面接中に聞きたいこと、84%の応募者が質問できていない。応募者が知りたいことNo.1は?
デジタルレクリム株式会社(本社:東京都板橋区)では、求職者(応募者)の採用面接時における質問に関するアンケートを実施した。
面接時、応募者が最も聞きたかった質問は何だったのだろうか。声を紹介する。
■面接中に聞いておきたい質問
面接中に最も聞いておきたい、または聞いておきたかったというアンケート結果で一番多かったのが「業務時間」(17%)、次いで「昇進&昇給」、「業務内容」が共に16%となった。また、「福利厚生」や「職場環境」(共に13%)についても、聞きたかったと回答する人も多かった。
■残業時間と答えた人の理由
〇残業時間は中々聞ける雰囲気ではありませんでしたが、実際に入社してからかなりの残業時間になってしまったので、予め聞いておけばよかったと思いました。(埼玉県:27歳男性)
〇一般的に楽で定時に帰宅できる業種だと言われているので、心配していませんでした。しかし実態は深夜まで残業する日がほとんど。もっと突っ込んで質問すればよかったと後悔しています。(北海道:28歳女性)
〇将来の事を考えて子供がいても働きやすい環境であるかを一番聞きたいと思います。(京都府:36歳女性)
〇フレックスを採用していると聞いたけど、あまり使われていない。遅くまで残業しても普通の就業時間には出社しなくてはいけなくて大変。(福岡県:28歳女性)
入社してから残業時間がかなり多いことに気づき、後悔している人も多くいるようだ。また、フレックスタイムなどワークライフバランスを考慮した制度があっても、実際に利用している社員が少ないようだ。
■昇進・または昇給と答えた人の理由
〇昇進のタイミングや評価はどのように行われるのか、その会社で長く働くことを考えると重要な質問であると思う。(東京都:31歳女性)
〇入社してみたら評価制度が上司の極端な好き嫌いで実施されていたからです。(神奈川県:39歳男性)
〇就業規則や労働条件通知がなく、試用期間が終わったらちゃんと通知があるかと思っていたが全くなく後悔した。職場の先輩たちも自分がいつどんな理由でどのくらい昇給するかわかっていないと知り、自分がどのくらい頑張れば報われるのかもわからず、物価の上昇や最低賃金の上昇など世の中が変わっていくのに不安しかないから聞いておけばよかったと思う。(愛知県:34歳女性)
評価制度が曖昧な会社もあるため、面接時に昇進や昇給のタイミング、またはそのような制度があるかについて確認したかった、との声があがった。
■業務内容と答えた人の理由
〇クリニックに勤めていますが募集要項には東洋医学があり、入社してから勉強できるという話でした。しかし勉強ができる状態でなく、整形外科でのリハビリテーションを行っています。業務の具体的な内容は分かっていたはずで、最初に詳細を提示してくれていれば、もっと別な選択肢もあったとは思っています。(東京都:35歳男性)
〇職種は希望していたのでざっくりとイメージできたが実際の仕事内容と相違する部分も多かったから(大阪府:35歳男性)
〇福祉施設の事務職の募集に応募しました。施設内にはいろいろな職種があるので、事務以外の仕事も結局こなさなければならない状態になるのが不安で、業務内容をよく確認しました。(北海道:38歳女性)
業種や職種は分かっていても、実際の業務内容とのギャップが生じる恐れがあるため、具体的にどのような業務をするのかも、面接の際に聞いておきたかったようだ。
■福利厚生と答えた人の理由
〇育休制度があっても取得実績が多くないと意味がないから(東京都:26歳女性)
〇独身の時に入社しましたが、自分自身結婚して家族ができるという意識がとても低かったように思います。そういう認識があれば未来のビジョンももう少し明確に描けましたし、具体的な質問もできたのかなと思いました。(大阪府:39歳女性)
〇体調を崩した際に福利厚生が整っていなかったため、金銭面で苦労しました。(愛知県:25歳男性)
出産時の育休制度や病気など、今後のライフプランに備えて福利厚生はあった方が良いと求職者側は考えているようだ。
■職場環境と答えた人の理由
〇好きな仕事であっても、人間関係がよくない職場だとストレスだけが溜まっていく事が働きだしてからわかりました。(神奈川県:30歳女性)
〇やはり人間関係は仕事を続けていく上で大切なポイントのひとつなので、勇気を出して聞けば良かったと思っています。(大阪府:36歳女性)
〇仕事をしても上手くいかないことが多く人間関係も同じようなことがあります。仕事で人に言われた悪口や怒られたこと、噂などが嫌なことばかりでした。今まで私は何をやっても上手くいかない人だと思います。嫌なことを気にしたり、忘れることがすぐにできず辞めることがあります。そのようなことがあると自分の時間がほしくなります。(宮城県:22歳男性)
業務内容や待遇面が良くても、人間関係が悪いとストレスが蓄積し、満足に仕事が続けられなくなってしまう。そのため応募者側は会社の雰囲気や社員の傾向など、気になっているようだ。
■聞きたいことを面接中に質問できた人は僅か16%
面接で聞きたいことを実際に質問できたかどうかというアンケート結果では、聞けなかったと答えた人の割合が84%と、面接中に質問できた人は僅か16%という結果だった。
■面接中に聞きたいことを質問できなかった理由
〇面接ではとにかく自分を好印象に見せるのに必死で頭にありませんでした。(愛知県:39歳女性)
〇求職中に知人の紹介で働くことになったため、面倒くさいと思われるような言動は慎もうと思ってこちらからの質問は控えてしまいました。結果、働き始めてから面倒くさいことになってしまったので、きちんと面接時に必要な質問をしておけば良かったと反省しています。(千葉県:39歳女性)
〇聞にくい雰囲気だったので、聞くことができなかった。(大阪府:30歳女性)
〇お金のことを聞くのはガツガツしているようで聞きづらかった。(東京都:25歳女性)
〇残業を心配するような質問をしては、やる気がないと思われてしまうのではという不安があり、聞くことができませんでした。今思えば、あらかじめ覚悟をするためにも聞いておくべきだった。残業も覚悟のうち!という意気込みで質問すれば、やる気がないと判断されることもなかったかもしれないですし。(北海道:28歳女性)
■面接中に聞きたいことを質問できた理由
〇社長自ら答える事は少ないですが、常務であったり主任が回答をしてくれることが多いです。内容がはっきりしない時や回答内容がわからない時はさらに聞き直したりし納得いくまで面接をお願いしています。(沖縄県:36歳女性)
〇面接中に残業時間を聞いてみたところ、提示されていた条件よりも実は残業が多いことが判りました。参考になったので質問してみて良かったです。(千葉県:39歳女性)
〇自分が働く職場なので、仕事に関して知りたいことは聞くようにしています。(東京都:39歳男性)
納得がいかない点や不透明なことについて質問できる人もいるが、多くの求職者は残業時間の多さや昇給など、求職者が気になることでも面接官の顔色をうかがったり、聞けるような雰囲気でないなど空気を読むあまり、質問を遠慮する人が多いようだ。
■まとめ
今回のアンケート結果より、業務時間や待遇など確認したいことが多くても、応募者は面接でなかなか聞けない事情があることが判明した。
企業側としても、求職者側の知りたいであろう情報をあらかじめ公表するなど配慮することで、採用後のミスマッチ防止に繋がっていくのではないだろうか。