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ゆるブラックとは? キャリア自律のサポートが課題に(キュービック調査)

2024.07.19

株式会社キュービック(本社:東京都新宿区、代表取締役:世一英仁)は「ゆるブラック」の現状についてホワイト企業の社員560人に調査。転職活動や新しいキャリアの選択を支援するサービス『ミライトーチ』で公開した。整った労働環境で残業は少ないものの、やりがいや成長実感がわかない企業、いわゆる「ゆるブラック」だと感じている人がどの程度いるのか、「ゆるブラック」の実情を探っている。ここでは調査結果の概要をお伝えする。

調査概要

調査期間:2024年6月24日~6月27日
調査主体:ミライトーチ
調査委託先:crestep
調査対象:ホワイト企業に勤める20〜30代の社員560人
有効回答数(サンプル数):560
調査方法(集計方法、算出方法):インターネット調査
出典元:ゆるブラックとは?【専門家が解説】ホワイト企業の社員560人にゆるブラックの実情をアンケート調査(ミライトーチ/株式会社キュービック)
※「ホワイト企業」の定義:下記条件をスクリーニング調査したうえで実行
有給取得率が高く、休みが取りやすい/残業が少なめ/福利厚生が充実している/給与が平均より高く、安定した給与制度がある/従業員のスキルアップやキャリアアップのための研修や教育制度が整っている/ハラスメントがない、もしくは防止の取り組みがある/働きやすいオフィス環境や設備が整っている

成長を感じているのは約半数 15.3%がゆるブラックを実感?

成長を感じているのは約半数 15.3%がゆるブラックを実感?

本調査結果によると、今勤めている会社で「成長を感じているか?」という質問に対して「とても感じている」「まあまあ感じている」と答えたのは合計55%。一方で「あまり感じない」「全然感じない」と回答したのは合計15.3%であり、同社はこの層が「ゆるブラック」を感じていると推察する。

そこで「成長を感じない」とした15.3%に理由を尋ねると、回答の上位には「給料が上がらないから(38人)」「誰でもできる業務と感じるから(31人)」「ルーティンが多いから(21人)」が並んだ。

続いて、仕事観について複数回答で質問。「仕事とプライベートのバランスを重視したい(382票)」が圧倒的に多く、次いで「自分のキャリア形成(129票)」「多少忙しくてもお金をたくさん稼ぎたい(128票)」が続いた。同社は本調査結果を受けて、仕事とプライベートのバランスを重視したいと考える人にとっては、ゆるすぎる環境が一概に悪いとは言えないとの見方を示している。

まとめ

同社は本調査レポートにおいて、人材の専門家として株式会社人材研究所 代表取締役社長の曽和利光氏にコメントを求めている。曽和氏はゆるブラックだと感じる原因のひとつとして「厳しい言い方をすれば、働く個人側がキャリア自律できていないのに、それを『働く環境がゆるいから』と会社のせいにしていることが、ゆるブラックの実体であるともいえます」と指摘している。

自律型のキャリアが推奨されるようになった今、自身のキャリアをどう築いていくべきか、明確にできていない人も少なくないのだろう。十分なキャリア自律のサポートを提供することで、やりがいを感じられる社員が増え、エンゲージメントの向上や離職防止へと効果が期待できそうだ。改めて自社のキャリア支援体制を検討する機会としていただきたい。