人事担当者が考える終身雇用制度の今後とは?
日経HR(本社:東京都千代田区)は、人事業務経験者向けに終身雇用制度や新卒一括採用の今後に関するアンケートを実施した。
大手企業や経済団体のトップが、「終身雇用制維持の難しさ」や「新卒一括採用の弊害」に言及している中、人事業務の現場ではどう予想されているのだろうか。
5月29~31日に都内で開催されたヒューマンキャピタル2019に来場した人事担当者への直接アンケートと、同社が運営する転職サイト「日経キャリアNET」利用企業へのWEBアンケート(6月14~28日)で、約120名から回答を得た。
■終身雇用制の今後は?「減少していく」「早晩なくなる」という回答が6割以上
終身雇用制が今度どうなるか、人事業務経験者にアンケートを行った。
アンケート結果によると、「新たな雇用制度が主流となり、終身雇用制は減少していくだろう」「終身雇用制は早晩なくなる」という回答の合計は61.5%にも上った。一方で、「終身雇用制は今後も維持される」と回答したのはわずか6.6%。
「終身雇用制維持の難しさ」を言及した、大手企業、経済団体トップのコメントを裏付ける結果となった。
■新卒採用はどうなる?「新卒通年採用が主流となる」という回答が最も多い
次に、新卒採用は今度どうなるのか、人事業務経験者にアンケートを実施した。
アンケートで最も多かった回答は「新卒通年採用が主流となる」で、29.4%。「新卒でも能力に応じて給与体系などに差をつけた職種別採用が主流となる」「『新卒』『中途』という概念がなくなる」という回答もそれぞれ25%を超えた。一方で、「今後も新卒一括採用が主流となる」との回答は18.5%と2割を切っている。
新卒採用のスタイルにも変化の波が押し寄せていることをうかがわせる結果となった。
■まとめ
人事業務経験者を対象にアンケートを実施したところ、約6割が終身雇用の減少を予想していることが分かった。また、新卒採用も通年採用が主流になることが見込まれているようだ。
働き方の多様化に対応する形で、雇用制度や採用方法にも変化が求められているのではないだろうか。