「女性の仕事への満足度」1位と最下位で、働き方改革の良し悪しが浮き彫りに。
総合人材サービス、パーソルグループのパーソルキャリア株式会社(本社:東京都千代田区)が運営する転職サービス「doda(デューダ)」は、20歳~59歳のビジネスパーソン15,000人を対象に、仕事に対する満足度調査を行った。現在就いている職種について、『総合』『仕事内容』『給与・待遇』『労働時間(残業・休日など)』『職場環境(風・周囲の社員など)』の5つの指標別に満足度を100点満点とし、女性の回答に絞って集計。働き方改革の良し悪しが浮き彫りになる結果となった。
■女性の総合満足度 ~仕事に対する「総合満足度」は昨年より2.3点アップし、平均64.6点に~
女性の仕事満足度ランキングの各指標の平均点は、『総合』が64.6点(昨年62.3点)、『仕事内容』が69.8点(同64.0点)、『給与・待遇』が61.7点(同56.3点)、『労働時間』が74.6点(同68.4点)、『職場環境』が67.2点(同61.7点)という結果だった。
5つの指標の中で最も満足度が高かったのは『労働時間』で、昨年からの伸び幅も+6.2点と最も高い結果となった。
■「働き方改革」のメリットとデメリット、両方を感じさせるコメントも
「有休が取りやすく、定時に帰りやすくなった」「テレワークが導入され、勤務時間を調整しやすくなった」「時短勤務制度を活用する女性社員が増えた」など、「働き方改革」のメリットを挙げるコメントが多く集まった。
一方、『給与・待遇』に対する満足度は、スコア・伸び幅ともに最も低くなった。
特に「残業申請が通りづらくなり業務時間が減ったので、給与も少なくなった」「短い時間でこれまでと変わらない業務量をこなしているのに、給与が上がらないことに不満」など、「働き方改革が上手くいっている」とは言いづらいコメントも多く見られた。
■「MR(営業)」が83.2点で初の1位に → 職種別ランキングは下部
『総合』満足度が高い職種は、1位が「MR(営業)」(83.2点)、2位が「研究/開発(素材/化学/食品系エンジニア)」(73.1点)、3位が「教育/スクール/研修/塾講師/専門学校/英会話学校(販売/サービス)」(72.0点)となり、「MR(営業)」が初めて『総合』満足度1位になった。
一方、ランクイン最多職種は、昨年に引き続き、事務/アシスタント系職種(20職種中、6職種)だった。
1位の「MR(営業)」は、『仕事内容』『給与・待遇』の指標で、それぞれ1位を獲得、『職場環境』の指標でも4位に入っており、5つの指標のうち『労働時間』以外の指標が、上位にランクインした。
「経験が活かせる仕事内容なので、やりがいがある」「直行直帰で、業務調整がしやすい」「仕事に見合う給与を十分にもらっている」など、回答者のコメントからも仕事への満足度が高いことがうかがえる。
2位の「研究/開発(素材/化学/食品系エンジニア)」は、『給与・待遇』の指標で3位となり、ほかの指標もすべて20位以内に入った。
回答者からは、「福利厚生も厚く、給与・待遇には満足している」「産休・育休を取得して、働き続けられる職場環境」などのコメントが見られた。
3位の「教育/スクール/研修/塾講師/専門学校/英会話学校(販売/サービス)」は、『仕事内容』の指標で3位、『職場環境』の指標で2位となった。
「子どもに英会話を教えているので、やりがいがある」「仕事内容が好きで自分に合っている」など、満足している理由として、“やりたいこと・好きなことを仕事にしている”というコメントが多数見られた。
■調査概要
・調査対象:20歳~59歳のホワイトカラー系職種の男女
・雇用形態:正社員
・調査方法:ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査
・実施期間:2019年7月
・有効回答数:15,000件(うち女性4,649件)
・回答・選定方法:現在就いている職種に対する満足度を『総合』『仕事内容』『給与・待遇』『労働時間(残業・休日など)』『職場環境(社風・周囲の社員など)』の5つの指標別に、100点満点中何点か回答。この中から、女性の回答をピックアップしてランキングを選定。
■まとめ
働き方改革の影響で、労働時間は減ったが、残業ができなくなり、給料面では不満を感じる層も多いという結果だった。
企業は、残業規制の本来の目的をもう一度確認し、新たな働き方に見合った制度設計などをおこなっていく必要がある。