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インボイス、電帳法の「保管庫」を用意 段階的DXこそ中小企業の進む道【株式会社日立ソリューションズ】

2023.09.12
オフィスのミカタ編集部【PR】

電子帳簿保存法で「電子保存の義務化」がされているのは、メールやWebなどの電磁的手段でやりとりした電子取引データの保存のみで、紙で授受した書類や帳簿の電子化については「任意」である。しかし、経理業務を早期にデジタル化することは大きな意味がある。その理由を、日立ソリューションズの中川克幸氏と成田丈夫氏に伺った。

電子帳簿保存法、インボイス制度にある誤解

日立ソリューションズは日立グループのデジタル分野における中核IT会社であり、ビジネスデータの活用で企業のDXを支援する「活文」という製品・サービスを提供している。なかでも中川克幸氏は「活文」のマーケティングや拡販活動を行うエバンジェリスト。また成田丈夫氏が在籍しているドキュメントマネジメントソリューション第2部は、「活文」の保存管理を中心としたソリューションを提供している。

そんなスペシャリストの2人が電子帳簿保存法、インボイス制度について感じるのは、混同や誤解が多いということだという。

「インボイス制度はインボイスの電子化を義務付けるものではなく、単に『適格請求書のやりとりルールを守りましょう』ということ。ただインボイスを電子で受け取った場合は、電子帳簿保存法に基づいて電子データのまま保存する必要があるため、義務といえます」(中川氏)

「『電子データ保存義務化』の経過措置として整備されていた『宥恕措置』が令和5年度の税制改正大綱で令和6年1月1日から『猶予』という形に変わり、条文中で『相当な理由がある場合は、紙でもよい』ということになりました。ただそこが曲解されて、『それならこれからも従来通り電子データも紙出力保存のままでよいのでは』と受け取る人もいるのです」(成田氏)

いたずらに危機感を煽ったり、逆に猶予措置の拡大解釈を助長したりするような情報も流布されているが、「いつかは取り組まなければならないDXだから、ネガティブに捉えるのではなく、法的にも後押ししてもらえる今が、ある意味チャンスだとポジティブに捉えた方がいいと思います」(成田氏)

会計システムの対応=解決?法対応できていない可能性も

インボイス制度がスタートし、電子帳簿保存法対応も求められる今、同社には多くの企業から相談が寄せられているが、成田氏が懸念していることがある。

「基本的に、インボイス制度がスタートする10 月1 日に向けて各企業が対応しているのは、直接納税に関わる会計システムを修正し対応すること。単に『経理処理ができた』『請求書のフォーマット変更を終えた』などとシステムを整えただけで満足し、実際には請求・精算・会計処理の周辺にある証憑保管の整備が手付かずの場合が多いのです」(成田氏)

法律で定められた保存要件をサポートするのが、同社の「電子帳簿保存法対応支援ソリューション」。2018年から提供しており、多くの企業の法対応やDXを推進してきたノウハウが蓄積されている。そこからインボイスに関連する業務を切り出して、特化したのが「インボイス制度対応支援ソリューション」だ。

1カ月1000件が自動化の境目 今すぐDXが必要かどうかを判断基準に

意外にも中川氏は「すべて自動化すれば便利になるとは限らないです。規模によっては導入コストとのバランスもあるし、扱うドキュメントの種類や数によっては自動化の必要がない場合もあります」と語る。

一つの目安として、1カ月の請求書のやりとりが1000件を超える企業であれば、自動化がおすすめだ(従業員規模で言うと300~500人くらい)。また現時点でほとんどを紙でやりとりしている状況であれば、当面はDXを急ぐ必要はないが、半分以上が電子データでのやりとりなら、導入した方が効率的だという。

「ほとんどの企業の場合、取引先企業側に合わせるため、複数の取引サービスの利用やさまざまな手段で書類の授受を行われていると思います。つまり残すべきデータの発生源が多岐にわたるということ。そうなると、受領した電子データの保管ルールを決めて一元化した方が、統制が取れますし、管理効率も上がります」(中川氏)

まずは保存する「保管庫」を用意 DXはそのあと段階的に進める

多くの企業が抱いているもう一つの不安は、自動化するにしても、今から始めて間に合うのかということ。例えば自動化するためにサーバーを調達してシステム導入するオンプレミス型だと、半年から1年はかかる。しかし「インボイス制度対応支援ソリューション」「電子帳簿保存法対応支援ソリューション」はクラウドでも提供可能であり、既存のシステムやクラウドと「つなぐ」ことで、最短約3週間で稼働可能だという。

「とはいえ、3週間では環境を用意するのが精一杯で、本番稼動させるには少し時間を要します。ただ、インボイス制度は10月1日、電子帳簿保存法は2023年12月には宥恕措置期間が終了しますから、まずは『保管庫』を用意することが大事です。以降は、その保管庫にどんな仕切りをつけ、どんなルールで情報を保管するかを、フェーズ2、フェーズ3として段階的に拡張していくといいでしょう」(成田氏)

つまりすべてのシステムを完璧に整えておかなくても、2023年は乗り切れる、ということだろう。

今あるシステムやデータを活用して業務効率化につなげる

例えば、請求書や見積書で会社が定めた標準テンプレートがあるにもかかわらず、顧客のリクエストで個別に対応している企業では、必要な情報の共有ができず業務が属人化する。ゆえに、問題が起きたときの対応が個人に依拠してしまうなど、結果的にサービスの質が落ちてしまう可能性もある。属人化を防ぐためには、既存のテンプレートを見直したり、電子帳票のようなシステムを導入したりし、データを入れたら自動的に顧客のリクエストに沿った書類ができるようにするという方法もある。

某企業では、電子データの領収書を集めるために、各社員が利用している複数のWebサイトを、経理担当者が巡回して取得していたことが分かった。そこで、日立ソリューションズでは、利用したWeb サイトを自動的に巡回して該当データを見つけ、それをダウンロードし情報を抽出するというシス
テムを提供したケースもあるという。

「今お使いのシステムやデータを活用して『業務効率化につなげる』解決策を提供できるのが、当社の強みだと思っています」(中川氏)。

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