給与計算代行の料金相場。外注するメリット・デメリット、おすすめのケースを紹介
給与計算代行は、従業員の給与計算に関連する業務を外部に委託するものだ。利用を検討するにあたって、料金相場を知りたい担当者も多いだろう。今回は、給与計算代行の費用相場とメリット・デメリット、給与計算代行をおすすめするケースを紹介する。給与計算代行を迷っている担当者は、参考にしてほしい。
目次
●給与計算代行とは
●給与計算代行の料金相場
●給与計算代行のメリット・デメリット
●給与計算代行をおすすめするケース
●まとめ
給与計算代行とは
従業員の給与計算を外注できるサービスが、給与計算代行である。毎月の給与の計算と付随する一連の業務について、アウトソーシングが可能だ。給与計算代行で依頼できる業務として、主に以下のものがある。
給与計算
給与計算の代行は、従業員の勤怠や入退社の情報をもとに、給与を計算するサービスだ。基本給や各種手当などの他に、毎月変動がある残業代や所得税、社会保険料や住民税の計算なども給与計算に含まれる。毎月の給与に加えて、賞与計算も依頼するのが一般的だ。
給与明細作成
代行業者によっては、明細の作成や印刷・封入・郵送や、WEB明細の配信など、給与明細の作成も依頼できる。オプションで、英語など他言語の給与明細に対応している代行業者もある。
振込・納税
振込・納税の代行は、従業員給与の振込と、税金の納付を代行するサービスを指す。給与計算代行とセットで依頼するケースが多いようだ。
年末調整
給与計算業務の中でも特に煩雑な年末調整も、代行業者に依頼可能だ。年末から年初までが繁忙期となるため、普段は給与計算をアウトソーシングしていない企業でも、年末調整のみ代行を利用するケースがある。ただし、源泉徴収票や法定調書の作成代行は税理士の独占業務だ。そのため、年末調整を外部に依頼する際は、税理士事務所または税理士と提携している代行業者を選ぶ必要がある。
住民税更新
毎年5月〜6月は、住民税に関わる作業が発生する。各市区町村から「特別徴収税額通知書」が送付され、受け取った企業は、従業員の給与計算に関わる情報を更新することになる。年末調整と同様に繁忙期があるため、給与計算は自社で行い、住民税更新はアウトソーシングを利用するのも方法の一つだ。
給与計算代行の料金相場
給与計算代行にかかる費用は、依頼する業務の範囲と従業員の人数によっても異なる。多くの代行業者では、月額基本料金にプラスして従業員一人あたりの月額料金が設定されているのが一般的だ。
給与計算代行のみの場合
給与計算のみの場合は、それほど金額は大きくはない。給与計算の人数によって変動するが、従業員50人程度の企業では、月に4万円〜6万円で給与代行を行う業者が多い。
他の業務も依頼する場合
給与計算に付随する他の業務も依頼する場合は、従業員50名程度の企業では、月10万円~20万円が相場となる。オプションに含まれる主なものは、「給与明細の印刷や振込」「源泉徴収票の発行」などだ。年末調整や住民税の更新など、季節業務を追加オプションで行ってくれるところもある。どの範囲を外注するか明確にして、見積もりをとってみるとよいだろう。
いずれの場合でも、初期設定費用が必要なケースがある。自社が外注する業務範囲を明確にして、初期コストも含め検討してほしい。
給与計算代行のメリット・デメリット
給与計算代行には、メリットもデメリットもある。自社の場合はどうなのか、依頼したい業務と合わせて考えてみるとよいだろう。
給与計算代行を利用するメリット
給与計算を外部に委託するメリットとして、以下のような点があげられる。
・給与計算を属人化しないことで、担当者の急な退職や不正などによるリスクを防げる
・専任の担当者が不要になり、人件費を削減できる
・法改正への正確な対応が可能になる
給与計算代行のデメリット
給与計算代行を利用するデメリットは、以下のような点だ。
・サービスによっては、内製化するよりコストがかさむ場合がある
・勤怠や給与額などのデータを外部へ持ち出すことになり、情報漏洩の恐れがある
・給与計算のノウハウが社内に蓄積されず、代行業者に何かあっても自社で対応できない
・給与計算以外の経理業務は残る
給与計算は毎月発生する定型業務だ。給与計算代行の導入は、予算やセキュリティ面なども含めて判断するとよいだろう。
給与計算代行をおすすめするケース
給与計算について、代行で外部に依頼したほうがよい場合がある。以下のような企業には、給与計算代行をおすすめする。
従業員規模が大きい
従業員規模の大きい企業は、規模に比例して入社・退社する人数が多く社会保険に関する業務も増えて、給与計算の負担も大きい。給与計算業務を削減できれば、担当部署全体の業務効率化につながるだろう。
専門知識のある社員がいない
給与計算は簿記や法律に関する知識が必要で、専門性が高い。誰でもできる業務ではなく、ミスがあると従業員とのトラブルに発展する恐れもある。専門知識のある人材がいない企業は、給与計算代行を利用したほうがよい。
担当者の業務負担が大きい
給与計算を人事や総務が兼任している企業や、経営者自身が給与計算を行っている場合もあるだろう。給与計算に手間をとられて本来の業務が手薄になってしまっては、企業の生産性は上がらない。給与計算代行を利用して担当者の負担を削減することで、コア業務へ時間と労力を投入できる。
まとめ
給与計算代行の相場は、企業の従業員規模や、経理業務のどの範囲をアウトソーシングするのかによっても変わってくる。自社の経理業務の状況と企業全体の生産性を考えて、自社にあう形での導入を検討してはいかがだろうか。
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