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内部統制やセキュリティ対策強化に有効なIT資産管理。ツールを活用して負担軽減

2022.08.09
オフィスのミカタ編集部

パソコンやサーバーなどのハードウェア、システムやライセンスといったソフトウェア、複合機などの周辺機器、無線LANなどのインフラなどIT関連の資産を管理することをIT資産管理という。本記事ではIT資産管理の目的や管理方法、業務効率を上げるツールについて解説する。

企業内のハードウェアやソフトウェアを対象に管理・運用するIT資産管理

IT資産管理とは、具体的にはリースのハードウェアやソフトウェアのライセンス発行数や更新期限を管理して更新漏れや不正利用を防止したり、脆弱性が発見されたソフトウェアに関して速やかにアップデートをしたりすることなどを指す。

かつてはExcel台帳などで管理するのが一般的だったが、近年では更新期限をリマインドしたりアップデートを遠隔でなったりする専用のツールが複数登場している。多くの企業にとってIT資産管理ツールは、管理に係る業務を軽減していくのに欠かせないものとなっている。

IT資産管理の主な役割は安全性と利便性の強化

IT資産管理の具体的な内容については上記で紹介したが、主な役割としては安全性と利便性の強化という2つに大別される。それぞれを詳しく見ていこう。

コンプライアンスや内部統制の強化による社内体制の強化
前述したソフトウェアのライセンス管理業務は社内体制の強化の一つだ。契約したライセンス数以上の利用は著作権法違反となり、社会的信用の失墜や損害賠償に発展する危険性があるので注意したい。

また、無駄なIT投資をしていないかのチェックも社内体制の強化に該当し、複数のシステムを導入している企業にとって欠かせない機能といえるだろう。

情報漏洩を防止するためのセキュリティ強化による社外対応の強化
パソコンのOSやアプリケーション、Webブラウザなどで、最新版をインストールせず古いバージョンを使用していると、脆弱性を突くマルウェア攻撃などを受ける危険性がある。こういった事態を防ぐためにも、IT資産管理をしっかりと行うことが必要だ。アップデートしていないパソコンの存在や台数を速やかに把握することができ、迅速な対応が可能だ。

昨今ではSaaS型ソフトウェアツール・サービスもIT資産として考える

SaaS型ソフトウェアツールやサービスを利用する企業が増えているが、それらも全てIT資産に含まれる。IT資産管理をする際に一緒に管理したい。

IT資産管理の方法と課題は手間とミスのトレードオフ

管理方法には大きく分けて2つある。それぞれの特徴と課題を紹介する。

Excelを用いた台帳管理はシンプルだが一覧性や更新性に難あり
ほとんどの企業で使われているExcelを用いた管理方法は、新たなツールの導入も必要がなく低コストなことが大きな利点だ。その反面、自社でテンプレートを作成する必要がある上、管理する対象が増えれば増えるほど業務量が増え、管理が煩雑になることからミスが増えることが課題となる。

IT資産管理ツールでの管理ではコストはかかるがミスを削減
IT資産管理ツールの導入はExcelに比べるとコストがかかってしまうものの、複雑な情報管理が容易で従業員の負担とミスを最小限に抑えられる可能性がある。

IT資産管理ツールを導入するメリット

複雑なIT資産管理で便利なツールを導入するメリットは業務が効率化できるだけではない。ここでは詳しくメリットを探っていく。

社内の機器類の管理状況が可視化でき管理業務自体の負担の軽減ができる
多くの企業では、従業員一人に対してパソコン、その付属品、USBメモリなど多数の周辺機器があり、さらに共有機器としてプリンター、ファックス、各種サーバー、ネットワーク機器などがあるだろう。これらすべての管理状況に対してツールを活用することで、リアルタイムに正確な情報を可視化することができる。

リース品の契約期間や利用状況の把握できる
リース品には契約期間があり、更新手続きを怠ると著作権法違反となったり利用停止となったりする可能性も。そういったことがないよう、契約更新をリマインドする機能を活用できる。また、スペックの管理もできるため、スペックの低いマシンから優先的に入れ替えたり、機器の故障が多い部署やメーカーを分析して原因を探ったりすることも可能だ。

ソフトウェアのライセンス費用などを計画的に管理できる
ソフトウェアの管理は目に見えない分、ハードウェアよりも管理が難解だ。そういった点をカバーするためにもIT資産管理ツールは有効だ。

一元管理による操作ログの取得やアクセス制限などリモートワークにも最適

IT資産を一台の端末から一元管理することができるため、稼働状況の確認や各端末のセキュリティ不備の確認も可能だ。リモートワークで業務を行う企業にとっても使いやすい機能といえるだろう。

IT資産管理ツールの選定ポイントは自社状況によりけり

IT資産管理ツールの選び方は各社の状況によって異なる。ここではどういった点に目を向けて選定するべきかを指南する。

対応させる対象のIT資産が莫大でなければクラウド型から選ぶ
管理ツールには自社でサーバーを用意して運用するオンプレミス型とベンダーのサーバーに接続して利用するクラウド型がある。オンプレミス型は導入コストが大きく、運用や保守にも手間とコストが必要なため、IT資産が多い大企業などでない限りはクラウド型を選ぶとよいだろう。

優先して達成したい目的とツールの強みの組み合わせから選ぶ
管理ツールを導入する目的に優先順位をつけ、それらに対応するツールを選ぶとよいだろう。どんなに優れた機能を有するツールでも、自社にとって役に立たなければ意味がない。しっかりと導入目的を定めておくようにしたい。

IT資産の関連データの収集頻度・精度のレベルから選ぶ
ソフトウェアのインストール情報やファイルへのアクセスログ、メールへの添付記録など、具体的にどんな情報が欲しいのかを整理しよう。その上で管理ツールが収集できる項目や収集頻度、精度などを事前に確認し、自社にとって必要なレベルを選択するようにしたい。

IT資産もソフトウェアとして会計に関わるため会計連携機能から選ぶ
IT資産はその名の通り会社の資産の一部。会計に関わる項目のため、会計連携機能があるとスムーズな会計管理ができる。

多くの企業が導入している信頼性の高いおすすめのIT資産管理ツール

導入企業が多く信頼性の高いIT資産管理ツールを紹介する。

Seculio
18種類のセキュリティレベル向上機能を利用できる「Seculio(セキュリオ)」。管理台帳などIT資産管理機能はもちろんのこと、従業員のセキュリティ意識改善のためのeラーニングなどの機能もある。有料版と同じ機能を14日間、無料トライアルが可能なのでぜひ検討してみてほしい。
https://www.lrm.jp/seculio/

ISM CloudOne
ライセンス管理といったIT資産管理はもちろんのこと、セキュリティ対策にも力を入れている「ISM CloudOne」。USBメモリなど外部デバイスの利用を制限したりパソコンの脆弱性を自動で診断したりと、通常業務中には忘れてしまいがちな作業を管理してくれる。導入社数7万5000社を突破し、55カ国以上が利用している豊富な実績は安心感があるだろう。
https://ismcloudone.com/

MCore
住友電工グループが自社の社員7万人が使うために開発した「IT資産管理」と「セキュリティ対策」「コンプライアンス遵守」を統合したシステムが「MCore」。数万台の管理や運用も一つのサーバーででき、高いスケーラビリティを誇る。各種サポートも充実しているため、ITリテラシーの高い社員が不足している会社にとって有益なツールだろう。
https://www.sei-info.co.jp/mcore/

SKYSEA Client View
ソフトウェアの更新管理や運用管理支援のほか、情報漏洩対策やテレワーク運用支援など、IT資産の安全な運用管理を支援する「SKYSEA Client View」。クライアント数は1000社を超え、多くの企業が導入している。直感的に使いやすい管理画面と他社製品との連携の強さが特徴だ。
https://www.skyseaclientview.net/

Asset View
IT資産管理、ログ管理、運用管理といった充実した機能の中から必要な機能やサービスだけをチョイスし、ライセンスの数だけ購入できることから、コストを最小限に抑えることができる「Asset View」。70種類以上のインベントリ情報を自動収集でき、効率よく管理することができる。
https://www.hammock.jp/assetview/

まとめ

企業活動をする上で欠かせないIT機器は多くの企業でその種類も増加しており、管理業務の負担は増加の一途だ。業務の効率化やミスの軽減には IT資産管理ツールが頼もしい味方となること間違いなしだ。ぜひ導入を検討してみてほしい。