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日程調整ツール比較7選。機能や選定のポイントを解説

2023.03.01
オフィスのミカタ編集部

顧客との商談や社内での会議など、煩雑で時間がかかる日程調整のために、日程調整ツールの利用を検討している人は多いだろう。日程調整ツールは、複数メンバーの日程や場所をシステム上で調整できる便利なツールだが、さまざまなタイプがある。今回は、日程調整ツールの基本機能やおすすめのツール7選と、日程調整ツールを選ぶ際の比較ポイントを紹介する。

目次

●日程調整ツールとは
●日程調整ツールの主な種類
●日程調整ツール7選
●日程調整ツールを選ぶ際のポイント
●まとめ

日程調整ツールとは

日程調整ツールとは、商談やミーティングなどの日程調整を、システム上で簡単に行うことができるツールである。社内はもちろん社外の顧客とも簡単に日程調整が可能で、会議室の予約もツール上で行える。日程調整ツールを利用すれば、従来スケジュールを調整するために行っていた、以下のような工数を省くことが可能だ。

・会議に参加するメンバーを対象に、予定を確認する
・カレンダーの仮押さえを行う
・会議室の予約
・社外の参加者にメールやチャットで日程の確認を行う
・オンライン会議であれば、会議用のURLを発行して相手に送る


日程調整ツールの基本的な機能
日程調整ツールは、会議や商談などのスケジュール調整を自動化できる。ツールによる機能の差はあるものの、基本的には以下のステップでスケジュールを調整可能だ。

1.会議・商談等のイベントを作成し、日程調整用のURLを発行する
2.メールやチャットなどで参加者とURLを共有する
3.相手に希望日時を選択してもらい、日程が確定する

従来の日程調整の方法では、先方の空き時間と自分の予定がなかなか合わない、相手の都合で急にキャンセルされるなど、予定確定するまでに相手とのやりとりが複数回必要なこともあった。意外と手間のかかる日程調整を自動で行うことで業務の効率化を図るのが、日程調整ツールだ。スケジュールの調整以外にも、以下のような機能を使えるツールが多い。

場所・会議の方法の調整
日程と同時に、会議の場所を確保する。自社であれば会議室の予約、オンラインの場合はWeb会議ツールのURLの自動生成も可能だ。

他ツールとの連携
カレンダーやコミュニケーションツールなど、外部のツールと連携して利用できる。Web会議ツールに対応しているものもある。


日程調整ツールで効率化できる業務
日程調整ツールを利用することで効率化できる業務には、次のようなものがある。

商談や打ち合わせのアポイント
日程調整ツールを利用することで、対象者のスケジュールの中から調整可能な日時を提示して、相手の都合とすり合わせを行うという工程を削減できる。日程調整にかかる工数を削減することで、従業員はコアの業務に集中できるようになる。

面接、面談の日程調整
面接や面談は、人数が多いと日程調整に時間がかかり、担当者の業務負担が大きい。特に、採用活動で面接の日程調整に時間がかかると、選考期間が延びてしまい、候補者の熱量が下がってしまう恐れがある。日程調整ツールで複数人との調整が簡単になり、選考期間を短縮することが可能だ。

スケジュールの共有
日程の確定と同時に、相手にメールで通知してくれるツールもある。日時と内容が自動で通知されることによって、自分で相手にスケジュールを共有する必要がなくなる。メンバーが複数名の場合は特に有益な機能といえるだろう。


決めた日程に変更があっても、工数をかけずにスムーズに次の日程を調整できるという点も、ビジネスで日程調整ツールを利用するメリットである。

日程調整ツールの主な種類

日程調整ツールは、次のような種類に分かれる。どのような使い方をするのかによって選びたい。

候補提案型
自分が相手に候補日程を提案して、相手に都合のよい日程を相手に選択・承諾してもらうタイプが「候補提案型」だ。提案された日程候補の中から相手が日時を選択すると、日程が確定する。日程候補を自分で選択する必要はあるが、自分の都合がよい日程で相手に提示できるというメリットがある。

予約受付型
スケジュールの余白を開示して、相手に予約を入れてもらうのが「予約受付型」のツールだ。自分の予定が空いている日時をツールで自動抽出するため、自分で日程を選んで相手へ提案する工程を省略することができる。例えば、美容室や歯科医院の予約サイトなどは、この予約受付型に該当する。ツールによっては、予約が確定すると自動でカレンダーに反映されるため、ダブルブッキングを防ぐ効果もある。

投票型
複数の候補日程を提案して、各候補日について、相手に参加の可否を投票してもらう形式だ。参加する人数が多い場合の日程調整に向いている。

日程調整ツール7選

ここでは、おすすめの日程調整ツール7選を紹介する。

Googleカレンダー|Google

Googleのビジネス向け統合サービス「Google Workspace」で、2022年3月以降のアップデートで追加された機能が「予約スケジュール」だ。すでにGoogle Workspaceユーザーであれば、追加の費用なしに予約スケジュール機能を使うことができる。日程調整の相手がGoogleアカウントを持っていない場合でも、予約は可能だ。

価格:(Google公式価格、実際の価格は販売代理店による)
【Business Standard】¥1,360/月/ユーザー
【Business Plus】¥2,040/月/ユーザー
※個人事業主など個人アカウントで予約スケジュール機能を利用したい場合は、Google Workspace Individualのサブスクリプションを契約すれば使用可能

Google カレンダー

rakumoソーシャルスケジューラー|rakumo 株式会社
rakumoソーシャルスケジューラーは、個人や部署のスケジュールをスムーズに閲覧できる、Salesforce1対応のグループスケジューラーだ。直感的に使いやすいUIで、Salesforce未導入の部署ともスケジュール共有できる。Salesforceの「取引先責任者」や「商談」といった情報を紐づけることができるため、Salesforceとグループウェアの二重管理による調整ミスを防ぐ効果もある。

価格:年額10,800円/1ユーザー、初期費用は不要(※)だが導入支援サービス(75,000円~)も利用可能

※無料のマニュアルやサポート窓口の利用により、自社で設定できる

rakumoソーシャルスケジューラー

調整アポ|株式会社RECEPTIONIST
調整アポは、担当者が日時を表示するURLを相手に送信して、相手が日時を選択することで日程調整が完了する「候補提案型」ツールである。3社以上が関わる打ち合わせや商談などの日程調整が可能で、一般向けの無料版と異なり、ビジネス版は外部サービスとの連携が可能だ。Web会議の場合は、予約完了メールにWeb会議のURLが記載されるため、URL発行の手間がかからない。

価格:「スタンダード」「エンタープライズ」「プレミアム」の3種類があり、1法人月額5,000円〜利用できる。

調整アポ

TimeRex|ミクステンド株式会社
GoogleカレンダーやOutlook予定表とリアルタイムに連携して、日程候補のリストアップ、予定登録、Web会議のURL発行などを自動化する。自社の営業時間が設定可能で、日本の祝日にも対応している。相手が日程候補の中から日時を選ぶことで日程調整が完了して、予定はカレンダーに自動で反映されるため、手作業によるミスやダブルブッキングが発生する恐れがない。

価格:「フリー」「ベーシック」「プレミアム」がある。ユーザー数に応じた従量課金で、プレミアムの場合は月額1,500円(年払いで1,250円)となっている。フリープランは、基本機能は無料だが、利用できる機能に制限がある。

TimeRex

Spir|株式会社Spir
GoogleカレンダーとOutlook(Office 365)に対応しており、相手は名前とメールアドレスを入力して日程を確定できる。時間帯や曜日などを指定して、繰り返し使う日程調整URLを発行することも可能だ。タイムゾーンが最大3つまで表示可能で、海外の相手との日程調整が簡単にできる。海外の相手がURLを受け取ると、現地時間と英語で表示される。

価格:利用人数により、Starter、Essential、Standard、Growth、Enterpriseがある。5人まで利用可能なStarterは月額6,600円、120人まで利用できるGrowthは月額88,000円となっている。

Spir(スピア)

eeasy|株式会社E4
eeasyは、新卒採用の会社説明会やグループ面接など、開催日程が複数日にわたるイベントの日程調整に強みを持つツールだ。参加希望者に対して複数日程を提示し、各日程に対して複数人との予定調整ができる。

外部システムと連携できるAPIが用意されており、自社サイトやシステムとの連携も可能だ。調整はURLを送信して行い、予定はカレンダーに自動登録されるため、ダブルブッキングの心配もない。

価格:「基本サービス」は月額850円だが、月間の調整回数が6回未満の人は無料。チーム内で共有利用できる「グループ用」は、作成できる受付ページ数によって「ライト」「ベーシック」「ビジネス」があり、月額9,800円~となっている。

eeasy(イージー)

Aipo|TOWN株式会社
Aipoは、ITツールが苦手な人でも直感的に操作しやすいデザインが特徴的なツール。日程候補は最新のカレンダーの状況から抽出されるため、同時に複数人と日程調整を行ってもダブルブッキングは起こらない。基本の日程調整機能とは別に11種類の追加アプリがあり、自社の使い方に合う機能を選んでカスタマイズできる。

価格:利用できる機能により「ミニマム」「ベーシック」「プレミアム」があり、1ユーザー当たり月額350円~。プロジェクト管理やチャットなどの追加アプリがあり、活用するユーザーに合う機能・数量を追加することが可能。追加アプリは1ユーザー当たり月額100円〜となっている。

Aipo (アイポ)

日程調整ツールの比較ポイント

さまざまな企業が日程調整ツールを提供しているため、選択に迷う担当者もいるだろう。ここでは、自社に適した日程調整ツールを選ぶためのポイントを紹介する。

セキュリティ対策
日程調整ツールは相手の個人情報を取り扱うため、利用ツールは慎重に検討する必要がある。万が一、相手方の情報やWeb会議用URLが漏洩するようなことがあれば、自社の信用問題となるからだ。ツールのセキュリティ対策や運営事業者のプライバシーポリシーを確認して、セキュリティレベルが高いものを選ぶことが重要だ。

利用目的と合っているツールか
利用目的に合ったツールを選べば、業務効率を向上できる。例えば、海外の相手とのオンラインミーティングを調整する場合は、タイムゾーンや多言語表示があるものを選ぶとよいだろう。また、大勢と面接を行う際の調整に利用するなら予約受付型にするなど、日程調整の目的に合うツールを選びたい。

ツールの操作性・UI/UXデザイン
操作が難しいツールは使用頻度が下がっていき、社内で活用されない恐れがある。操作ミスで顧客との日程調整に失敗すれば、トラブル発生やビジネスチャンスを逃すことにもなりかねない。ITツールに不慣れな顧客や従業員も使いやすいデザインと操作性かを確認しよう。

価格
価格も、日程調整ツールを選ぶうえで大切なポイントだ。日程調整の頻度が少なければ、費用対効果を考えると無料ツールで十分かもしれない。有料プランを導入する場合でも、ツールによっては無料トライアル期間が設定されているものもあるため、いくつか比較検討して、トライアルで利用してから選ぶのもよいだろう。

まとめ

日程調整ツールは、インターネットを利用して、離れた場所にいる相手や複数名との日程調整が簡単にできる便利なツールである。日程調整にかかる工数を減らすことで、従業員はコアの業務に集中することが可能になり、企業全体の生産性アップにもつなげることができる。初期費用や連携できる機能などはツールによって異なるため、自社に合った日程調整ツールを探してみてはいかがだろうか。