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24年4月から!「交際費上限額の引き上げ」ラクス勉強会レポート

2024.04.26
奥山晶子

経費精算システム「楽楽精算」など、企業の業務効率化をサポートするクラウドサービスを提供している株式会社ラクス(東京都渋谷区、以下ラクス)は、2024年3月27日に本社で、郵便料金値上げと交際費上限額の引き上げに関する勉強会を行った。本記事では、主に交際費上限額の引き上げについて解説。このたびの引き上げに至った背景や企業の反応、懸念事項、経理担当者が必要になる対応についてご紹介する。

交際費上限額の引き上げはいつから? なぜ?

2024年4月から、損金不算入となる交際費の上限額が一人あたり5000円から1万円に引き上げられた。2023年12月に与党方針が示され、2024年3月28日に2024年度税制改正法案の一項目として可決・成立された。

この改正により損金に算入できる金額が増えれば、法人税の税額が期待できる。

交際費とは

税目としての交際費の定義は以下の通り。

“交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下「接待等」といいます。)のために支出するものをいいます。”

※引用元:No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算(国税庁)

主に営業担当者や役員等が取引先と交流し、両社のさらなる取引を図るため、交際費を利用するという会社が多いだろう。

損金として算入可能な交際費の範囲

損金として算入可能な交際費の範囲は、法人の規模により異なる。資本金が1億円以上の法人は、交際費の50%を損金として算入可能。一方で資本金が1億円以下である法人は、年間800万円までか交際費の50%まで、どちらかを選択して算入可能となる。また、資本金及び出資金が100億円を超える法人の場合は損金算入できない。

※参考:No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算(国税庁)

交際費上限額引き上げの背景

このたびの引き上げの背景には、物価上昇に伴う飲食費の高騰がある。1人あたり5000円の予算では、飲食店探しがなかなか難しく、せっかくの交際費を使わずに終わってしまう社員も多いだろう。交際費上限額を引き上げ、企業が飲食費を使えるようにすれば経済が回っていくという期待も込められている。

また、このたびの税制改正の大枠では、賃金の上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和し、持続的な賃上げが行われる経済の実現が目指されている。交際費上限額引き上げの他、所得税・個人住民税の定額減税や各種賃上げ促進税制の強化が盛りこまれており、さまざまな改正を行うことで国民全体の賃金アップが見込まれる。

企業の反応と懸念事項

勉強会では、交際費上限引き上げについて、ラクスが企業に対して行った調査の結果を発表。好感度や取引の活性化、懸念事項についての回答が公開された。

調査結果1. 好感度

「好意的である・どちらかというと好意的である」と回答した割合は、「経理・財務・会計」で47%、「営業・営業企画」で57.5%。

※引用元:“交際費上限引き上げ”に対し企業の反応を調査「取引の活性化につながる」などの好意的な意見がある一方、経費処理における「不正増加」「申請不備の増加」といった懸念の声も(株式会社ラクス)

調査結果2. 取引の活性化について

このたびの引き上げが取引の活性化に繋がるか否かをアンケート。「営業・営業企画」で「取引の活性化につながる」「どちらかというと取引の活性化につながると思う」の割合が56.8%と、取引先との接待や会食機会が多い営業職は期待が高まっていると考えられる。

※引用元:“交際費上限引き上げ”に対し企業の反応を調査「取引の活性化につながる」などの好意的な意見がある一方、経費処理における「不正増加」「申請不備の増加」といった懸念の声も(株式会社ラクス)

調査結果3. 懸念事項

このたびの引き上げにおける懸念事項としては、「不正増加」「申請不備の増加」「経費精算業務の負荷増加」がトップ3に挙がった。

※引用元:“交際費上限引き上げ”に対し企業の反応を調査「取引の活性化につながる」などの好意的な意見がある一方、経費処理における「不正増加」「申請不備の増加」といった懸念の声も(株式会社ラクス)

交際費上限引き上げで経理担当者にはどんな対応が必要?

前項の懸念事項にもあるとおり、交際費の上限引き上げにより使用頻度が増加すれば、経理担当者の負荷増大は免れない。交際費の申請には、あらかじめ設定した社内ルールに沿った申請かどうかを確認し、申請漏れがあれば差し戻すなど複数の工数が必要なためだ。

また、私的物品購入などによる交際費の不正使用を防止するためのガバナンス強化も、今後よりいっそう求められていくだろう。

そこで勉強会では、ラクスの経費精算システム「楽楽精算」のメリットが紹介された。申請者がシステムに領収書の画像をアップロードすれば、クラウド上で承認者や経理担当者が確認でき、システム上で申請から承認まで完結できる。紙の申請で発生している手書きや領収書の回覧といった業務負荷を削減できるだろう。

また、あらかじめ設定した社内ルールに反する経費申請に対しては、警告の表示や申請ブロックをする機能により、申請のチェック・差し戻しの手間を省き、ガバナンス強化やコンプライアンス遵守への貢献が期待できるとした。

まとめ

損金算入できる金額の引き上げは多くの営業担当者にとって朗報である反面、経理担当者にとっては領収証チェック業務が増える可能性が高まる。今後の負担増に身構える人もいるだろう。

電子精算システムの活用も含め、自社に必要な経理システムについて今一度見直してみよう。