目的地:訪問先の企業名 目的:商談、セミナー、学会など

移動手段
目的地までの移動手段(電車・飛行機など)について記載する。また、記載した交通ルートでの金額についても合わせて記載する。
例)新幹線:◯◯駅〜◯◯駅 (金額:◯◯円)
  在来線:◯◯駅〜◯◯駅 (金額:◯◯円)

宿泊の有無、宿泊先
出張に伴い宿泊が発生するかどうか、また、宿泊する場合には宿泊先の施設名を記載する。
移動手段の項目と同様に、宿泊の費用についても合わせて記載する。
例)宿泊:有
  宿泊施設:ホテル◯◯
  費用:◯◯円(1泊2日)

出張費用
出張費用の概算を記載する。
例)交通費:◯◯円
宿泊費:◯◯円

同行者
同行者がいる場合、同行者の所属と氏名について記載する。
例)所属:◯◯部 氏名:◯◯◯◯

連絡先
出張中に緊急時の連絡が取れるよう、携帯番号を記載する。

承認欄
出張申請を許可したかどうか、承認者の印鑑が押せるよう承認欄を設ける。承認者の数に応じて欄は自由に増減して良い。

このように出張申請のフォーマットには記載すべき項目が多いため、経費精算ツールを用いて、入効率的なワークフローを整備することをおすすめする。

詳しくは下記、記事を参考にしてほしい。
社内の経費精算の手間を省くためのツールについて紹介している。

社内の経費精算の手間を省く経費精算ツールの紹介と経費の定義と処理の注意点を解説

出張申請書は3年間の保存義務があるため注意が必要

出張申請書は法定保存文書に該当し、3年間の保存義務がある。ただし、保存方法は紙でもデータでもどちらでも良いとされている。

また、電子帳簿保存法によって、一定の条件を満たすことで国税関係の書類を紙ではなく電子デーでの保存が可能になった。022年1月の改正では、新制度が設立されたほか新たな要件が設けられているのでチェックしておこう。

重要書類の取り扱いを間違えるとペナルティを課されることがあるため、詳しくは下記の記事を参考にしてほしい。

2022年1月に改正される電子帳簿保存法とは?概要と改正内容のポイント

まとめ

出張申請書の提出自体は法令で定められているわけではないため、不要としている企業もあるかもしれない。しかし、提出を義務付けないことで余分なコストや不正利用が発生する可能性、あるいは税務監査のリスクを背負う可能性がある。もし出張申請のワークフローが整備されていないなら、これを機に見直してみてはいかがだろうか。

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