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育休復職者の6割が「両立の困難さから会社を辞めようと考えたことがある」と回答

2020.09.09

 株式会社fruor(本社:東京都港区、代表:喜多村若菜)が運営するライフステージに合ったキャリア形成支援のためのキャリアカウンセリングサービス「ミートキャリア(meeycarreer)」では、企業などで育休を取得し復職した人を対象に「復職後の働き方やキャリアの悩みと、会社に求めるサポート」についての意識調査を実施した。

6割の人が「復職後のキャリア展望は描けず」

6割の人が「復職後のキャリア展望は描けず」

 「復職時に会社との面談を行ったか。制度はあったか。」と質問したところ、46.6%が「制度としてあり、面談を行った」、23.4%が「制度としてはないが、自分から依頼して面談を行った」、5.0%が「制度としてあるが、面談は行わなかった」、25.0%が「制度としてはなく(または不明)、面談は行わなかった」と回答した。

 また、「復職後のキャリア展望を描けていたか」と質問したところ、「しっかり描けていた」「少し描けていた」を合わせても37.4%に留まり、この先のキャリアが見えないまま復職している人が多いことがわかった。

4人に1人は悩みや不安を「上司や会社に全く伝えなかった」

4人に1人は悩みや不安を「上司や会社に全く伝えなかった」

 「復職後の働き方やキャリアについての悩みや不満」を質問したところ、最も多かったのは「時間内で成果が出せるか」で、次いで「時短で給料や評価が下がる」、「スキルアップや昇進昇格の機会が遠のいた」、「社内にロールモデルがいない」、「時短なのに業務量が減らない」と続いた。

 自由回答欄では、時短勤務での評価への不満や業務量オーバー、過剰な配慮によるやりがいの喪失など、人によってさまざまな悩みが見られた。

 また、これらの悩みや不満を上司や会社に伝えたか聞いたところ、過半数が「伝えなかった」と回答し、4人に1人は「全く伝えていない」と回答した。その理由として4割の人が「子育て中である事情を考えると我慢すべきものだっと思った」と回答している。他にも下記のような声が挙げられた。

 ・周りの同僚よりも効率的にこなしているのに、圧倒的に給与が低いこと
 ・どれほど必死に働こうとも給料は労働時間で計算されるため、頑張り損だと感じる。
 ・時短なのに残業が発生し、家庭が回らなくなり、仕事も家庭もうまくいかない。
 ・昇進昇格が凍結され、研修も辞退するように言われた。
 ・復職3日で強制配置転換。結果、転職した。

6割の人が「両立の困難さから会社を辞めることを考えたことがある」

6割の人が「両立の困難さから会社を辞めることを考えたことがある」

 「両立の困難さから辞めようと考えたことがあるか」と質問をしたところ、「何度もある」「1,2度ある」を合わせると、6割の人が会社を辞めることを考えた過去があるという結果になった。

 また、「復職後も意欲的に働き続けるために、あったらいいと思うサポートや環境」を質問したところ、最も多かったのは「柔軟な働き方ができる制度」で次いで「勤務時間ではなく、成果で評価する制度や風土」、「個々の家庭状況や希望に合わせた働き方やキャリア設計のための定期的なフォロー面談」、「自分自身の悩みや評価についてキャリアの専門家に相談できる場」、「仕事だけでなく、日々の家庭生活や育児をサポートする施策」と続いた。

会社の対応、ありがたかったことは「在宅勤務」

 復職前後の会社からのサポートで、「ありがたかったこと」として以下の回答が挙げられた。

 ・コロナの影響で在宅勤務ができるようになり、子どもの体調不良でも有給を使わずに済んだ。

 ・保育園が見つからず、あわや退職という時、柔軟にフルリモートでの勤務を提案してもらえた。

 ・限られた時間でも成長具合に応じて新しいことにチャレンジさせてもらい、業務の経験を積ませてもらっている。

 ・育休中もメールでのフォローがあり、上司に状況を理解してもらうことにつながった。

 ・子持ちの先輩社員が講師となり、同じ子持ちの社員たちで育児の技術を学ぶ会が半年間開催された。


 一方で、「残念だったこと」として下記のような声が挙げられた。

 ・キャリアプランを提出するとき、「両立したい」希望はほとんど訂正されて「残業ありきで頑張る」という内容で提出するよう求められた。

 ・個人の意思、環境や資質を理解しようという姿勢が見られなかった。

 ・制度が整っているだけで、企業風土が育児社員を歓迎措定ないので意味がなかった。

 ・初日に席がなくて、パソコンもなかった。

まとめ

 復職後の制度を整えている会社があり、従業員の満足度が高い企業もある一方で、制度が存在するだけで機能していないという課題も見受けられた。仕事観や家庭の状況は個々に異なるため、柔軟な対応が重要となってくるのではないだろうか。

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